![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/110104648/rectangle_large_type_2_42a6820ee18eab2a2bb5983223618717.png?width=1200)
農業描写探偵 映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」回レジュメ
OP(一分以内)
若いリスナーに向けた配信をしたい、と考えていますが、今回もおっさんほいほいです。悲しいけど、当番組のメインリスナー、おっさんばっかりなのよね。
ネタバレをします。どうせ、細かく話さないといけないし、ネタバレくらったってどうでもいいでしょ。アマプラに入ってしばらしくてる、おっさんしか観ねーコンテンツで、まだ観てねーおっっさんは、今後、一生見る気がしてないだろ。若者のために逐一ネタバレして話します。
一般常識のようなガンダム知識を話すことになりますが、ガンダムに詳しい方はなにかしら謝っていたらご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
概要
💡 この番組は北海道在住の米農家にして孤高のポッドキャスター、ジョンさんが日々の営農と日々摂取しているサブカルについて話していくオーディオエッセイ番組です。今回の特集は、当番組のメインコンテンツ。サブカル作品のなかに現れるほんの少しの農業描写から、作品世界の食糧事情や農業事情をディテクティブしていく、作品の見え方がちょっと変えられたらいいな、な農業描写考察特集「農業描写探偵」です。
今回扱うのは、2022年公開のアニメーション映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」。
1979年の機動戦士ガンダムの第15話を原案として劇場用映画にしたてた作品。
現在、Amazonプライム、U-NEXTにて無料で配信中。
監督は、この15話でアニメーターをしていて、のちに機動戦士ガンダムoriginというガンダムの漫画版を描いた安彦良和。
率直な感想
子どもの面倒をみたあとで、見始める。ククルス・ドアン、子どもを20人も面倒みて、大変だなーと思ってしまう。
ただ、農業描写は、無駄にしっかりしている。しっかりしているからこそ、20人も子ども面倒見てるのが、すごく無理が出てる。
改変ポイント
太平洋のどこかの島(おそらくインドネシア周辺)から、北アフリカ近く、スペイン領のカナリア諸島に変更された。
ホワイトベース隊の進行ルート。北アメリカから防衛戦を強行突破していきなり南米大陸のジャブローに向かっている。オデッサ作戦のために南米からアフリカ大陸のほうに移動してヨーロッパに向かっている。
もともとは、北米大陸に着いたあと、ジオンの追撃を逃れながら太平洋を渡り、日本に行って、ユーラシア大陸に渡っていたので、テレビシリーズのククルス・ドアンの島は長崎の五島列島あたり、というのが定説となっている。
作中に出てくるスレッガー中尉は、テレビシリーズではジャブローで合流しているので、本来の時系列では合っていないはずの人。
変わってないポイント
ククルス・ドアンとの遭遇は、おそらくテレビと映画は同時期。宇宙世紀79年9〜11月の出来事だと考えられる。
ククルス・ドアンの脱走と、子どもたちとの逃避生活は79年2〜4月から始まり、彼らの生活はおよそ半年くらい経過している。
ホワイトベース隊の主な出来事は、オリジンベース。だが、アムロに起こった出来事はおおむねテレビと同じ。ガルマを倒したり、お母さんにあったり、ランバラルに追われたり、してる。
ガンダムってそもそもどんな作品?
一年戦争で何が起こったかは一般常識なので割愛したいが、そもそもガンダムわからん、という人がたくさんいそうなのでガンダムって何なのかを軽く解説する。
機動戦士ガンダムは79年に放送された現在に続く人気ロボットものの第一作目。ファーストガンダム、と呼ばれるのがこれにあたる。
現在はNetflixなどの各種配信で1話から見れるようになっている。
今から観ても面白いか?面白い。展開がとても早く、現在のエンタメ並ではある。
ただ、機械のデザインなどはやっぱり古びており、レトロフィーチャーみがある。ボタンがいっぱいあったりするあたりとかね。
で、ガンダムがどういった話かといえば、なんとなくニュータイプやら人の革新やら、シャアがどうたらとか、いう風に言われるけれど、基本的には、「戦争に巻き込まれてしまった若い兵士、子どもたちが逃避行を取りながら、戦争の中で生き抜いていく」という話。
出だしは、ガンダムは連邦の秘密兵器で、他のロボットと比べると規格外に強いので、敵も味方もガンダムに振り回されることになる。
ガンダムが持ち込まれたコロニーが戦場になり、難民を連れてホワイトベースは地球に逃げようとするのだけど、それをジオン公国のエース・パイロット赤い彗星のシャアが追撃を仕掛けていく、というのが前半のお話。
ここから、ホワイトベースは難民を下ろしたり、ジャブローを目指して地球一周したり、宇宙に出て最終決戦に望んだり、といろいろやるのだけど、とりあえず必要なのは、「戦争に巻き込まれた子どもたちとそれを取り巻く状況」というのが話の肝になってくる。
機動戦士ガンダムの前半では、戦争にかかわる人のエピソードが多い。
たとえば、敵国のジオン公国の軍人が民間人を助けてるところに遭遇して協力したりするエピソードもある。
かといえば、味方の地球連邦軍が民間人から略奪をしているところに遭遇したりすることもある。相手も生身の人間で、戦争で殺し合いはしているのだけど、敵軍だから全部悪い人という訳ではない。どっちかといえば、連邦軍のほうがやなやつ多い。
このククルス・ドアンの島のお話は、そんな序盤の締めにあたるエピソードなのだけど、劇場版からは割愛された、という経緯がある。
今回監督をしている安彦良和さんが、アニメーターだった頃にこのお話の絵を書いてるのだけど、この回は現在に至っても「作画崩壊」で有名な回。ククルス・ドアンが乗るザクの鼻が長かったり、ガンダムの縮尺がなんかおかしかったり、とにかくひどいと有名である。
安彦良和さんがわざわざ今、映画化したのはやっぱり当時のことで食いが残っていたからじゃないかな。
安彦良和さんは、この映画の前に、機動戦士ガンダムオリジンという、ガンダムのアニメを一からコミカライズするという狂気の沙汰をやっている。今回のククルス・ドアンの島の島が変更されていたりするのは、テレビシリーズではなく、安彦良和さんの語り直した一年戦争がベースである。
大きな変更はされていないのだけれど、ホワイトベース隊の進行ルートが異なっている。もともとは、北米についたあと地球を一周して南米大陸の連邦政府本拠地に向かうのだけど、オリジンでは、北米についたあと南米に渡ってアフリカ大陸に渡ってヨーロッパに向かって宇宙に行く、というルートになっている。
そのため、ククルス・ドアンの島の位置がテレビ版と違う。TV版では、おそらく日本の五島列島のあたりだが、ククルス・ドアンの島では、明確にアフリカ大陸の横、スペイン領のカナリア諸島はAregurannsa島になっている。
アニメシリーズでは、もっとあとに登場するスレッガーさんが一緒にいるのは、オリジンベースだから、というのがある。
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?