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JAアクセラレーター第6期/参加することで得られる効果(WAKU、ストラウトの場合)

みなさん、こんにちは。AgVenture Labです。
年に1回の一大イベントが11/6(水)に開催されました。JAアクセラレーター第6期DEMO DAYです。今回は当日の様子と共に、第6期採択企業の2社に活動期間を経て感じたことをお話を伺いました。
ぜひ、最後までご覧ください。

DEMO DAY当日の会場の様子(AgVenture Labホール)

DEMO DAY 2024が行われました

JAアクセラレーター第6期は、今年の5月にビジネスプランコンテストが行われ、審査を通過した9社が採択されました。6月から11月までの6か月間、スタートアップ1社に対し2~3人の伴走者(JA全農、農林中央金庫の職員)と共に、実証実験やビジネスプランのブラッシュアップを行ってきました。DEMO DAYでは、9社のスタートアップによるプログラム期間中の成果が報告されました。

最終報告をするスタートアップとそれを見守る伴走者

ちなみに伴走者とは、、
伴走者は、JA全農(全国農業協同組合連合会)、農林中央金庫の職員です。今年は北海道を中心に実証実験を行う「北海道枠」を設け、対象として2社が採択。この2社にはホクレンの職員も伴走者として参加していただきました。
伴走者の活動内容は、主にJAグループのアセットやあぐラボの施設等を活用して、実証実験先やヒアリング先の紹介、ビジネスプランのブラッシュアップなどを行います。JAグループの職員にとっても、いつもの業務とは違う経験ができ、スタートアップならではのスピード感や柔軟性を学ぶいい機会となります。

JAアクセラレーター第6期採択企業

第6期の採択企業は以下の9社です。

第6期の採択企業の皆さんとJAグループ役員

・NoMy Japan株式会社★https://www.nomy.no/
・株式会社レグミンhttps://legmin.co.jp/
・株式会社WAKUhttps://wakuwakudriven.com/
・カルテック株式会社https://kaltec.co.jp/
・AUDER株式会社https://www.auder.dev/
・株式会社ストラウトhttps://www.s-trout.com/
・株式会社Perma Future★https://nononolife.com/
・amu株式会社https://www.amu.co.jp/
・株式会社INGENhttps://www.ingen-inc.com/
(★の2社は「北海道枠」です)

JAアクセラレータープログラムに参加することで得られる効果

JAアクセラレータープログラムに参加することで得られる効果は、スタートアップによって異なり、”これが得られる”という断言は難しいと考えています。しかし、JAグループと繋がって良かったと感じ、連携や実証実験なども増えたと実感するスタートアップが多くいることは確かです。全てのスタートアップが一概に同じ効果があるとは言い切れませんが、今回はJAアクセラレーター第6期で採択されたスタートアップ2社に、JAアクセラレータープログラムに参加して得られたこと、良かったことなどをお聞きしました。


グルタチオン実装化を目指す/株式会社WAKU

株式会社WAKU(ワク)は、植物の成長を促す「グルタチオン」を肥料として活用することを目指している会社です。JAアクセラレーター第6期で、グルタチオンの認知向上や試験データの確保などを目的に取り組みました。実際に活動期間を経て、メディアへの露出やイベントへの登壇も増え、全国各地や一般企業にて試験の開始が始まっています。
活動開始当初は林業での実装化に取り組んでいたWAKU。期間の途中から農業分野への実装に着目し、事務局や伴走者の支援により展開。多くの施設、農業者とつながることができたそうです。
今後も継続的に連携を検討したいと仰っていただいている、取締役COOの片野田さんにお話を伺いました。

AgVenture Lab(以下・あぐラボ):WAKUさんは、PoCを多く実施している印象です。このJAアクセラレータープログラムに参加したからこそ見つけることのできた実証先やそこから得られた発見などはありましたか?

片野田さん:JAアクセラレータープログラムに参加したことで、今までほとんど繋がりのなかった試験場や自治体のつながりができました。特にAgVenture Labの事務局のサポートで群馬県においては、多くの生産者様、県庁の方々、試験場の方々と繋がることができました。

あぐラボ:活動中の大きなポイントになったと思いますが、実装化を目指すフィールドを林業から農業に転換したきっかけを教えてください。

片野田さん:当初は林業向けで試験先を探していましたが、伴走者の方に軽い気持ちで「農業分野でも試験できそうなところありますかね?」と質問したところ、予想外に多くの方々に繋げていただき、結果的に農業での試験先が増えました。

グルタチオンは林業だけでなく、農業でも効果が期待できるとJAアクセラレータープログラムに参加する前からWAKUの事業フィールドのひとつとして検討を始めている段階でした。
事務局や伴走者との話し合いを重ねるうちに、ある意味 ”潜在的” であった部分を表面化し、結果的に横展開をしてより多くの活動を展開することができました。JAアクセラレータープログラムに参加したスタートアップが途中でフィールドを変更したり、ターゲットを変えることは少なくありません。よりビジネスが加速するためにJAグループとスタートアップが目指す未来へ向けて柔軟に対応していくことを示しています。

