三鷹歌農書 1901-1920 三鷹歌農書 2024年8月11日 23:10 スベリヒユは他の雑草の抑止力抜かずマルチにニンジンの畝三鷹歌農書(一九○一)駱駝の首のごときを伸ばしたる芋のレッドムーン月の砂漠ゆく夢三鷹歌農書(一九○ニ)レッドムーン掘り出し揚げて八ぐわつの月の明かりの固まりを食む三鷹歌農書(一九○三)熟れてゆく水彩画(ウォーターカラー)あをぞらにブドウの粒の色づき映えて三鷹歌農書(一九○四)蓮鉢に妙蓮ひとつ二つ咲き花の火口の噴きては崩る三鷹歌農書(一九○五)蓮三つひと日違ひに咲き始め孫と子と親四日目に散る三鷹歌農書(一九○六)大粒の甘き葡萄にハナムグリ為り変らんとする凄まじさ 三鷹歌農書(一九○七)背伸びしてブドウの粒を摘み食ひ一つぶ分の青空ひろぐ三鷹歌農書(一九○八)着物脱ぎ捨てて髪の毛振り乱しトウモロコシ飛び出たるも見たり三鷹歌農書(一九○九)F1のキュウリ終はりてしまひたれど地這ひ胡瓜が貫禄を見す三鷹歌農書(一九一○)ブルーシートのプールの海を地引網引くやうに畑の土に飲ませつ三鷹歌農書(一九一一)うれしさう顔あからめて水を吸ふ日照りつづきの圃場の土よ三鷹歌農書(一九一ニ)帝国の版図極まりたる後の大玉トマトにハナムグリたち三鷹歌農書(一九一三)灯台の光放ちてゴマの花甘薯の海に赤ジソの波三鷹歌農書(一九一四)ゴマの花トランペットのたからかに音無く夏の圃場を統ぶる三鷹歌農書(一九一五)フライパンに空芯菜の空を抜きニンニク香るやはらかき骨三鷹歌農書(一九一六)妙蓮は撓みながらも盛んなり鉢の面(おもて)を覆ふ花びら三鷹歌農書(一九一七)三つ四つ茎のひとつに犇きて千弁蓮の妙蓮なほも三鷹歌農書(一九一八)押し合ひて押し出されたる妙蓮の花の一つは堕つる他なく三鷹歌農書(一九一九)白き血を茎から噴けり妙蓮の花の重さに耐へられざりき三鷹歌農書(一九ニ○) ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #短歌 #農業 #家庭菜園 #note短歌部 #三鷹歌農書