業務用野菜の現状~夏どり白菜の品種選定~
こんにちは。アグリペディアの村山です。
アグリペディア株式会社では、今後日本の農業を担っていく大・中規模農家にフォーカスした支援事業を行っています。
現在は「販売先のマッチング事業」を主に行っており、業務用野菜の生産者様の支援の一環として、本ブログを開設いたしました。
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今回も引き続き、カット野菜の動向について簡単ではありますが解説していきたいと思います。
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今回は、夏どり白菜の品種選定について解説していきます。
夏どり白菜について
白菜の旬は10月~2月であり、業務用、一般家庭用共に鍋物の具として冬場に多く消費されています。
業務用白菜は漬物やキムチ用として年間を通して需要が見込まれており、特に数量が少なくなる夏場には業務用需要が増え、契約栽培を行いやすい傾向にあります。
夏どり白菜のシェア1位は長野で、白菜全体の約20%、特に夏どり白菜のうち約85%を占めています。
業務用野菜の特性
下の表に生食用野菜と業務用野菜の特性の違いについてまとめました。
夏どり白菜も例外でなく、歩留りを良くするため大玉規格が求められます。
業者によっては真空予冷を求められることもあるため、鉄コンテナ出荷ではなく段ボール出荷の場合もあります。
夏どり白菜の栽培について
夏どり白菜の栽培スケジュールとしては、3-4月頃に播種し、7-8月頃に収穫するものが一般的となっています。
寒い時期に播種すると抽苔が起こる可能性があるため、育苗は加温ハウスで行います。
移植後はトンネル栽培を行うなどして、適温に保つ必要があります。
夏どり白菜の栽培時期には冬よりも病害虫が多い点にも気を付けます。
特にアブラムシが多く、モザイク病などのアブラムシが媒介する病気への注意が必要です。
アブラムシの防除には、害虫対策セミナーでも紹介したコルテバ・アグリサイエンス社の「トランスフォーム」が有効となります。
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夏どり白菜の品種選定について
一般消費用の夏はくさいは冬はくさいと比べ小玉で葉質が柔らかく、サラダなどに適した品種が求められることもありますが、業務加工用の夏はくさいでは、冬はくさいと変わらない大玉品種が求められます。
今回は夏どりに適したはくさいの品種と栽培スケジュールを紹介します。
ちよぶき70(サカタのタネ)
晴舞台65(タキイ種苗)
黄よろこび(大和農園種苗)
まとめ
夏どり白菜は高冷地での栽培が基本になります。そのため、競合が少なく契約栽培を行いやすい傾向にあります。
一方で、障害が出た際の代替が難しいデメリットもあるため、病害虫や生理障害に強い品種を複数育成することが重要になります。
夏どり白菜を栽培している方も、まだ栽培を始めていない方も、本記事を参考に夏どり白菜の栽培に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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参考文献
フードシステムの革新と業務・加工用野菜 坂知樹
加工・業務用野菜をめぐる現状(H25.4) 農林水産省
加工・業務用野菜をめぐる現状(R3.4) 農林水産省
加工・業務用野菜需要への取り組みに向けた『品目別・用途別ガイドライン』 野菜ビジネス協議会
白菜の収穫時期の見極め方&高収益を狙う「夏出荷」栽培とは? minorasu
野菜ブック はくさい 農畜産業振興機構
ハクサイ「ちよぶき70」 サカタのタネ
晴舞台65 ハクサイ タキイ種苗株式会社
黄よろこび 大和農園グループ
野菜の作型と品種生態 タキイ
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