あぐラボ:最後に、JAアクセラレータープログラムに参加してよかった点があれば教えてください。

片野田さん:アクセラに参加して良かった点はたくさんあります!試験いただける方々とたくさん出会えましたし、親和性の高い企業様も数多くご紹介いただきました。また、イベントにも数多く参加させていただきました。大手町のアグラボオフィスを自由に使わせていただけたのもすごくありがたかったです。

DEMO DAYでプレゼンする株式会社WAKUの片野田さん

期間の途中で展開するフィールドを変更するという、思い切った決断がとても印象的です。しかしその決断があったからこそ、農業での実証実験が進み、新しい試験データを得ることができたのではないでしょうか。また、こういった方向転換や目指す目的の模索なども含め、事務局や伴走者が同志となり活動期間中の面談やコミュニケーションを重ね、ビジネス成長へ最善の道を考え抜きます。6か月間という短い期間ですが、これから何年も繋がっていく始まりでもあります。


養殖DXアプリを開発する/株式会社ストラウト


株式会社ストラウトは、魚の病気検知を経験則だけに頼るのではなく、AIやIoTを活用した「養殖DX」を目指す会社です。気候変動やノウハウの属人化が課題とされる魚の養殖現場で、魚病を早期検出するAIシステム「UMIDaS」を導入し解決しようと取り組んでいます。JAアクセラレーター第6期に参加した目的として、実装協力先の模索、ビジネスブラッシュアップのほかに、”仲間づくり”というポイントもあげていました。
活動期間中の成果など含め、代表取締役社長の平林さんにお話を伺いました。

あぐラボ:JAグループと組んで一番良かった点を教えてください。

平林さん:私の場合はどちらかと言うとJFグループ(※)との対話や取組が主でしたが、同じ養殖でも地域によって直面する課題や対応能力が少しずつ異なるといった、現場に赴くことでしか分からない現場知をダイレクトに得ることができ、自社製品の事業性検証やブラッシュアップに役立ちました。
(※)JFグループ:漁業者がつくる漁業協同組合(JF)を基盤とし、都道府県のJF連合会、JF全漁連等でできたJFのネットワーク。

あぐラボ:JAアクセラレータープログラムは農業・林業の他に水産(JF)領域での活動も特徴の一つですよね。では、アクセラに参加したことで得られた他のスタートアップとの繋がりや協業について教えてください。

平林さん:施設園芸の支援AIを開発するスタートアップとの養殖向けAI開発での協業を実現することができました。今後も業務提携を通じて水産養殖をアップデートさせていく共通目標に向かって動いていきます。

ストラウトは、JAアクセラレーター第6期に参加したスタートアップの中でも、AgVenture Labの別プログラムでファイナリストとなったスタートアップとの協業が印象的でした。
AI技術を第一次産業で活用して、現場の負担改善やサービス向上を目指したいという想いは2社とも同じ。ラボに集まるスタートアップ同士がこのように事業シナジーを生み出すことは、素晴らしい事例となりました。

あぐラボ:最後に、JAアクセラレータープログラムに参加してみての感想を教えてください。

平林さん:弊社はまだプレシード期であり、事業戦略にブレが出やすい中での参加でしたが、伴走者などからは期間中、何度も丁寧かつ明確な助言をいただけました。特に水産業というニッチなフィールドでのイノベーションは様々な面で困難が伴います。その点では、参加者本人の諦めずにやり抜く根気さえあれば、それに応える同志がいるプログラムだと強く感じました。


DEMO DAYでプレゼンする株式会社ストラウトの平林さんと伴走者の皆さん

AgVenture Labと繋がりのあるスタートアップと協業が実現し、もともと活動期間中の目的としてあげていた”仲間づくり”、そちらも達成できたのではないでしょうか。ビジネスブラッシュアップだけでなく、各地域の繋がり、仲間となるスタートアップとの連携など新しいコミュニティを開拓できるのもJAアクセラレータープログラムに参加する効果のひとつかもしれません。


まとめ  

JAアクセラレータープログラムに参加することで、実証先を増やすことができたり、AgVenture Labと関りのあるスタートアップとの協業が実現したり、様々な効果が得られます。それぞれのスタートアップによって得られる効果は違いますが、活動する5か月間を伴走者の支援を得ながら事業成長を加速させるサポートができればと私たちは思っています。

このプログラムは毎年1回行っています。また次期のプログラムの募集が出ましたら、こちらのnoteでもご案内しますので、応募を考えている方、興味のある方はぜひAgVenture Labのnoteを登録してお待ちください!

DEMO DAY当日の様子はYouTubeでも配信しておりますので、ぜひご覧ください。


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