「書けない」を克服するための処方箋
5月から約2ヶ月間、ノンプロ研で開催されていた「第5期 技術ライティング講座」のホスト係を担当させていただきました。
この技術ライティング講座には約1年前の第2期に生徒として受講していたので、今回は二度目の参加となりました。以下の記事で、当時の講座の様子と「文章を書く技術」についての学びをまとめています。
今回も、講座の卒業制作として文章にまとめておきたいと思い、書くことにしました。
この記事では「文章が書けない」という悩みに対して、僕自身が克服してきた考え方を「足し算・引き算・掛け算」にたとえてお伝えしていきます。
「文章が書けない」理由
「文章が書けない」理由として、この記事では以下の3つのパターンを取り上げていきます。
1. 何を書けば良いかわからない
2. 内容がまとまらない
3. 書くネタが見つからない
ちなみにこの記事では「書く」=「技術ブログを書く」ということを想定しています。
もちろん、他にも様々な「文章が書けない」理由があると思います。講座の中では、書くのがしんどい理由として「習慣の問題」「メンタルの問題」「技術の問題」が挙げられていました。
この分類で考えると、今回紹介するパターンは「技術の問題」に分類されるのかなと思います。
もし、皆さんが「習慣の問題」「メンタルの問題」で書けないと悩んでいる場合は、まずは文章を書く習慣づけと、楽しく書けるようになるマインドセットが重要かなと思います。
もしそれらを身につけたい場合は、こちらの『書く習慣』という書籍がとてもオススメです。僕はこの書籍のおかげで、だいぶ書くハードルを下げることができました。
では、それぞれの「文章が書けない」パターンへの対処法を見ていきましょう。
(1)何を書けば良いかわからない
「何を書けば良いかわからない」という場合は、まずは何でも良いのでインプット重視の「足し算」を考えてみるのが有効です。
この「足し算」というのは、学習して情報を増やしていく作業になります。
ブログを書いてみようと思った時に、まずは書籍や動画教材、Web記事などを色々と調べるインプットをします。もしくは、講座やイベントなどで学んだ内容を元にして、ブログを書いていくことになるかもしれません。
いずれにせよ、自分のもともとある知識に「足し算」をして知識を集めてから、書く作業を始めていきます。
仮に、今自分に3の知識しかなく、ブログを1記事書くのに10の知識が必要になる、と仮定します。
この場合、3の知識だけだとどうやっても足りなくて、ブログを書き上げることができないですよね。そこで、残り7の知識を学習して集める必要があります。
この具体的な手法は、技術ライティング講座でいうところの「素材を集める」という作業にあたります。
文章を書くには、自分の中から何かを生み出そうとする必要はありません。
書くために必要な情報をどんどん集めていき、それらをつなげてブログを書くようにすると、「何を書けば良いかわからなくて書けない」という悩みは自然と減っていきます。
(2)内容がまとまらない
「内容がまとまらない」という場合は、文章を書くときに「引き算」で考えてみるのが有効です。「どうしても文章が長くなってしまう」というのも、この「まとまらない」に当てはまります。
「引き算」というのは、インプットした情報をまとめたり整理して「削る」「省く」「捨てる」という作業になります。
ブログを書くために、まず最初は調べたり人から聞いたり学習をして、知識の「足し算」をしていくのでしたね。
もう一度先ほどの例を考えると、自分が持っていた3の知識に加えて、残り7の知識を集めることで、10の知識が必要なブログを書くことができるようになります。
ところがほとんどの場合、ピッタリ必要な知識だけを得られることはありません。書籍を読んだりまとまったインプットをすると、ブログを書くために必要な知識以外に多くのことを学ぶことになります。
仮に、学習によって12の知識が得られたとします。すると元々の3の知識にプラスして、合計で15の知識が身についていることになります。
知識10のブログを書くのに、いま手に入れた知識は15もあります。書きたいブログの本筋に関係ない知識が5もあるため、文章がまとまらず長くなってしまったり、書き切れなくなってしまうのです。
そこで、この余計な5の知識を削っていく作業が重要になってきます。
これは技術ライティング講座で学んだ「ターゲットを決める」「文章の構造化を行う」という作業にあたります。
自分が今手に入れた知識の中から、文章のターゲットにしている人たちに響かなさそうなのを省いていきます。また、書いているテーマの根幹ではない枝葉にあたる知識を、グルーピングの手法を使ってどんどん捨てていきます。
せっかく学んだことだからと色々書きたくなりますが、思い切ってバッサリ捨てる「引き算」の考え方で書くと、文章がまとまりやすくなります。
(3)書くネタが見つからない
「書くネタが無い」という場合は、自身の学んでいることや取り組んでいることを整理して「掛け算」で考えてみるのが有効です。
「掛け算」というのは、知識と知識をつなげて考えたり、自分のスキルや興味の対象をつなげて発想を広げるという作業になります。これは図形的に考えると「点と点をつないで多角形を作る」「多角形の面積を広げる」ということになります。
この考え方は、技術ライティング講座で一番最初に学ぶ「テーマ決め」の作業と関連しています。
まず、自身のやっていること・学びたいことは何か、箇条書きで書き出したりマインドマップを作成してみます。そしてそれらをまとめたり絞ったりして、3〜4つ程度のテーマを決めていきます。
次に、真ん中にまず一番重要なテーマを大きい点として描きます。そして、他の各テーマをその周りに点として配置します。それらを線で結ぶと、1つの多角形が出来上がります。
このとき、近いテーマは図形的にも近く、遠いテーマは遠くに描いてみましょう。もちろん正解はないので、なんとなくのイメージで構いません。
実際にはもっと具体的な点を描いた方が考えやすいと思いますが…。ともあれこうすると、点同士を関連づけしたり何かネタはないか考えることができ、テーマ同士の「掛け算」ができるようになります。
「GAS」を「自身の仕事」もしくは「趣味」で活用した例を書いてみたらどうだろう?
「GAS」と「Python」のコードを比較してみたらどうだろう?
「自身の仕事」と「趣味」の共通点って何かあるのかな?
こう考えると、何かひとつ記事にできそうな気がしてきませんか?
実はこのブログ記事も、3つのテーマの「掛け算」で考えたのが出発点でした。僕が学習している「ライティング」×「ノンプロ研」×「算数」というテーマです。
自身のテーマを普段から整理して見直すようにしておくと、それらの「掛け算」で書きたいことはいくつもあることに気づけます。書くネタが見つからない理由はインプット量が足りないからではなく、自身の持っている知識・経験の整理ができていないためなのです。
ただし「掛け算」はどうしても知識の組み合わせが膨大になってくるため、内容がまとまらない…ということが起こってきます。そのため、文章をまとめるための「引き算」のスキルも重要になってきます。
おわりに
さて、今回は「文章が書けない」3つのパターンについて、その対策となる考え方をお伝えしました。
どちらかといえば僕は書けない寄りの人間だったのですが、ノンプロ研での活動や技術ライティング講座を通じて、書く習慣とスキルが身についたのかなと思います。
今回紹介した「足し算・引き算・掛け算」はシンプルな考え方なので、ぜひ活用していただけたらと思います!
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