三鷹歌農書 1761-1780 2 三鷹歌農書 2024年7月18日 08:48 薊馬のソングラインを見下ろせり蓮のはなびら一枚のうへ三鷹歌農書(一七六一)花托から果托に変はりゆく蓮の精を取らむと砂糖をまぶす三鷹歌農書(一七六二)果托ごと蓮を発酵させむとしドゥアムトエフの壺を思へり三鷹歌農書(一七六三)生け捕りの彗星壜にしゆわしゆわと蓮(はちす)の花の酵素シロップ三鷹歌農書(一七六四)長老が去れば若きら育つものズッキーニ太り過ぎたるは取れ三鷹歌農書(一七六五)薄明の空のあかるさおもはせてブルーベリーの色づき始む三鷹歌農書(一七六六)力づよき黒へ赤から緑から道は違へどベリーとブドウ三鷹歌農書(一七六七)星団も友情も生まれては滅ぶブラックベリーの房の熟れつつ三鷹歌農書(一七六ハ)液体の一輪甘みの花びらに苦味の蕊の蓮のシロップ三鷹歌農書(一七六九)#短歌 散るばかりなる青バラにルバーブの護衛を付けて鍋に送りぬ三鷹歌農書(一七七○)ジャムにして現在価値を確定す傷なしに実らざらむを煮詰む三鷹歌農書(一七七一)突風に折られ塔ではないことに気付くキウイのシュートがわたし三鷹歌農書(一七七二)わうごんの柱なにゆゑ立つたると近づけば化けし加賀太胡瓜(かがぶと)だつた三鷹歌農書(一七七三)採らざれば象牙のやうになりたるを見せてもらへり大和三尺胡瓜(やまとさんじやく)三鷹歌農書(一七七四)武蔵野を掘り続ければインカへとばれいしよ農林五十八号三鷹歌農書(一七七五)ジャガイモを丸ごと揚げて噛み潰す守る皮守らるる身も一口に三鷹歌農書(一七七六)球体はエビガライチゴからクリへ毬の膨らんでゆく七月三鷹歌農書(一七七七)シソに巻きトウガラシの弾ウリに込め鉄砲漬の水平二連三鷹歌農書(一七七八)実もヒゲも皮も芯までもあかあかと大和ルージュは色を通せり三鷹歌農書(一七七九)頭骨とも日の光ともしろたへの夏の野菜の白の字源は三鷹歌農書(一七八○) ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #短歌 #農業 #家庭菜園 #日々のこと #三鷹歌農書 2