Vketで興味を持った人へ。なりたい自分になれる、VR(メタバース)はいいぞ。
(2022/5/10追記)
こちらの記事で応募した、Vket2021のnoteコラボ企画、#Vketから考えたメタバース にて深津貴之様より審査員賞をいただきました!とってもうれしかったです!
こんにちは。VRChatで色々遊んでるVR一般人のゆーてるです。
ここ数週間、「メタバース」のバズもあってVket2021が大盛りあがりでしたね!
ぼくも所属している団体でツアーガイドとかやったり忙しかったけど
開催期間はとっても楽しかったです!
Vket2021とは?
アメリカの企業VRChat Incによって運営が行われているソーシャルVRプラットフォームの
VRChatにて定期的に開催されている、日本人ユーザー界隈を中心としたお祭り、
バーチャルマーケット(VIRTUAL MARKET)の2021冬版のことを差しています。
VRChatについてどんなものか知りたい方はこちらをご覧ください!
バーチャルマーケット(通称Vket)がどのようなものかはこちらをご覧ください!
だいたいの詳細は上のリンクの記事に書いてあるのですが、VRChatというのは
「技術力がある限り、なりたいものになれる・やりたいことができる世界」です。
ぼくはそう解釈しています。
そしてこのVketというイベントで主に販売が行われているものは
「アバター」、つまりはこのVRChatという世界における自分の姿候補です。
他にもこのアバターを彩るためのアイテムや、アバターを着たユーザーたちが過ごす
ワールドそのものや、アイテムもあります。
最近VRとはあまり関係のない企業からの出展もありますが、
ポジションとしてはゲスト出演みたいなもので、主たるものはアバターだと思ってます。
このVketを巡る楽しみとして、
色んなクリエイターさんたちが生み出した魅力的なアバターたちとの出会いもそうですが
それぞれ別々のコンセプトを持ったワールドのデザインに触れることもまた魅力の一つです。
ぼくが自分の所属しているグループでツアーガイドをやった「私立Vket学園」という
ワールドは高校の学園祭がテーマだったので、ダンボール製という学園祭らしい造形をしつつ、かつお祭りの出店という形であらゆるコンセプトの商品が並ぶ、ちょっとカオスな楽しい空間でした。
学園祭にありがちなダンボール製の立体的な看板をモチーフにしたフォトスポットや
そのへんに人魚がいそうな貝殻が転がってたり
宇宙人がいたりともうなんでもアリなんですよねw
Vket学園の最深部にはキャンプファイアーが設置されていて
そこにアバターを踊らせるギミックが搭載されていたおかげで、
ワールドツアーに参加したみんなでマイムマイムを踊ったりもしました。
Vket、開催期間中にたくさんのワールドが公開されるので慌ただしくなるんですが
ソレ含めてもとっても楽しいんですよね。
今回ワールドツアーを行いピックアップしたのがVket学園なのも影響しているかもしれませんが、VketってVRChatが持つ学園祭な要素をより強化していると思うんですよ。
VRChatは「技術力がある限り、なりたいものになれる・やりたいことができる世界」です
そこでみんなが自分の「やりたい」を突き詰めていった結果、色んなコンテンツが生まれて
どんどん「おもしろい」空間になっていくんですよ。そしてその「おもしろい」に触れ、
楽しんだり、感動したりなど刺激を受けた人が「次は自分もなにかやってみたい」といつしか思うようになり、次の「おもしろい」を生み出していく循環の構造があります。
その中には自分が突き詰めたい「やりたいこと」を通して、このVRChatをもっと盛り上げていきたい、と活動していく人だって居るわけで。
そうした「やりたい」が集まって、ユーザーみんなで盛り上げていくこの空気が
なんだか高校や大学の学園祭に似ているなぁと感じるんですよ。
そんなVRChat、アバターを自分で選べることから「なりたいものになれる」と
言われる側面があります。ユーザーの中にはかなりこだわりがあって今の自分のアバターを選んでいることも多いでしょう。もちろんぼくもそうです。
ここからはVketに直接関係のない話なのですが、ぼくもメインで着ているアバター(VRChatではアバターが必ずしも一つであるべき、というルールは無いので服に例えて着る、と表現しています)にはすごくこだわりというか、思い入れがあります。
それが、この「ティグリなす」ちゃん(通称:なすちゃん)です。
「みどりの森゜」さんのところからぼくが最初にお迎えしたこの子なんですが・・・。
(アバターの購入のことを「お迎え」と表現するユーザーが多いです)
「「すっごくかわいいですよね!!!!!」」
もうサンプル画像からすでにかわいさが溢れでてきてませんか!?
