重いほど止まらない?
「ミニ四駆、重いほど止まりにくい?」
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
昨年春に関東に来てからなかなかレースでいい結果が出ず、ミニ四駆の改造ばかりですっかりnoteを書いていませんでしたが、久しぶりの投稿です。
(昨年末にEDM、今年1月にY'sのレースで勝てました。やった〜。)
今回は、ブレーキの話です。
もし皆様の認識が違っていたらすみませんなのですが、自分は、ミニ四駆は重いほど止まりにくいものと思っていました。
自動車は、重いほどブレーキの効きが悪くなり、止まりにくくなります。
なのでミニ四駆も同様だろうと思っていたのですが、最近ふと、ミニ四駆の場合は重くても軽くても同じじゃないか?と思ったので、ちょっと文章にしてみました。
自動車の重量とブレーキの関係
そもそも、自動車が重いほどブレーキの効きが悪いとは、どういうことでしょうか。
自動車のブレーキは、タイヤと一緒に回転するブレーキディスクをブレーキパッドで挟むなどの方法で、運動エネルギーを摩擦によって熱エネルギーに変換して空気中に捨てることで減速させる装置と言えます。
運動エネルギーは質量に比例するため、速度が同じでも重い車の方が運動エネルギーをたくさん持っています。しかし、車体が重くなろうと軽くなろうと、ブレーキが熱エネルギーに変換して捨てることのできる運動エネルギーの量は変わりません。このため、車が重いと、ブレーキによって運動エネルギーを捨てるのに時間がかかるため、減速しにくくなる、すなわち、ブレーキの効きが悪くなるということです。
ミニ四駆の重量とブレーキ
では、ミニ四駆の場合はどうでしょうか。
ミニ四駆のブレーキは、車とは全く異なり、車体の裏側に貼ったブレーキスポンジを路面に当てるという仕組みになっています。
ブレーキスポンジと路面との摩擦力によって、運動エネルギーを熱エネルギーに変換して捨て、減速しているということです。
さて、摩擦力は、物体を路面に押し付ける力に比例して大きくなります。同じブレーキスポンジでも、強く路面に押し付けるほど強い摩擦力が働くということです。
ミニ四駆のブレーキスポンジを路面に押し付ける力は、車体の重量です。なので、車体が重いほどブレーキスポンジを路面に押し付ける力も大きくなり、摩擦力が増すことになります。
また、フロントブレーキに限っては、単純な車体重量だけでなく、ミニ四駆のスピードによってもスロープ路面に押し付けられます。走ってきたミニ四駆のフロントブレーキがスロープ路面に衝突したときに受ける力は質量に比例するので、やはり車体が重いほど強い力でフロントブレーキが路面に押し付けられ、摩擦力が増します。
ミニ四駆では、実物の自動車と違って、車体重量が重くなると、その分だけブレーキの制動力(運動エネルギーを熱エネルギーに変えて捨てる能力)も上がるということです。
しかし、車体が重くなった分だけ運動エネルギーも増しています。
すると、車体重量の増加により運動エネルギーが増えても、その分だけブレーキの制動力が良くなるわけですから、結果として差し引きゼロになり、減速の度合いは変わらないということになります。
つまり、ミニ四駆においては車体重量はブレーキング性能に影響しないだろう、ということです。
ただし!
ただし、どうやら摩擦力には一種の限界値のようなものがあり、接地面積が不十分な場合は、物体を押し付ける力を大きくしていくと、ある程度のところで摩擦力の伸びが落ちるという現象があるようです。
このため、ブレーキスポンジの接地面積が十分でない場合は、車体重量の増加により路面に押し付けられる力が強くなっても、それに見合った摩擦力の増加がなく、ブレーキング性能が落ちるということがありそうです。
例えば、ブレーキスポンジ全体が路面に当たっておらず、前端や後端のラインだけが接地するような状態であれば、接地面積がとても狭いわけですから、車体重量の増加にくらべて摩擦力の増加が足りず、重くなったために止まらなくなるという状態に陥ると考えられます。
自分の感想というか感覚
自分としては、車体が軽いから止まりやすいとか、重いから止まりにくいというのは、そういえば感じたことがありません。
自分のマシンのブレーキスポンジは、スロープ突入時に前後ともに全体が路面に当たるように角度を調整してあるので、重量増による摩擦力の限界が来ることがなく、重量変化による運動エネルギーの変化とブレーキ制動力の変化が釣り合っていたのかも。
実際に測定した結果ではなく、あくまで机上の空論でしかないのですが!
なお、当然ですが、ブレーキング性能が変わらないのは、速度が等しい場合に限ります。運動エネルギーは速度の2乗に比例するので、速いほど止まりにくくなります。
となると、軽い車体の方が早く加速できるので、レイアウトによっては軽い車体の方がスロープ突入速度が上がってしまい、むしろ軽い方が止まりにくいということもあるかもしれません。
以上となります。
ここがわかりにくいよ!みたいな質問とか、それはちがうよ!みたいな異論など、もしあればお寄せください。
お読みいただきありがとうございました。