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ニューノーマル時代の飲食店生き残り戦略【食材在庫リスク編】

こんにちは。東京でも緊急事態宣言が全国的に解除されました。コロナで多くの飲食店や小売店が影響を受けました。私は農業や食の分野に携わっているので題名の通り、今後飲食店がどのように復活し、変化に耐えられる型を見つけられるのか、を考えて動いています。

noteでもコロナが収束した後の生き残り戦略を上手く書いている人もいるので本noteはまとめ、というより「こんなのはどうでしょうか」の新しい提案になります。参考までに多くの人が見ているnoteも載せておきます。

上の参考noteでは生き残る基本的な要素が以下に書かれていますが、

①お金を増やすこと
a. お金を借りる
b. お金をもらう
c. お金を稼ぐ
d. 持ってるものをお金に換える
e. 入金を早くする
②お金を減らさないこと
a. コストを減らす
b. 出金を遅くする

私がここで書くのは、太字でハイライトしている
①-c. お金を稼ぐ
②-a. コストを減らす
に当てはまるアイデアかなと思います。

前提

前提として、現在(5/26時点)は緊急事態宣言が解除となっただけでお客さんが元通り戻ってくる保証はありません。しばらくは苦しい状況が続くかもしれません。また、コロナも形を変え再び脅威をもたらす可能性も完全には否定できません。季節性のインフルエンザとは性質が異なるため、いつ再びパンデミックになるかはわかりません。つまり、飲食店サービスに影響が出るタイミングは読めない、ということです。

人が外出を自粛することになればほとんどの飲食店が苦難を強いられ、特に地方に根ざす飲食店はもっと苦しくなります。ネガティブなワードを書きすぎると気持ちが落ち込むので未来の話をしていきます。

飲食店は地域の食卓になれるはず

日本全国に展開している大型チェーン店ではない限り、飲食店が売っているのは「飲食」だけではないですよね?売っているのは、飲食+○○=価値
その○○は「オーナーのあなたと気軽に話せるちょっとした時間」かもしれないし、「気分が落ちた時にあなたの店に行けば楽しく明日も頑張れそうと思える空間と時間」の場合もあれば、「仕事が忙しくて時間がないからサクッと食べられる一口サイズの豊富な惣菜」ということもあるでしょう。

その価値が多いほど提供価値は増大します。ブランディングとしてあれもこれも手を出さない飲食店も多いですが、「外出してはいけません」と宣言されるほどの有事では話は異なります。テイクアウト、デリバリーの波に早く乗った者が上手く軌道に乗せることができたように、何かが起こった際の手札が多いほうが助かる確率が高いことは頷けるではないかと思います。

お店を再開しても予測に困る在庫リスクの解決方法

今回アイデアとして書くのは再開後の在庫リスクの解決案。
周囲の飲食店のオーナーさんから聞いたのは在庫リスクでした。集客の予想と実数値が読めない中で食材を注文することが難しいと聞きます。(この辺、まだ訊いてみたN数が少ないので感覚が異なる場合は是非教えてください!🙇‍♂️)

まずそもそも卸売業者から食材を多めに買うと思うのですが、コロナの影響で食品の注文を急にストップしたと思いますし、在庫は捨てなければならない状況になったと思います。テイクアウト・デリバリーをするにしても食材の発注量を抑え、1日で作る数を決めて限定的に販売するお店も増えたのではないでしょうか。これは全世界の飲食店で同じ状況です。

在庫で余った食材を売るという選択肢

在庫は抱えるだけでコストですし、廃棄すれば赤です。ここまで長々と文章で引っ張っておいて何だよソレ!!と思うかもしれませんが【余った食材在庫を販売する】という選択肢を増やして非接触型のレストラン業態への備えを整えるアイデアです。

飲食店側のメリットは、
-  在庫リスクとコストの低減
- メインにはならないが売上小アップ
- 新たなお客さんの層との接点を創出
- 変化に柔軟に対応しやすい(有事の際の切り替えスピード)

