ゆかりんHoney bunnyツアー愛媛公演の感想・遠征録
<10月29日・遠征記>
倉敷8:02→岡山8:21
午前7時過ぎ、アラームの音にたたき起こされて準備を始める。ツアーファイナルを12時間後に控えた感慨深さに浸りながら改札口を抜け、通勤・通学客で混雑した山陽本線に乗り込む。朝から国鉄型の115系に揺られること20分、岡山駅に到着する。
岡山9:25→松山12:10 しおかぜ5号 ※団体移動
改札口を出て真正面、”王国民大移動一行”の目印の下へ歩いていく。ここから松山までは仁礼さん主催の団体企画で松山まで移動していく。抽選の結果、私は車端の16Aの席になった。このグループのほかにも多数の王国民を乗せたしおかぜ5号は定刻通り岡山駅を発車し、瀬戸大橋を渡って四国に入っていく。同じボックスの4人、時には隣のボックスも合わせた8人とゆかりんの話に花が咲くうちに、気が付けば愛媛県に入り、新居浜、今治と進んで松山駅に着いてしまった。とても楽しい3時間弱だった。
松山12:41→大街道12:54
松山駅で団体解散となり、松山市で博士課程の大学院生をしている友人と合流する。この友人は幼稚園の頃から20年以上の仲になるのだが、会うのは恐らく5年ぶり、とりあえず昼でも食べようと路面電車に乗り込んで大街道に向かう。
松山駅に来たのは6年前に乗り換えで素通りした時以来、駅前のロータリーの雰囲気は少し変わった気がする。そして伊予鉄の路面電車に乗るのは幼少期に坊ちゃん電車に乗って以来だから20年以上ぶりだろうか。見慣れない松山市内を通り抜けて大街道に着く。
大街道
商店街を歩き回って適当にお店に入り、愛媛名物の鯛めしを食べる。炊き込みではなく刺身を載せた形のこの鯛めしは、宇和島など南予地方のものらしい。グルメに疎いもので鯛めしが名物というのは今回の遠征で知ったくらいなのだが、とても美味しかった。
友人と駄弁っているとあっという間に時間が経ってしまうが、研究室に行くという友人とわかれ、松山城のほうに向かっていく。
ロープウェイ 東雲口13:58→長者ヶ平14:00
ロープウェイ乗り場に行くと団体客で溢れかえっていたのだが、通常10分間隔のところ臨時便が出ているようでほぼ待ち時間なくロープウェイに乗り込んだ。バーチャルデート山編とは違って青色の小さめのゴンドラに乗り込んで約2分、長者ヶ平に到着した。
松山城
そのまま坂道を登って松山城を見学する。この松山城は現存12天守の一つ、江戸時代のものがそのまま残っていて、堂々とした風格でこちらに語り掛けてくる。城内の階段はかなり急な作りになっていて、足元に気を付けながらの見学となった。
松山城→松山市民会館→宿
そのまま愛媛県庁側に出る坂道を下っていく。行きはロープウェイだったから楽だったのだが、この高低差を徒歩で下っていくのはなかなか厳しいものがあった。
市民会館に到着するとまだ本人確認窓口がないようで先に宿に向かうことに。荷物を整理して、このツアーで9通目となるお手紙を書くと宿を出た。
宿→松山市民会館→南堀端15:59→松山市駅16:02
会館に戻って本人確認を済ませると、開場まではまだ2時間。明日伊予鉄の乗り潰しをする予定だったのだが、路面電車の乗り潰しを少しばかり進めておくことにする。とりあえず来た電車に乗り込んで松山市駅まで向かいつつ、路面電車の路線図を眺める。これは感覚的な話だが、おそらく6号線(本町線)の乗り潰しが厄介だろうし、今日はそこから乗っておこうかと時刻表を眺めて驚いた。6号線は平日のみ7往復で終電は13時台、これは明日も本町線の時刻に合わせるように行程を組まないと乗り損ねてしまう。
松山市駅16:17→古町16:46 (2号線)
本町線には今日は乗れないと分かったところで、とりあえず来た電車に乗る。大街道などの市街地を抜けると、学生の下校時間と被ったようで車内は混雑してきて、気が付けば専用軌道の区間に入っていた。単線の区間や専用軌道が多いのは伊予鉄の特徴だろう。
