
日本三大ヘイジーIPAを考える
いつものようにIPAの情報を漁っていたら気なる文面があった。
日本三大ヘイジーはこれらの問題を解決している。
ヘイジーIPAの雑味についてトピックスだったと思うが、それについては本筋ではないのでここでは触れないでおく。
この文章を見た時に私はこう思った。

国産ヘイジーIPAは二大巨頭が君臨しており、その下に様々なブルワリーが追従しているというイメージだった。それがいきなり日本三大ヘイジーと言われてしまったのである。
本記事では国産ヘイジー二大巨頭を軽く紹介した後、最後のブルワリーの考察を行う。なお、答えを知っている有識者の方はXなどで教えていただけるとありがたい。
二大巨頭その1「うちゅうブルーイング」
クラフトビール好きなら知らない人はいないと断言できる山梨県の超有名ブルワリー。かつては「うちゅう戦争」と呼ばれる争奪戦が行われ、私も日々敗北を喫していた。

設備拡大を行い缶で流通した後はうちゅう戦争も穏やかになり、発売数日間のうちは買えるようになった。とはいえ日本トップクラスの人気であるため、油断してるとすぐに売り切れてしまう。
そんなうちゅうブルーイングのヘイジーを端的に表すと

である。
国産クラフトビールにありがちな「地元の食材を使って~」なども無く、ただ真っすぐに美味しいビールを作る。先端技術を学び、取り入れ、日々進化しているブルワリー、それがうちゅうブルーイングである。
二大巨頭その2「WEST COAST BREWING」
静岡県にある超有名ブルワリー。単語の頭文字を取って「WCB」なんて呼ばれている。某野球大会と似ていることから「WBC見ながらWCBを飲む」という行為がクラフトビール好きの間で流行った。

WCBは「うちゅう戦争」のような争奪戦が発生はせず、発売から1週間ぐらいで売り切れることが多い。これはカジュアル層まで知名度が浸透しておらず、本当に好きな人が買った結果だと思う。
そんなWCBのヘイジーを端的に表すと

である。
WCBはヘイジーIPA以外にもヘレス、インペリアルスタウト、ケトルサワーなど様々なスタイルのビールを作っており、それら全てが美味しい。こういった引き出しの多さをヘイジーIPAにも転用できており、様々なタイプのヘイジーを高品質で量産しているという印象だ。
「うちゅうブルーイング」と「WEST COAST BREWING」どちらのヘイジーIPAが美味しいか?という質問をよく受けるが、私は「足し算のヘイジーならうちゅう、引き算のヘイジーならWCB」と答えるようにしている。
足し算のヘイジーとはホップフレイバーごりごりのタイプのヘイジーで、濃さの代償として雑味を伴っているものが多い。両者ともにその雑味は少ないが、うちゅうの方がより少ない印象だ。
引き算のヘイジーとはホップフレイバーはそこそこ、後味にしっかりとした苦さがあるタイプのヘイジーで、大切なのは味わいのバランスである。最近のうちゅうがそういったヘイジーをあまり作らなくなったいうのもあるが、WCBが得意とするヘイジーであると私は思う。
少々脱線してしまったので本題に話を戻していこう。
3つ目を考える
日本三大ヘイジーに入るブルワリーを考える時に必要な要素は

である。
美味しいのはもちろんのこと、ある程度の知名度は欲しい。広島県にある「BREAK EDGE BEER WORKS」というブルワリーは二大巨頭にも劣らない味わいだと個人的には思っているが、流通量も少ないせいもあり知名度が足りない。(ビンの流通がとにかく少なく、最近は直販でしか買えない)

「味+知名度」を考慮し、いくつか候補を考えてきたので紹介をしていく。味も知名度も私の主観によるものなので、妄信しないことを推奨する。
候補その1「伊勢角酒造」
真っ先に思いついたのがこちらのブルワリー。通年商品はクラフトビールが置いてあるスーパーでも購入可能であり、知名度はばっちり。「ねこにひき」をはじめとしたヘイジーIPAを多数展開しており、ヘイジーIPAのイメージを持っている人が多いだろう。

これまでのニュアンスで伝わったかもしれないが、味わいという側面では二大巨頭と比較した時に物足りないと思う。技術力が足りないというつもりは無く、大手クラフトビール特有の予算との兼ね合いで攻めきれてない気がする。それが一番顕著なのは通年商品の「ヘイジーIPA」であり、あからさまにホップフレイバーが足りない。

候補その2「Inkhorn Brewing」
東京都豊島区目白にあるブルワリーで、2021年に醸造を開始したニューフェイス。この記事を読むような方であれば知っていると思うが、一般的な知名度で言うといまいち。味わいの特徴はホップの果物の要素を出すのが上手で、テクスチャーがはっきりとしているヘイジーを多数輩出している。

こちらのヘイジーは甘口のマンゴーや桃をしっかりと感じることが出来る素晴らしいIPA。当時の私の感想にも「WCBやうちゅうなどのジャパニーズヘイジーの最前線にいるブルワリーとも引けを取らない味わいです」と書かれており、実力は二大巨頭にひけを取らないと思う。
まとめ
今回は日本三大ヘイジーIPAを考えていった。3つ目の候補として知名度の伊勢角酒造、味わいのInkhorn Brewingを挙げていった。冒頭の情報元もマニアックなサイトだったので、個人的にはInkhorn Brewingだと思う。
ここまで言っておいてあれだが、日本三大ヘイジーIPAを確定させる意味はない。何故なら今現在でもブルワリーが雨後の筍の如く出てきている。それらの新興ブルワリーは人気なヘイジーIPAを作るところが多く、すぐに更新される可能性が高いからだ。
2023年に誕生した「Teenage Brewing」のヘイジーIPAもいい仕上がりであり、今後に大きな期待を持てる。
しかし二大巨頭はトップスピードで成長を続けており、よっぽどなことが無い限り崩れることはないだろう。味はもとより、知名度と流通量も加味すると国内では圧倒的であり、それを超えるのはよっぽどの大資本ではない限り現実的ではない。
この記事は以上で終了となるが、最後におまけとして個人的にヘイジーが美味しいと思うブルワリーを羅列していく。自分だけの日本三大ヘイジーIPAを作る際に参考にしていただければ幸いだ。
引用元(サムネイルの画像)
うちゅうブルーイングロゴ(公式ホームページより引用)
URL:https://uchubrewing.com
WCBロゴ(公式ウェブショップより引用)
URL:https://www.westcoastbrewing.jp
おまけ(日本で美味しいヘイジーを作ってると思ってるブルワリー)
※本篇で紹介したところは除く
北海道
・忽布古丹醸造
・わかさいも本補(鬼伝説)
東北
・Be Easy Brewing
・Great Dane Brewing
関東
・hazy labo
・TOKYO ALEWORKS
・VERTERE
中部・北陸
・志賀高原ビール
・HORSEHEAD LABS
・Totopia Brewery
・Y.MARKET BREWING
関西
・NOMCRAFT Brewing
中国・四国
・SETOUCHI Beer
九州・沖縄
・AMAKUSA SONAR BEER
本当のおまけ(うちゅうとWCBを何かに例えてみる)
ポケモン
うちゅう:ザシアン(第八世代)
WCB:カイリュー(第九世代)
スプラ3
うちゅう:ジムワイパー
WCB:黒ZAP
呪術廻戦
うちゅう:五条 悟
WCB:乙骨憂太
調味料
うちゅう:塩
WCB:白だし
ラーメン
うちゅう:家系
WBC:中華料理店の汁そば