三鷹歌農書 301-320 4 三鷹歌農書 2023年11月17日 21:48 なーべらーとエアーポテトの道祖神尻か顔かは知らねど仰ぐ三鷹歌農書 (三◯一)天と地の境に気球浮かぶるはわが足元の蕪たちだつた 三鷹歌農書 (三◯ニ)満月を体重かけて輪切りにし土垂れ親イモこんがりと焼く三鷹歌農書 (三◯三)山査子のジャムにキウイの砂糖漬け余り物の命なれば尚更あまく三鷹歌農書 (三◯四) ローゼルと生姜を鍋に蜂蜜を仲人にしてジンジャーエール三鷹歌農書 (三◯五)秋風はさぞ寒からうムシたちのキャベツ彫刻まあ良しとする三鷹歌農書 (三◯六)穴だらけの花托が泡に呑み込まれ鍋に蓮のぬばたまの黒三鷹歌農書 (三◯七)花蓮のいのち養ふ泥の色花托煮込みて染めかさねゆく三鷹歌農書 (三◯八)黒バラのブーケにせむと絞りきり蓮の花托を縛りあげたり三鷹歌農書 (三◯九)潜望鏡のごときを伸ばし見回してトウガラシ花を実に変へてゆく三鷹歌農書 (三一◯)目に愛づるろさぺんでゅりなぶるごーにゅロサ・ペンデュリナ・ブルゴーニュなり三鷹歌農書 (三一一)武蔵野に迎へたれども蝶豆の秋を省いてくれるな花よ三鷹歌農書 (三一ニ)目であそび指も遊ばせいただかむ白ニンジンも混ぜてラペにす三鷹歌農書 (三一三)実の壁にシンクイムシの喰ひ滓を噴き出し秋を深むる花梨 三鷹歌農書 (三一四) 花梨、梅、ポルトも然り古るほどに酒さかのぼり同じ蜜へと三鷹歌農書 (三一五)引越しをしてゐなかつたサフランが何食はぬ顔で蕊かがよはす三鷹歌農書 (三一六)シカクマメの深海魚風閃めきぬ陽に目の眩み脳裏にレシピ三鷹歌農書 (三一七)黄山(ホワンシャン)の金菊(ジンジュ)咲かせて黄山を茶にして飲まむ訪へぬ身は三鷹歌農書 (三一八)サフランは雄蕊の花粉付くまへに処女(をとめ)のまんま雌蕊のみ穫れ三鷹歌農書 (三一九)連座して示す潔白文字通り芋づる式にキクイモ出たり三鷹歌農書 (三二◯) ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #短歌 #家庭菜園 #tanka #ハーブティー #野菜作り #三鷹歌農書 4