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三鷹歌農書 1381-1400

思ふままアイズフォーユー咲き誇れ明日のあなたへ世界の瞳
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書(一三八一)
茶薔薇(ティーローズ)匂ひはかぜのさざなみにクロード・モネの向かうダーウィン
(四季の香ローズガーデン) 三鷹歌農書(一三八ニ)
しのぶれど然りベラドンナ然りブルーのバラの香の根の深さ
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書(一三八三)
河床に清水湧きいづる勢ひにボレロましろき花咲き継ぎぬ
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書 (一三八四)
マイスタージンガー嬥歌(かが)ふくれなゐのゲーテローズの泉を囲み
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書(一三八五)
薔薇園をめぐる熱気に圧さるればアンブリッジの没薬(ミルラ)のソルベ
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書(一三八六)
懐にアリウムの玉ひらかせてセント・セシリア気後れもせず
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書(一三八七)
大聖堂(カテドラル)の廃墟の飛梁(フライング・バットレス)花の重みにウィリアム・ロブ
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書(一三八八)
萼にまで腺毛(モス)みつしりとバロックの極みにOld Velvet Moss(古きビロード苔)は
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書(一三八九)
屋久島の原生林の下生えを花枝に苔薔薇ムスー・デュ・ジャポン
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書(一三九○)
花を愛で枝ぶりを褒め讃へたればカイガラムシの目につくばかり
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書(一三九一)
アマゾンを見上げ俯瞰す枝枝の支流あつめて蔓バラの幹 
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書(一三九ニ)
薔薇宇宙いよよ膨らむギー・サヴォア、ポール・ボキューズその名を連ね
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書(一三九三)
ヒリンドン、エマ・ハミルトン淑女らを点呼しながら薔薇園を去る
(四季の香ローズガーデン)三鷹歌農書(一三九四)
いにしへのペルシャは如何にイスパハン、ブルームーンを並べて蒸らす
三鷹歌農書(一三九五)
ティーカップに真夜を蒸らせば香りたちピノノワールのタンニン滲む
三鷹歌農書(一三九六)
レディー・ヒリンドン蒸らして苦み引き出せば澄みわたりたるNew England IPA(ネイパ)のごとし
三鷹歌農書(一三九七)
ルノワールのタッチにモネのストローク薔薇を蒸らせばその花びらに
三鷹歌農書(一三九八)
ソーテルヌもヴィーニョヴェルデもサンセールの赤まで揃ふ薔薇茶の色よ
三鷹歌農書(一三九九)
オーロラをカップに満たす味淡くなれるバラ茶にバラジャム入れて
三鷹歌農書(一四○○)


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