古町16:56→南堀端17:09
高浜線に乗っても良いかなと思い、なんとなく古町で降りてみたのだが、微妙に時間が合わず結局断念。後続の2号線に乗ってそのまま南堀端に戻る。道後温泉~上一万はすでに乗ったことがあるから、路面電車は本町線を残すのみになった。
会場近辺~松山市駅17:47→南堀端17:49
ちょうど先ほどの電車に目の不自由な王国民の方が乗っていて、その方と談笑しながら会場に戻る。物販でアクスタくじを買い終えると、会場付近を探索することに。適当な商業施設を探して歩き回っていると、結局松山市駅まで戻ってしまって、雨で歩いて戻るのも億劫になって路面電車に乗り込んだ。
<ライブの感想>
松山市民会館
あいにくの雨、すっかり暗くなったころに開場して館内に入る。今日は14列目の一番右端。横に広い会場ということもあって、ステージまでの距離はかなり近く感じた。開演30分前にはサングラスをしてゴルフクラブを持った平さんが観客を煽り、このツアー最後のバニラバの撮影が行われる。開演寸前には、今日2列目を引き当てたらしいおるさんが自分の席まで激走する姿を観測した。こんなことを書くと怒られそうだがなかなかの迫力である。
Poppin' Magic
桃色男爵が舞台右手側から入場する。エンゼル、メリーさん、ノリさん、会長……、残念ながらラビさんは不参加だが、この4人が定位置に着くと、照明が暗転する。私にとって21回目の”夢から覚めて聴こえるおはよう”。今日のゆかりんも最高に輝いていてかわいい。会場には”You are only one”の声が響き渡って、このホールにゆかり王国の魔法がかかっていく。右手を前に伸ばすところから始まるサビの振り付けも一旦今日で見納め、名残惜しい気がしつつ、私も手を伸ばした。
好きしかありえない
イントロが鳴り始めると会場が揺れ動きだす。今日はツアー最後だからと覚悟を決めて私も飛び跳ねる。この曲はとてもライブ映えしてどの部分も聴いていて楽しいのだが、Aメロで曲のブレイク的な部分に合わせるようにゆかりんが真っすぐ腕を伸ばして止める部分の振りがとてもカッコよく見えて、それがこの曲の好きな部分になっている。
私がゆかりんのライブに行き始めたTCの時から、ツアーの中で口上が定着して育っていく様子をリアルタイムで見ていくことができたのはこの曲が初めてで、一つの文化ができていく様子を体感できた思い出深い一曲になった。22公演の万感の思いを込めて叫ぶ“ゆかりが好きしかありえない”。その声がステージまで届いているならとても嬉しい。
MC
愛媛県では初めての公演となるゆかりん。愛媛の人、四国の人を数えていくと、「愛媛が四国の中で一番でしょ?」と火種を投下していく。ゆかりんは今年の休みの日に友人に会うため日帰りで徳島を訪れたとのことだが、徳島には何もなかったらしい。愛媛・香川論争を絶妙な温度感で切り上げ、次の曲に入っていく。
Sweet alert
照明の雰囲気が変わって、ゆかりんが腕をまっすぐに伸ばす。カッコよさとかわいさ、そしてゆかりんの多彩さ、この3つ全てがレンジオーバーするほど詰め込まれたこの曲には、毎回やられてしまう。何回も書いている気がするが、Bメロで歌詞に合わせるように指を1本、2本と立てて顔の横で振るところ、サビのところで腕で円を描いて左右に振って真上を指す振り付け、このあたりは今日もとてもかわいかった。
キャラメル
一瞬にして穏やかで甘い世界が目の前に現れる。多幸感に包まれる至高の時間が始まる。この曲は言葉一つ、振り付け一つのニュアンスがとても丁寧に創り上げられているように思う。特に、Aメロの最後の部分の”やっぱりどっか違う味”と“こんなはずじゃなかったのに”のニュアンスの置き方は、うまく言葉で表現できないのが悔しいが最高だった。この曲のような時間がずっと続いていけばいいのにと思ってしまう。
