終わる日記(2024/11/09)
2024/11/09
起きたとき、枕がずり落ちていないことにびっくりした。落ちていることが続いていた。気温がぐっと下がっている。じんわりとした痛みが肩に残っている。
洗い物をやるか洗濯をやるか。洗濯をセットしてからその間に洗い物をやってしまうほうがいい。ケーブルの寿命みたいで、いい角度でないと充電されないのでそっとセットして、Apple Musicで今年のリプレイをランキング順に再生する。もう今年も終わるなあ。いやはや。
しかし2024年も終わろうとしているというのに、最近聴きはじめた曲で上位にランクインしているものはすごい。早生ふじの残りに蜂蜜と砂糖をまぶしてチンしてコンポートみたいにして、冷めるまでの時間を洗い物で埋めることにした。3日ぶんの洗い物が溜まっていて、ぜんぶ終わったら40分経っていた。その間、多くの曲が流れた。ついでに缶に溜めていた水を切って、ダンボールに残した髪の毛をベランダで落として、戻ってプレイリストの並びを眺めた。
ネットに洗濯物を詰めて、ずれていた敷布団を直して、ひっくり返っていたブラックキャップをもういっかいひっくり返して、ネットに詰めて洗濯機と往復した。自分のものなのにむわっと込み上げてくるものがある。どうでもいいんだと思う。やりたいというのもないし、なんということもなく、もうなににも興味が持てないのだ。関心、意欲、態度、ゼロ。
卓上ケトルのスイッチを入れて掃除機をかけた。窓を開けたらほこりが昇っていくのが光って見えて、くしゃみが出た。メイクイーンとか包丁とかにほこりが舞うことを気にもとめてなかったこと、それはどうということはないのだと言い聞かせる。コードをひっかけるような歩き方を避けられるようになった、というか、掃除機の動線がわかるようになった、というか、ねじれない道順を自然と選べるようになり、コードを引っ掛けて詰まることが以前に比べてはるかに少なくなったことを喜ばしく思っている。
電気ケトルのスイッチを入れる。フロスを箱にしまって、見るとキャンドゥのフロスで見たことがなかった。思わずくしゃみが出た。土曜日の孤独に、僕は思わずくしゃみをした。ピピー、ピピー、と洗濯が炊けた音がした。洗濯が終わることを僕は洗濯が炊けたとよんでいる。電気ケトルのスイッチを入れる。これで今日3回目。土曜日の孤独が終わってしまいそうでしぶっていた。窓を開けると、にぎやかな街の声が聞こえた。