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Vol.2もっと中国のお客さまのお役に立つために。。。

皆さん、こんにちは!
2回目の投稿になります。
小売グループ企業に勤めて25年、そのうち9年は中国で勤務です。
先回は私の中国駐在でのミッションやミッションに対する想い、会社のメンバーご紹介等を踏まえて自己紹介をさせていただきました。

今回は、デジタルとどのように向き合い、業務の中でどのように活用をしていきたいか?
中国・物流のデジタルの概況をベースにどのように変革を目指していくかについて、現時点でのアイデア踏まえて私の想いを紹介させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。


1.サプライチェーン・物流のデジタルテクノロジーの今ってどんな感じなの?

IIoT、AI、DX(デジタルトランスフォーメーション)などのIT関連の話題が日常的に飛び交うようになってどのくらい経つでしょうか?私が社会人になったばかりのころ、Windows95が普及し始め、事務所にノートパソコンが一人一台配布されるようになりました。中学生のころに買ってもらったデスクトップPCはハードディスクもなく、メモリは256キロバイトで、ソフトを動かすにはフロッピーディスクが必要でした。マウスやインターネットも存在せず、電源を切れば常にフレッシュな状態に戻るのが当時のPCでした。Windows95の登場は驚異的な出来事でした。

それから約30年、PCはペン、ノート、電卓、百科事典、辞書などに代わって業務を支え、2020年代には、素人でも適切に指示することで、ヒトの代わりに作業をこなすようになりました。この変化、スゴすぎます!!

見た目以上に劇的な変化でした!

市場のデジタルテクノロジー導入状況

図は物流に影響を与えるテクノロジーのトレンドについて2018年時点で5年後の2023年とそれ以降をあらわしたものです。オムニチャネル、IoT、AIなど、すでにお馴染みのワードがならんでいます。
2023年までの項目は、2024年の今から見て先端を走る企業ではほぼ実現されていそうです。3Dプリントなどは2023年を待たずに実現しているのではないでしょうか?
さて一方で、当社にとって重要と思われる領域は主に赤の扇型で示した部分になろうかと思います。当社の現状と照らして既に実現しているものを探してみましょう、、、、ひ、ひとつもありません!!

30年、PCをただの便利な筆箱か書斎代わりに使っているうちに世の中はとんでもなく先に進んでいるではないですか!何たる不覚!!

中国企業のAI導入状況

消費財・小売の領域ではまだまだAIの導入は進んでいません

気を取り直して、2023年調査の中国企業のAI導入状況を見てみます。
図の赤枠の消費財・小売業は未導入か、初期の探索段階が88%。これなら努力しだいでまだまだやり方あるはず!
でも何を、どうやって?お金は??焦るばかりです。。。

2.まずは身近なところから。。。

「着眼大局、着手小局」とは、当グループに綿々とひきつがれている仕事の考え方の一つです。大きな、高い視点で物事を見ながらも、実行は小さなことからコツコツと、ということを言っています。なんとありがたいお言葉、まさに、今の私のためにあるような言葉のようです!!
まずは「大局」を見据えながら「小局」に着手していくこととします。

千里の道も一歩から

3.私たちの身近な問題点

私たちの業務は主にメーカー・サプライヤーさまから物流センターに納品いただいた商品を店舗にお届けすることです。いわゆる店舗配送を行っています。実際の商品の流れの全体を簡単にあらわすと以下のようになります(下図参照)。
①お客さまが来店する
②商品をお買い上げいただく
③売れた商品をメーカー・サプライヤーより仕入れるための発注をする
④メーカー・サプライヤーは発注された商品を物流センターに納品する
⑤物流センターより店舗に納品する
①に戻る

お客さまの商品お買い上げがすべての起点となります!

このサイクルが「スムーズ」であるほど、コストは下がります。そしてそれは最終的にお客さまにお届けする商品の価値が上がり、満足度向上につなげていくことになります。
物流にはQ・C・D・Sの4つの重点ポイントがあるといわれています。QCDSとは、Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)、Service(サービス)の4つの項目を含む製品評価の指標です。 これらの要素をバランスよく管理することで、お客さまの満足度の向上や収入増加が期待されるといわれています。

物流のQCDSのイメージ

  • Quality(品質):あのお店のお刺身は鮮度が高いから安心ね!

  • Cost(コスト):いつも買う歯ブラシがいつも安くて助かる!

  • Delivery(納期):暑いのに冷たいコーラが売り切れなのは困るよ!

  • Service(サービス):人気のあの商品がいつお店に着くのかわかるとありがたいな!

