図2

体験型イベントをデータ分析し、相性の良いIT技術を探し、実証で確かめた話

体験型イベントというビジネスモデルについてデータ分析と実証をしたので、その結果をまとめました。調査期間2か月。長文なので、最初にまとめをのせます。

まとめ
・体験型イベントをデータ分析したら人気度が右肩上がりだった
・体験型イベントは旅行先での体験から、脱出ゲームなどのゲームイベントへと変わってきてる
・データより、IoTとARは体験型イベントに対しポテンシャルありそう
・実証したら、AR,IoTが体験型イベントに新たな革新を起こす未来が見えた

画像2

最初は机上調査です。体験型イベントというビジネスモデルの可能性を、データから分析します。

体験型イベント進化の軌跡

体験型イベントの進化の軌跡を、検索時の第2ワードから考察します。検索数別の人気度の確認はGoogleトレンドを使いました。

キャプチャ

※人気度について※
Googleトレンドではキーワードの人気度が数値として表示されます。100 の場合はそのキーワードの人気度が最も高いことを示し、50 の場合は人気度が半分であることを示します。0 の場合はそのキーワードに対する十分なデータがなかったことを示します。

第2ワード "イベント"(白い折れ線)が上昇傾向にあり、これは体験型イベントの人気が上昇傾向にあると思います。また、第2ワード "ギフト" (黄色折れ線)は、2011年8月、2015年2月の急上昇を除くと全体的にはゆるやかに上昇しています。体験イベントより上昇の傾向が弱いことから、2012年以降は、別の第2ワードが人気をけん引していそうです。

キャプチャ7

第2ワード "ギフト" について、年代別に検索したところ、2011年8月は、"体験ギフト.jp" が開始されたりと、体験型のサービスをギフトにするビジネスモデルが注目されたようです。このときの『体験』とは、旅行先でパラセーリングするとか、そーいう感じのようです。
2015年頃は、"体験型カタログギフト"という単語が普通に使われていました。旅行先での体験ではなく、ヨガや琴などの習い事系や、新米パパママ向けの体験ギフトといった個性的なものがでてきました(←2020年1月時点も提供してました、人気なんですかね)

※2011年8月、2015年2月の急上昇は、テレビなどメディアで取り上げられたのですかね?

2012年~人気をけん引するのはリアル脱出ゲーム!?

第2ワード"リアル脱出ゲーム"をグラフに追加しました。

キャプチャ2

2011年4月頃から"体験 イベント"(白い折れ線)に似た上昇傾向があります。最近の体験型イベントの人気をけん引しているように見えます。

データから見た体験型イベントに関する考察

体験型イベントが生まれた当初は、旅行先で新たな体験をすることが中心だったのが、ヨガなどの習いものといった値段や時間のコストが軽いものが出現し、さらにリアル脱出ゲームの出現で体験型ゲームというジャンルが主流になりつつあるように思います。

キャプチャ3

体験型イベントの推移

分析により、体験型イベントというビジネスモデルは進化していることがわかりました。人気は上昇傾向にあることから、更に進化すると思われます。では、『どのように進化するのか?』を考えていこうと思います。

体験型イベントの進化系を考える

◆相性の良い技術を探す

今後は、新しい技術が加わることで新たな体験型イベント(ゲーム)が生まれると推測し、体験型イベントと相性の良さそうな技術3つ選びました。

選定基準は『デジタルとアナログの中間にある技術』であること。そこで、AR,XR,IoTの3つが相性が良いと考えました。

・AR(拡張現実):リアルな映像にデジタル情報を重ね合わせる技術
・XR:技術はARと似てる、リアルとデジタル情報の比率が、デジタルの方が多い(と思ってる)
・IoT:センサーでリアル情報をデジタル化する小さなパソコン

キャプチャ6

◆人気度の推移を確認する

3つの技術の注目度を確認するため、グラフに追加しました。
◆AR
ARは、2010年10月頃にピークがあり、その後はやや落ちてはいるものの一定の水準を保っているように見えます。最近のニュースによると、ビジネス利用として注目受けているようです。

キャプチャ4

◆XR
XRは、2018年12月頃から急に注目度が上がっています。注目度が上がって1年ちょっとですね。ヘッドマウントディスプレイという言葉を知っている人は多くなりましたが、持っている人はまだ少なそうです。

◆IoT
IoTは、2014年1月あたりから注目度があがりはじめています。低コスト化と開発が簡易になったことで開発者が増えているようです。

AR,XR,IoTの体験型イベント活用への有効性を考える

3つの技術を体験型イベントに活用した場合の有効性を考えていきます。

"体験"というキーの第2ワードにした場合の人気度をグラフにしました。

キャプチャ5

◆AR
2014年5月に人気度が20くらいまで落ちてそれから上昇ができず、くすぶっています。私見ですが『体験型コンテンツへの可能性は感じているが、形にできていない』と感じました。

キャプチャ10

◆XR
人気度が0(ゼロ)でした、これは分析に十分な情報がないことを意味します。『体験型の何か』という観点で考えるには時期尚早ということでしょうか?

◆IoT
IoTの人気度が上昇し始めたあたりから、"体験 AR"(オレンジの折れ線)に近い人気度で推移しています。人気度 20 を超えないあたりから推測するに、『ARと同様に、体験型コンテンツへの可能性は感じているが、形にできていない』と感じました。

キャプチャ9

以上のことから

ARとIoTは体験型イベントに対し、ポテンシャルありそう

という結論に至りました。

【実証】AR,IoTを活用した体験型イベントしてみた

データ分析が終わったので次は実証です。

AR,IoTが体験型イベントに対しポテンシャルがあるのか?

実際にARとIoTを使った体験型イベントを行い、第三者の反応を調べます。今回は、IoTとARを使った宝探しゲームを作り2か所で披露しました。(イベントの様子は本記事の最後に張りました)

キャプチャ

楽しい/面白いなど、なかなか好意的な反応を頂きました。手ごたえありでした(ホントに)

実証結果より、

AR,IoTが体験型イベントに新たな革新を起こす

という近未来が見えました。(すぐ来るぞー)


まとめ

最初に書いたまとめをもう一度おさらいします。

・体験型イベントをデータ分析したら人気度が右肩上がりだった
・体験型イベントは旅行先での体験から、脱出ゲームなどのゲームイベントへと変わってきてる
・データより、IoTとARは体験型イベントに対しポテンシャルありそう
・実証したら、AR,IoTが体験型イベントに新たな革新を起こす未来が見えた

ここまでの長文、読んで頂きありがとうございました。

実証の様子

実証した体験型イベントの様子は、こちらにまとめました。


こんな弱小ブログでもサポートしてくれる人がいることに感謝です。