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品井沼干拓事業とJSMC

(TOP画引用元:https://www.waterways-japan.net/6-3-1)
昨今、急速に宮城県の固定資源がなくなっております。中でも水道は顕著です。
2021年7月、宮城県議会にて日本で初の水道民営化が実現してしまいました。「みやぎ方式」と謳った方式の運営方針を打ち出している。
中身はコンセッション方式で、官民で運営していくらしいが、その実業務部分は民間、水道管などの設備の維持管理は官つまりは日本で運営するとのこと。つまりは、赤字の懸念がある部分は日本持ち、あとのおいしい部分は民間(外資)持ちということでまさに発展途上国のビジネスモデルである。

これを日本で初と声高にいっているんですから、まさに日本の植民地宣言といっても過言ではないのではないでしょうか。
というのも、フランスをはじめ当初民営化を進めていたヨーロッパ諸国は再公営化を始めた中で行われたからです。当然といえば当然です。
例えば、家の水道を考えれば高いお金を払うところには水を流して、赤字の場所は水道事業を撤退していくような流れではどうでしょう。民間ですから当然、利益を追求することが主としての目的です。ですから経営上は何も間違っていないわけです。
ただ、水道のない地域はどうなるんでしょう?
JRに関しても同様のことがいえます。わざわざ、線路のないところに線路を通して人々がより暮らしやすくなるようにしてきたわけです。しかし、現在を生きる日本人が先祖の苦労をわざわざ水の泡と帰させているのです。
損益に対する恐怖だけで偉大な先人の功績を無に帰していいんでしょうか?

また宮城県には雇用問題とも関連する企業誘致の課題もあります。

それはJSMC株式会社の誘致問題です。
この会社は力晶積成電子製造(PSMC)とSBI証券の出資する合同会社です。
このJSMCは宮城県の大衡村に社を構えようとしています。
現状は写真の通り、ボーリング作業中です。

jsmc予定地

ただ近くには新築の団地ができており、誘致の本格化はそう遠くないうちに始まるでしょう。

なぜJSMCが問題なのか。
それは半導体に使われる水や汚染水の存在のためです。

半導体の製造にはただシリコンウェハを切断・加工するだけではなくいろいろな工程をはさみます。中でも洗浄はとても重要な工程です。なぜなら大量の良質は水が必要とされ汚れを残してはならないためです。
最新型のチップのサイズは2nm(実寸ではなく企業のスペック)まで最小化しています。そのため髪の毛一本(直径約50~80μm、nmの1000倍以上)なんてものは比較にならないほど大きなゴミになりますので、とても清潔な環境下が必要となります。
また、一時期、南朝鮮国の方と問題になった洗浄液のフッ化水素酸やPFASなどのフッ化系洗浄液も環境汚染に対して問題をはらんでいる物質です。
現在ですと、米軍基地付近でPFASの濃度が高いと話題になっています。ただフッ素系の汚染に関しては天然でも存在しているので全くの汚染0を目指すことは難しいことが分かります。
ちなみにPFAS(ペルフルオロアルキル化合物)に関して、撥水性に富んでいたり、消火剤としても有用であることからなかなか手放せない。
ただ、PFASはForever Chemical(永遠の化学物質)とも呼ばれ、フッ素と炭素差鎖の強固さからくる安定性によって人体、自然界では分解されにくい性質があります。加えて、人体に入るとがんを促進することもわかっています。便利さを有するものはえてして、害をなすものなんでしょうか。

そういった問題を伴いつつ、JSMCの立地にも問題があります。(写真)


一見、交通の便にも恵まれたよい場所に立地していると思います。
ただ、この場所はもともと仙台藩が大規模に行った干拓事業の場所にあたります。
この土地は江戸期から米の増産を行うための土地であったものの、吉田川流系でも有数の河川の氾濫を起こす場所で有名だった場所です。
当初、干拓事業は民間のみで行われる予定でした。しかし度重なる水害による被害(田畑、家屋)に見舞われ、なかなか思うように事業が進みませんでした。ただやっとの思いで7年かけて、松島湾までの排水路を完成させました。
しかし、その後も明治期、現在に至るまで水害問題は完全な決着がついていません。今でも吉田川の法面には新しいコンクリートで補強されています。ただ、元は民間であるがゆえに大衡村から松島町までに至る5つの町村(松島、鹿島台、大谷、粕川、大松沢)が協力したからこそ干拓事業が進められてきたわけです。
細かい歴史については、松島町の管理する資料館があります。ぜひ足を運んでいただきたいです。

このように潤沢な水資源を半導体に使われ、排水でもされたらどうなるでしょう?
松島では観光だけではなく、海苔をはじめとする養殖業も盛んです。こちらに影響は出ないんでしょうか?

また、熊本県では同じように半導体企業が入っています。バブルだと盛り上がっているようですが、その実、水や水源地近くの最終処分場問題はどうなっているのでしょうか?
世界の最終処分場としての日本とならぬようチェックしていく国民の主体性に期待したいところです。

次回は、近所にある最終処分場の予定地について書こうと思います。

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