トーキョーキャンディーガール
“Sweet”、”キャラメル”、”キャンディー”と、方向性こそ違いつつも甘い3曲が並んでいく。この曲を歌う時のゆかりんの歌声には少しだけ凛々しさの要素が乗っている気がして、内に秘めた強さみたいなものが伝わってくる。この「トーキョーキャンディーガール」のダンスは、バニラバと違って公式の振り付け動画等もなかったのだが、ようかんまんさんをはじめ有志の人たちが作り上げてきて、このツアーで確かに花が咲いた1曲になった。
映像
いにしえの雰囲気漂うタイピングゲームにチャレンジ。画面に表示される文字を正確に打ち込むとゾンビを倒すことができるというもので、スタッフは1人しかクリアできなかったようだが、ゆかりんは”整数型はインテジャー”に苦戦するも2回目のチャレンジで無事クリアした。ゲームが終わると手持ち花火を楽しむゆかりん。線香花火の値段の違いとは。
エアシューター(アコースティック)
ステージ上にはパーカッション、ベース、ギター×2。ラビさんがいない今日はどうやってアコースティックの曲をやるのだろうと思っていたのだが、ゆかりんはノリさんと目線を合わせると、ラビさんの鍵盤でお馴染みのあの旋律をノリさんがアコースティックギターで弾き始めた。その瞬間、会場の空気が変わったのを感じた。普段とはテイストが少し違ったが、それは可憐な少女が歌う「エアシューター」だった。
MC
倉敷公演で今回ツアー卒業となったモチヅキさんを弄ると、松山駅の話題に。ゆかりんは昨日夜に車で移動したとのことで松山駅を使っていないそうだが、延期となった元々の日程から今日までの間に駅舎が新しくなり、自動改札になったらしい。地元のICカード論議、徳島県の鉄道論議が交わされると、スタッフから喋りすぎと忠告が入ったようで話を切り上げる。
お気に召すまま(アコースティック)
アコースティックの2曲目は「お気に召すまま」。歌詞に合わせるようにスカートの橋を持ち上げるのがとてもかわいい。この曲を歌う時のゆかりんはいつも笑顔でとても楽しそうに見えるのだが、それはこの日もそうだった。落ちサビでは今日はセンターに座っているメリーさんが手拍子をして客席を煽る。あっという間にとても楽しい曲が終わってしまう。
you(アコースティック)
音楽で涙したのは初めてだった。この人生でそれなりの回数は音楽を聴いているはずだし、心を打たれたことも、今でも鮮明に記憶に残っているほど衝撃を受けたことも何度もあるのだが、涙したことは今まで一度もなかった。5年前、初めてこの曲を聴いたホクト文化ホールの私にこのことを伝えたならどう反応するだろうか。このツアーで、というか京都で好きになった「you」で涙するとは。
「お気に召すまま」が終わって、エンゼル、メリーさん、会長が続々と立ち上がって驚いた。確かに、冷静に考えれば昨日やっていない「you」なのだろうが、ギターでこの曲をやってくれるとは正直思っていなかったから、このツアー最後の「you」は有明2日目だったのだろうと諦めていた節すらあった。もしかしたらギターが中心の別のバラードをやるのかもしれない、そう思いつつ、固唾をのんでステージを見つめた。