お客側のメリットは
- スーパーは密なので行きたくないけど食材は必要なので近所だと助かる。
- 食のプロなので品質に安心できる
- 調理方法のワンポイントアドバイスのミニカードを添えてくれるとプロの味を教えてもらえたような感覚でめちゃ嬉しい(個人的)
- (失礼かもしれないですが)何かしら形で飲食店に貢献したいというのをデリバリー以外で実行できる

飲食店が稼働しなくても人は毎日ご飯を食べないといけないのでスーパーマーケットは売上が増えましたが、同時に接触を避けるためにネットスーパーの需要もかなり上昇しました。在庫の食材を売るというのはお店に来てもらうことが前提ですが、デリバリーでの需要も否定できません。飲食店は調理のプロのはずです、どのように調理すれば美味しく仕上げるのか、こだわりの調味料があればセットで販売してもいいかもしれません。または、調理しやすいように半完成品(いわゆるミールキット)として販売しても、デリバリーの完成品とはまた違う味を提供できるかもしれません。

在庫処分が主力事業になった事例

アメリカにおもしろい事例があります。
日本と同じように、新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中の飲食店が営業休止を余儀なくされている中で、ニューヨークにあるレストランの一部は、選りすぐりの食材を調理のノウハウとともに提供する“食料品店”へと業態転換を図っています。

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ニューヨークの街中では最低限の外出しか認められていない中、そのレストランで購入したスペイン産オリーヴオイルを持っている人が多くいます。どんな食べ方、調理方法をすれば家で美味しく食べられるまでレストランのオーナーが教えてくれるそうで買ったお客は口を揃えて「近所だけど行ったことがなくて、でもコロナの落ち着いた時に行ってみたいね。」と集客の効果も絶大だそうです。

非接触型の食品販売店へと変貌を遂げた店内は、オーナーが商品を袋や箱に詰めています。オリーヴオイルや地元の農家でとれた農産物、卵、肉(絞めたての鶏をそのままローストできるように塩漬けにして干したものもあった)、シーフードの缶詰、ワインや酒といったものまである。

アメリカ同様、日本でも申請すれば酒類のテイクアウト・デリバリーが許可されています。

在庫処分が主力事業に

飲食店のメニューはテイクアウトには向かないこともしばしばある。無理にお弁当メニューを作るのにも限界が生じてしまいます。ところが、在庫処分のために始めたことが、完全な主力事業になるケースも出てきている。非接触型の食料品店として効果的に機能しているのだ。上で紹介したレストランはオンラインで注文された商品を店頭で引き渡すために、週1日だけ店を開けているそうです。(週に230件の注文が入るらしい...)

これから外出制限が解かれたあとも喜んで続けたいと思うことがあるとすれば、それは近所のレストランで食料品を買うことだろう。プロのシェフは調理の仕方だけでなく、それと同じくらい重要なことを知っている。何を調理すべきかというメニューの提案、そして最高の食材をどこで手に入れるかといったことだ。主婦にとっては嬉しいかも。シェフがつくる夜食が妙に美味しさを唆らせるのもこれが理由かもしれません。

ニューノーマルの時代に向けて

新型コロナウイルスに対する安全の確保や不安、そして自分の店をオープンできる喜びが入り混じった気持ちかもしれません。

ですが、いかに将来が不確実であるのかを誰もがはっきりと認識したと思います。何が起こるか分からない、そんな状況を日常と考える“ニューノーマル”の時代に合わせたアイデアに向き合っていく必要があります。

これからの飲食店は、食事するだけの場所ではなく、もうちょっと多様化する必要があるのかもしれません。

“飲食店は地域の食卓になれるはず”と最初のほうに書きましたが、飲食店が、地域のコミュニティにおいしい食事、おいしいお酒、そして特別な場所や時間を提供するビジネス(飲食+○○)だと考えるならば、在庫の食材とレシピを提供するというのは、提供方法が異なるだけである意味同じ価値を提供できるのかもしれません。


一回どこかで実験してみようかなと思います。このnoteを読んで関心が少しあるなあと思った方がいらっしゃれば気軽にお話ししましょう!これ考えてたけど断念した、とか今まさにやっているよ!という事例やご意見があれば嬉しいです。

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(コロナウイルスと闘うみなさまへ敬意と感謝を込めて)

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