太陽光発電【FIT制度とFIP制度】
太陽光をはじめとした再生可能エネルギー発電の普及が進んできている日本ですが、電気の自給率は10%前後と低く、再生可能エネルギーで電気の自給率を上げる必要があります。今回は、弊社で取り扱っている「太陽光発電」に着目して日本の買取制度を解説します。
買取制度
太陽光の買取制度は2012年のFIT(固定価格買取制度)から始まり、新たにFIP(変動価格買取制度)が加わりました。
買取制度の概要は「再エネ特措法」に定められており、今までにも何度も変更や更新を繰り返しています。そのため、これから導入を考えている方はその都度確認が必要です。
以下の表をご覧いただくとわかるように、売電価格は認定を受けた年度や発電容量によって異なります。
FIT制度とは
固定価格買取制度のことで、Feed-in Tariffの頭文字を取ってFIT(フィット)と呼ばれています。
太陽光で発電した電気を一定期間、固定価格で電力会社が買い取ることを約束する制度であり、発電開始後の予算回収計画が立てやすいというメリットがあります。
その一方で、固定価格にするための上乗せ金額を電気使用する国民が一部賄っている再エネ賦課金の増額が課題となっていました。
FIT制度により太陽光などの再生可能エネルギー発電が広まりましたが、次なる課題は再エネ賦課金であり、その対策として、次に紹介するFIP制度が導入されました。
FIP制度とは
変動価格買取制度のことで、Feed-in Premiumの頭文字を取ってFIP(フィップ)と呼ばれています。
2022年4月からスタートした比較的新しい制度であり、FIPの「P」の意味となっている「Premium(プレミアム)=補助額」が電気の市場価格に上乗せされた金額が売電価格となります。
市場価格をベースとした変動する売電価格のため、FIT制度で課題となっていた再エネ賦課金の負担額を抑えることが期待されています。
また、市場価格が低い時は蓄電池に電力を溜め、価値が高くなった時に売電をすることで同じ電力の売電価格を上げることができるため、発電事業者として利益を出す選択肢が広がります。
しかし、市場価格の変動により売電価格が変わってしまうため発電導入時に利益試算をすることが難しいといったデメリットもあります。
非FITとは
発電した電気の活用方法は多様化しており、FITやFIP制度に頼らない非FIT(non-FIT)という選択肢もあります。
非FIT電気は、再エネ賦課金というかたちで国民が負担する必要がなく、再生可能エネルギー100%の電力であると認められています。
そのため、環境への取り組みとして企業のイメージアップにもなります。
売電先は非FIT電力対応の電力会社であれば自由に決めることができ、相見積もりなど条件を比較して運用することが可能です。
現在FITやFIPを利用している発電事業者も10年や20年の定められた期間が終了すると非FIT電力となり、自分の条件に合った売電先の検討が必要となります。
メガソーラーの売電
これからメガソーラー発電に新規参入する場合、FIT/FIP制度どちらを選択したら良いのでしょうか。
実は、メガソーラーと言われる1000kW以上の発電の運用には2022年度よりFIT制度を選択することができなくなりました。
手続きを行う年度によってFIPが義務となる発電規模のボーダーが異なります。
そのため、ボーダーとなる規模の発電事業を考えていて、なおかつFIT制度を検討している場合は事業開始のタイミングを計る必要があります。
現在FIT制度で運用していても、手続きを行ってFIPへ移行することも可能です。しかし、FIPへ移行した後にFITへ戻すことはできないため、注意が必要です。
発電した電力の運用方法が多種多様となった今、発電事業者は売電による収益をあげたり、自家消費して使用電力を下げたり、自社に合った運用方法を見つけることが重要となります。
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