画像の子はまだカスタマイズをしていないデフォ状態です。
デフォルトの表情!!どこかポーっとしててお目々がうるうるしててかわいい!!!!
ポーっとしてたり興味がうっすらあったりと状況に応じて印象の変わるデフォ顔
そのお目々に見つめられていたい…!
にぱーっとした満面の笑みは思わずヨシヨシとなでなでしてその笑顔をずっとぼくに見せていてもらいたい!なでなでする手に向こうから頭をすりつけてきりなんかしたらもうかわいさオーバーフローで思わず昇天しちゃう!!!
(VRChatでは仲のいい気心の知れたユーザー同士でなで合うようなコミュニケーションを取ることがあります)
ほろりと涙がこぼれそうなその泣き顔はアメちゃんかなにかあげて泣き止んでほしいではあるけど
よりうるうるした瞳に小さく開いた口にハの字になった眉もかわいくてもうね、申し訳ないけどその顔もずっと見ていたい!!!!!
驚いた顔もぎょっとした目とちょっと開いたおちょぼ口がとってもコミカルな印象があって
色々とおふざけなシチュエーションにもマッチするしくりくりしててかわいい!!!
びっくり箱とか泣かさない程度のやつを用意してびっくりさせたい!
そして何よりもぼくが最も好きな表情はこのドヤ顔!
その自信はいったいどこから来るのか、まるで根拠がなさそうなくせに自信だけはいっちょ前
勇ましく振る舞おうとしてるがどこかポンコツ感が出ているようなそんなドヤ顔!
この表情でドジやらかしちゃったとしてもなんか許せちゃう!
しょうがないよね!なすちゃんだもんね!
バーン!!!
このカメラフィルターがほんと似合うんだよなすちゃんのドヤ顔…!
と、まあ色々と取り乱しましたが。
そういうわけでこのなすちゃんをメインアバターとしておりまして、
色んなアバターをお迎えしていますが特定のコンセプトが無い限りは
必ずこの子の色と同じ色にするほど自分のアバターデザインに大きく影響を与えています。
なぜなすちゃんを最初のアバターとして選んだのか?
実は同じ「みどりの森゜」さんのところのお子さんの「ロポリこん」ちゃん(通称:こんちゃん)と迷ってました。
ぼくがVRChatに興味を持ったきっかけの動画が2つあって、
ひとつがもんちゃんというユーザーが作成したこの動画と、
後もう一つはマラカスを振ったメキシカンなこんちゃんがたくさんいた動画
(違法アップロードされたアバターを拡散していた海外ユーザーの動画なのでリンクは貼りません。VRChatである程度過ごした後、それがNGであることに気づきました)
最初の動画で「VRChatってこんなかわいいアバターでこんなにアホな事ができるのかw」って興味を持ち始め、次の動画でこんちゃんのかわいさや大量増殖していくカオスさを見て「やっぱこれは絶対おもしろいやつだわ」とVRChatデビューを決めました。
去年の7月頃に、やろうと決めてからすぐにデビューできたのは当時の日本政府による全国民への一律給付金のおかげですね。本来すぐには買えないはずのゲーミングPCをすぐ手に入れることができました。
で、VRChatデビューし、ある程度の時間を遊んだら
自分で購入したアバターをアップロードできるステータスを得ることができたので
さっそく最初にお迎えする子をどうしようか決めるところ、最初はやっぱりあの動画で見たこんちゃんにしようかな、と思ってたんですよ。でもなすちゃんを見た時に、ケモミミの女の子のアバターがたくさんいる中でこの子は珍しく野菜モチーフなのかーって思ったり、同じ「みどりの森゜」さんのアバターの中ではこんちゃんよりいいね数が少なかったのを見まして、脳裏にふとね、スターとして輝いてる人気者アバターのこんちゃんの傍でそれを「いいなーぼくもああなりたいなー」って指をくわえて見てるなすちゃんの姿が浮かんだのですよ。
