終わる日記(4/7)
2024/4/13
睡眠の質が悪かったと、起きてまず思った。夜中、何度か目覚めたような気がする。頭がボヤボヤしているが、起きて活動をはじめてからもそうなのかはわからないから、ひとまず日記を書いて、それから判断しようと思った。
書いていると、これ記憶違いかもとか、あれ名前なんだったっけとか、コロケーションのずれとかが気になりだして、すぐにGoogle検索を始めたくなってしまう。キリがなくなるので、当初は検索禁止をマイルールに掲げていて、持っているものだけで書いていこうと決意していたのだが、やはり公開する以上、配慮すべきところは配慮すべきで、嘘を書くのもよくないということで、日記を書きはじめたその日のうちにそれは撤回することにした。
洗い物をしていたらリズムが生まれてくるかもしれないと思って洗い物をはじめた。泡で手が滑り、HARIOのガラスの急須が排水口のゴミ受けに落ちて不快だと思った。
掃除機をかけていたらドンドンドンと扉を殴る音が聞こえて、怒られているのかと思ってモニターをみたら配達員がいて、なんだ荷物かと思ったが、配達員が怒っているのかもしれないと思った。今日は実家からの小包が届く予定になっていた。すみませんと扉を開けると、配達員が荷物をかかえながら立っていて、紙を差し出しながら、お間違いないでしょうかとにこやかに笑った。
掃除機をかけ終えて、小包を開けて、小包の中身を冷蔵庫に移して、コーヒーを飲んでも、頭のボヤボヤはずっと続いたままだった。
明太子パスタを食べてからYouTubeをだらだらと観ていたら、外が暗くなっていた。冷蔵庫を覗くと野菜がすっからかんになっていて、買い物に行こうと思ったが、シャワーを浴びてから考え直そうと思った。
シャワーを出しっぱなしにしてから、それがお湯に変わるまでの間にトイレ。出しっぱなしのままトイレを流すと、シャワーに水を取られてトイレがうまく流れないから、流す前にはシャワーを止めるということを徹底してきたのだが、今日は試しに止めずに流してみることにした。正常に流れていったのでなんだったんだと思ったが、たまたま今日だけうまくいったのかもしれないと思った。
行きつけのスーパー。入ってすぐに、甘夏が目に入ってくる。この前買ったのと同じ赤いネットに4玉入っている甘夏で、見ると少し傷んでいる感じがあり、値段も298円と、50円も値下がりしていて、これはまさしくこの前の売れ残りだと思ってカゴにとった。野菜売り場の道幅が狭く、戻って見返したいのだがそれは許されず、順路に沿って一回見るだけではなく全ての野菜を把握した上で判断したいのに、ミスドとかもそうだが、何度も入口からやり直さなくてはならなくなるのはいささか骨だと思った。
帰ってポン酢鍋を食べた。白菜を何枚か剥がしとってから、両手の白菜の置き場がどこにもないことに気づいた。まな板の上は切った野菜ですでに埋まっていて、冷蔵庫の上にもボウルが置かれているし、テーブルの上も散らかっていて、泥のついた白菜を両手に、しばしその場で立ち尽くしてしまった。
鍋を食べながら実家に電話をした。向こうも晩ご飯の最中だったらしく、LINEで写真が送られてきた。一汁四菜だった。実家の料理には、いつも格の違いを見せつけられる。
ホタルイカ、目取らんと食感悪いじゃん、ひとつひとつ手作業で取らんといけん、手痒くなるときは手袋してやったり、意外と墨飛ぶけんぜったい白い服着んね、酢味噌、酢味噌は今日はね、サラッサラのやつ、ドレッシングみたいな酢味噌、ちゃんと煮詰めたりせんとね、売っとるやつは白味噌で作るけんねと母が言った。父は遠出していたらしく、もう寝ますと言った。
トマト、中くらいのやつ6個で、いつもサンキュッパのやつが300円だったけん。ワカメ戻してから刻んだ、塩蔵わかめね、安いやつはめっちゃまぶしてあるよね、塩、海藻にはお金かけたい。湯豆腐、これ国産大豆の豆腐買った。鰹節ね、ひと袋200円、デカいし使うけんね、結果お得やんって。酢は飲んだほうがええよ、体整えるけん、薄まっとるけんね、酢の物よ。調味料高い高いっていうけど、1回分にするとそんな変わらんから、幸福度めっちゃ高い、と母。
それから届いた小包のお礼を言って、中身について話した。もらったデカビタ、今から飲むねと言った。
デカビタね、あの薬みたいな味、めっちゃ好き、懐かしい味なんよ、あれがめっちゃ美味しいんよ、オロナミンCも美味しいけど、デカビタ量が多いけんさ、あたしゃは瓶で飲んだほうが美味しい、あんま瓶で買ってもらったことなかったから、たまにもらってね、わたしの〜! かくほ〜! みたいな? 褐色の瓶ね、あれ酸化とか防いどるんじゃないん? 薬品とか入っとるやつもそうだし、ビール瓶とかもそう? 知らん、見た目だけかもしれん。カルピスも瓶やったんよね、お中元みたいに箱で入っとって、実際お中元でもらっとったんやけどね、特別感あってね、あと重量感、無駄をもらったみたいな重量感、下がちゃんと茶色くて、ビール瓶みたいにね、それに紙が被せてあるんよ、くしゅくしゅくしゅって無造作に手でねじったみたいな紙、栓抜きで開けてね、ポンって開けてね、あれ? そのあとどうしとったっけ、蓋ついとったんだっけ、どうやっとったっけ? まぁ瓶は原液でね、何対何っていうの無視して我流でやって、濃いいほうがいいって思うんか知らんけど、で、そのあと缶がでてきたんよね、たぶん缶? ペットボトルのほうが先やったかもしれんけど、とにかく割られとるカルピスが出てきてね、缶のがおいしいんよ、ちょうどいい濃さなんよ、100円娯楽も缶のが美味しいって言っとって、と母。