この4つの視点で私たちの身近な問題点の改善に向けたアイデアを考えてみました。

  1. メーカー・サプライヤーの物流センター納品をもっとスムーズにできないか?(コスト・納期)

  2. 物流センターと配送車両の温度管理をしっかりしたい!(品質)

  3. 店舗への納品時間をしっかり守り、事前に店着時間を連絡する!(納期・コスト・サービス)


(1)メーカー・サプライヤーの物流センター納品をもっとスムーズにできないか?(コスト・納期)

荷物によって荷卸し時間はかなり違います

メーカー・サプライヤーは商品発注情報に基づいて、指定の日時までに物流センターに商品を納品します。多数のメーカー・サプライヤーがあるため、事前に物流センターとコミュニケーションし、トラック納品時間の予約を行います。
しかし、前に納品を行っているトラックの荷卸しに想定より時間がかかると、荷卸し開始が予約時間より遅くなることがしばしばです。また、想定より早く荷卸しが終われば、当社の作業にも無駄なすき間時間が発生してしまいます。
そこで、メーカー・サプライヤーと自社にとって最適な荷受けスケジュール作成を援助するツールを開発したいと思います。

「荷受けスケジュール最適化支援ツール」イメージ

既存の情報を集約して、荷卸し場所指定をロジック化すれば、最適化できそう?

荷受け作業の効率化はコスト削減につながり、非効率な作業による遅れは納期遅延とコスト増につながります。なんとか実現したいところです!

(2)物流センターと配送車両の温度管理をしっかりしたい!(品質)

低温商品(0-10℃)、冷凍商品(-15度以下)での保管・配送が必要な商品は商品の品質を維持をする上で温度管理が重要です。冷蔵・冷凍の倉庫・トラックの機械が壊れないようメンテナンスをし、細心の注意を払ったとしても、残念ながら機械は故障します。故障したら徐々に温度の変化が起こり、必要な温度を保てなくなります。
故障を100%防ぐことはできませんが、その温度を常にモニタリングすることで、故障の兆候・発生をいち早くつかみ、温度管理レベルを上げることで品質を維持します。この温度モニタリングと異常時の冷蔵・冷凍管理者への通知を自動で行うツールを作りたいと思います。

「温度管理ツール」イメージ

温度が超えたらでは遅い!おかしな温度の動きを事前に感知、発報!

(3)店舗への納品時間をしっかり守り、事前に店着時間を連絡する!(納期・コスト・サービス)

商品がいつ店舗につくのか?は店舗の販売・陳列作業者にとっても、お客さまにとっても重要な関心ごとです。
店舗の販売・陳列作業者にとっては、陳列作業の開始になることですし、この時間がずれると、他の業務への影響も出てしまいます。
お客さまにとっては、欲しい商品が欲しいときにお店にあるのかどうか、というのは大切な問題になります。商品の発注情報、物流センター納品状況とトラック車両情報を組み合わせ、店舗に該当商品の納品時間を通知するツールを作成します。

荷受けスケジュール情報と組み合わせて店着推定時間の計算精度を上げます!

3つの改善ツール導入後の商品の流れ全体イメージ

商品の流れ各段階の情報を集め、組み合わせ、分析・加工して、タイムリーに伝えることで、全体の流れを「スムーズ」にします!!

全体の流れを「スムーズ」⇒「お客さまへの提供価値向上」に!!

すでにある情報と各種ツールをフル活用!それでお客さまへの提供価値が向上できるなら、これはもうやるしかありません!!

4.自社の未来を考える

サプライチェーン・物流はITとは切っても切れない関係になって久しいです。だいぶ遅れは取ってしまいましたが、2025年は当社にとってのDX元年にしたいと考えています。
そのためにはDXの会社政策と予算への反映が必要となります。
当社としてDXを戦略的に取り組むためには、デジタル技術の現在をまずは私自身が理解をする必要があると考えました。

・何ができて何ができないのか?
・何を外部の資源に頼り、何を内製化するのか?

デジタルスキルを学ぶこと、プロトタイプを作成し、各メンバーと議論し、業務のあらゆる面で実運用化のアイデアを出し、実践する過程を高速で繰り返し体験することでDX政策を磨き、結果として変革の実現により近づいていくことができると考えています。
ちょっとハードルが高めな課題も、ChatGPTや中国バイドゥのAIの力を借りつつどんどんトライをしていきたいと思っています!
自社のみだけでなく、当社メンバーの行動が、グループ全体に影響力を持ち、まずは小さな改善から始めつつ、変革をリードする姿を見る日が来ることを期待し、日々の努力を積み重ねていきたいと思います。

駄文おつきあいいただきありがとうございました!

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