そうなったらもうぼくは「あえてなすちゃんでいこう!!!」と思いなすちゃんをお迎えしました。
(後からなすちゃんの方がこんちゃんより後に販売されてたのでいいね数が比較すると少ないのはそりゃそうだと気づきましたし、結局なすちゃんも着ているユーザーの多い人気アバターだったのですがw)
こんちゃんもなすちゃんもどちらも幼いこどもみたいな外見なんですよ。
なぜそういった方向性のアバターをお迎えしたのか、ふと振り返るとそれにはぼくの過去が関係していました。
ちょっとだけ自分語りになります。ぼくは、おそらくなんですが
「自分が子どもの時に子どもらしい過ごし方をできなかった子ども」というタイプの人間です。
過保護といいますか、過干渉といいますか、そうした親にぼくが望んでいるが親に望まれないことは交渉の余地なくすべて「あなたのことが心配だから」の一言で折られてきました。それだけならまだ反抗したりして強行突破したりとなんとかなりそうなのですが、どうもぼくを縛っていた親という人間はメンタルが弱いらしくいつ崩れてしまうかわからなくて、常に状態が悪くなっていないかどうか警戒し、自分の望みは常に折られ続けても本音はひたすらに隠し明るく振る舞ったり、弟の面倒を見る、親同士の喧嘩の仲裁に入るなど、精神的な負荷をかけないように過ごしてきました。
そうした時期がぼくがちょうどなすちゃんくらいの小さい頃から就職するまではずっと続いていたので、「子ども」というのはぼくにとっては喪失した概念に近いような感覚があります。だから、「なんにでもなれる」「なんでもできる」と直感したVRChatでの最初の姿を自分の過去の喪失の象徴たる「小さい子ども」にしたいと無意識に気持ちが動いていたのでしょう。
そうした背景があってなすちゃんをお迎えしたぼくですが
もうすっごくVRChatを楽しめました!
アバターに自分の行動や考えが影響される人もいるらしく、ぼくもそのパターンで
なすちゃんにぼく自身が引っ張られたのか、子どものように無邪気に色んなことに関心を持ち、知りたいことがあったらすぐに聞いたり、出来なさそうなことがあったらすぐに周りのフレンドさんたちに頼ることもできました。
VRChatには教えられた人がまた次の人に教える循環が文化としてあるらしく、彼らは
とても親切に、丁寧にツールの扱い方やワールドの行き方など色んなことを教えてくれました。
そのおかげでもうほんとにVRChatを楽しめました。
不特定多数のユーザーが集まってお互いを「えらいぞ~」って
ゆる~く励まし合うようなイベントに行って交流したり
朝にはラジオ体操イベントに参加してそのあとおしゃべりしたり
ユーザーが自分たちで作りあげてきただけでなく聖飢魔IIともコラボした
凄いクオリティのライブイベントに参加したり
ラッキーなことに初心者向けのVRChatについて色々教えてくれる
学園型イベントに参加することができ、
そこで交流したり、
学園型イベントをきっかけに知り合ったユーザーさんを通して
実物大のまだ当時打ち上げてなかったロケットの3DCGモデルを見ながら
宇宙についての話が聞けたり、
リアルでは絶対行くことは無いと思ってたDJイベントに参加して
ダンスに挑戦してみたりと色々なことが体験できました。
他にもカオス極まりないワールドでのB級映画鑑賞会に参加したり、
「パートナー」と呼ばれたりする、
フレンドの中でもより親密に関わってくれる人たちとの出会いにも恵まれました。
ティグリなすちゃんやロポリこんちゃんなど
「みどりの森゜」アバターのユーザーさんたちによる集会があって
他のユーザーさんのすごいアバター改変に刺激を受けたりもしました。
いつしか「自分も何かしてみたい」と
思うようになり、
仮面ライダーの鑑賞会を主催してみました。
よくあるイベントのように積極的に集客するようなものではなく
