三鷹歌農書 1341-1360 三鷹歌農書 2024年5月15日 08:29 楊貴妃に普賢象御衣黄塩漬けのトリコローレのフォカッチャ焼きぬ三鷹歌農書(一三四一)葉をひろげ花梨の幹に絡みつくカイコガネ実を見向きもせずに三鷹歌農書(一三四ニ)コウゾ剪つて支柱にせしに熟枝挿し成功といふことになりたる三鷹歌農書(一三四三)つばさ広げシロペリカンがみづうみに着水せむとジャガイモの花三鷹歌農書(一三四四)麦の畝に生まれてしまひ麦の穂の上に出て咲く矢車菊(コーンフラワー)三鷹歌農書(一三三五)めくれたる薔薇ひとひらに朝雨のしづくと蜘蛛の緑金の尻三鷹歌農書(一三四六)雨あかりなればなほさら青リンゴの匂ひにレディー・ペンザンス佇つ三鷹歌農書(一三四七)山査子のひかりあかるき花むらに顔を寄すれば青ざかな匂ふ三鷹歌農書(一三四八)花殻の塵どこからか蓮の葉の水玉の上(へ)に落ち泳ぎだす三鷹歌農書(一三四九)花びらになりたかりしや牡丹(ぼうたん)のなかば真白き萼(うてな)が二つ三鷹歌農書(一三五○)茶にせむと牡丹の蕊に湯を注ぐわうごんのあぶら器にあふる三鷹歌農書(一三五一)白牡丹切りて淹れればはからずも鱶鰭(シャークスフィン)のワンタンスープ三鷹歌農書(一三五二)大りんの牡丹喫(の)みをへ花びらを外して絞りおひたしにせり三鷹歌農書(一三五三)あはあはと露草いろの水色(すいしよく)にボレロの白き芯の溶けゆく三鷹歌農書(一三五四)剽(へう)げ者織部のくろき沓型に唐華豊華の香を満たしたり三鷹歌農書(一三五五)オフィーリア古萩茶碗にくづれつつダマスクの香のアリアを放つ三鷹歌農書(一三五六)アッサムかはたセイロンか問はれつつレディー・ヒリンドン茶碗に香る三鷹歌農書(一三五七)暗赤色溶けて茶碗にかろやかにモダンダマスク真夜匂ひ立つ三鷹歌農書(一三五八)柿若葉かるく火を入れ湯にひたし藁の上なるわが旅茶碗三鷹歌農書(一三五九)薔薇酔ひのひと日となりぬイスパハン真夜オフィーリアボレロも淹れつ三鷹歌農書(一三六○) ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #短歌 #農業 #家庭菜園 #tanka #三鷹歌農書