いつメンでまったり、という感じでしたが
参加してくれたフレンドたちのおかげで半年間ほぼ毎週続ける事ができました。
そんなこんなで色々参加したり
主催とかやってたりするうちに転機がありました。
ティグリなすちゃんのかわいさを広めるためアイドル活動を行うグループ
「茄子坂46」が結成されたのです。いわゆる「VRCアイドル」というやつです。
今はいろんな活動コンセプトを持つアイドルグループが結成されていますが、
当時はまだグループ数も少なく敷居が非常に高い印象がありました。
そんな中キタリナQというイベント会場で、茄子坂46メンバーのミムちゃん(無言勢)に無言の声をかけられました。※画像の哺乳瓶の子です
ダンスも歌もそんなに上手いわけじゃないし、
みんなみたいな凝った改変ができるわけでもないので「ぼくには向いてないよー」と
遠慮しようとしたのですが、ミムちゃんから無言の励ましと後押しを受け、
「なすちゃんのためなら…」と参加
VRCアイドルデビューすることになりました。
デビューしてからは個性豊かなメンバーとの出会い・交流があり
改変を手伝ってもらいぼくのなすちゃんをかわいくカスタマイズして、
アイデアだけしかなかった自分の企画を手伝ってもらって形にしたり、
ゲーム配信に挑戦してみたり、
ライブイベントに出演して歌って踊ったり、
交流会を何度か開催したり、
茄子坂46メンバーでブース出展したり、
色んな人からBlender教えてもらったので今度は自分だけで出展してみたり、
メンバーでオリジナル曲を作って歌って踊ってみたりと
もうホント色んなことにチャレンジしてこれて、大変だったのもあるけど
どれも楽しい思い出ばかりです!
ぼくの今まで生きてきた時間は後悔や恨みがかなりの割合を占めています。
「ああしておけばよかった、こうでなければ・・・」
終わったはずの出来事の数々に向けたその黒々とした気持ちは消えることはありません。そうすぐには表には出ないのですがいつかまた噴き出してくるでしょう。
でも、VRChatを初めて、なすちゃんをお迎えして、色んなイベントをやったりアイドルデビューして活動を始めてからは毎日「あれをやりたい」「こんなことしてみたい」「こうしたら面白そう」って考える時間の割合がどんどん増えてきて、もうホント時間が足りない!たのしい~~~~!!!!!
不思議なことだなって自分でも思うんですが
過去の喪失の象徴である「子ども」の姿でいること、それは元々は
失った時間の埋め合わせをしたくて無意識に手を伸ばした選択でした。
でも今、その選択のおかげで過去の自分が想像することすらなかった世界で
自分の可能性をどんどん広げていっている、日々が充実しているのを凄く実感してます。
今は「メタバース」という表現がよくされるようになりましたが、
この、誰でもなりたい自分になれる「VR」という世界はホントに可能性に満ちていると思います。
ぼくにとっては過去の埋め合わせから色んなことへのチャレンジでしたが
中にはこの世界で遊んでいるうち、モデリングを極めて3Dモデラーとして仕事を始める人がいたり、色違いポケモンレベルで極々稀ではありますが、
ここを経由してお付き合いを始める人だっています。
メタバース、VRはまだ歴が浅く、未発達なところもある界隈ですが
だからこそ自由度が非常に高く、現実の立場関係なく色んな人が自分のやりたいことを叶えられる
そんなクリエイティビティに溢れた空間だなって心から思います。
この自分たちで作っていく、どこかカオスでわくわくするVR(メタバース)の世界にちょっとでも興味が湧いてきたら
ぜひぜひ気軽に遊びに来てみてください!たのしいですよ!
なりたい自分になれる、VR(メタバース)はいいぞ。
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