ゆかりんに斜め後ろから照明が降り注いで、ノリさんが「you」のイントロを弾き始める。それは鍵盤のように粒のように降ってくる音ではなくて、穏やかに流れるような音だった。そして、ゆかりんが歌い始める。ゆかりんの歌声は、ピアノと合わせるとネガティブな感情が増幅されて、ギターと合わせるとポジティブな感情が増幅されて聴こえてくるような気がしている。それぞれに良さがあって、特に「you」や「嘘」のようにピアノ一本にストレートな歌声が乗ると、悲痛さが真っすぐにこちらに向かってくる。今年の京都まではその感情を受け止めきれずにピアノ系のバラードがやや苦手だったところが、今ではとても好きになったというのは別の話であるから置いておくとして、ピアノの「you」が際立たせる孤独感と悲哀は心を締め付けるような何かがあった。今日のギターの「you」は逆の方向性といってもいいのではなかろうか。こんなに温かくて、優しさが垣間見える「you」。ほほ笑んで穏やかな表情で歌うゆかりん。ほんのりと切なさを添えつつも、その歌声は相手を想う気持ちに溢れて前を向いているように聴こえてきて、私は胸に手を当てながらステージを眺めるのが精いっぱいだった。このツアーの最後、違った表情の「you」、ゆかりんから大切な何かを受け取った思いだった。
映像
今日のバーチャルデートは山編の牧場ルート。私は直前の「you」に気持ちが完全に引っ張られていて、画面を見つつも映像が全く頭に入ってこなかったのだが、バーベキューのシーンでゆかりんが串を食べさせてくれるくだりがあり、その動きに合わせるように「あーん」と叫んだ人がいて、その面白さに正気を取り戻した。
スーパーノヴァ
ゆっくりと紗幕が降りてくる。ゆかりんのシルエットが浮かんできて、語りかけるように歌い始める。ゆかりんの歌声で創り上げられていく幻想的な空間。一つ、また一つと星ができては消えていく。時には流れていく星もある。立体的なその空間の中心で、時を操っていくように歌うゆかりん。曲に合わせるようにその星は急速に動いて、円を描くように動き始める。何度も見ている光景のはずなのだが、毎回息をのんでしまう。気が付けば曲は後奏に差し掛かって、ゆかりんのシルエットが見えなくなっていく。
ちなみにこの曲中の流星の数は15らしい。数えてみようかと思ったけど途中であきらめました。
逆蜻蛉
エレキギターの鋭い音が鳴り響く。暫くすると舞台向かって右手、ちょうど私の目の前の花道からゆかりんが登場する。ゆかりんにスポットライトが当たって紗幕が落とされると、恐怖が会場を取り巻いていく。曲の中盤、ステージのセンターで風に吹かれながら歌う時の荒涼感がとてもかっこいい。
null
「逆蜻蛉」が一瞬にして過ぎ去ると、穏やかなイントロが流れてくる。去年の大人のゆかりちゃん祭りから数えて、私にとっては22回目の「null」。ステージには13個のライトが灯り、その中心でゆかりんが優しさを乗せた歌声で歌い始める。歌詞の一節、単語一つにしっかりと意味を乗せていく。その言葉を浴びている瞬間が最高に心地よくて、後奏でゆかりんが階段を上がっていくのを見ながら、名残惜しくて思わず手を伸ばしていた。
映像
今回の映像は綿菓子作りに挑戦。遠く山形からやってきたという綿菓子機にザラメを入れ、一度は順調に綿菓子を完成させるが、二度目に大量のザラメを入れると機械からは異音が。故障はなかったようだが、ゆかりんはすっかり意気消沈してしまった。テンション低めのなか、本来企画で使うはずだった射的に挑戦すると、すぐ”全部”を射抜くゆかりん。鈴カステラの回もそうだが、ゆかりんの射的の精度には驚かされる。
You Are The World!
ポップアップから登場したゆかりんは赤色、記憶が正しければ名古屋の時と同じ衣装を着ている。舞台セットの上で冒頭のAメロを歌い切ると、階段を下ってステージを左右に広く使っていく。この曲はクラップやワイパーも多く、他の曲とも少し雰囲気が違って面白いが、個人的には”揺れる気持ちをメロディにして”の歌詞に合わせて右手をゆらゆらと揺らす振り付けがとても好きだった。
めろ〜んのテーマ 〜ゆかり王国国歌〜
初参加のTC長野から今日で私にとっての46公演目、各公演のセトリをまとめているyukarinlive.comさんで集計したところ、この曲が私にとってゆかりんのライブ・イベントで聴く1,000曲目になったらしい。1,000曲目が“国歌”というのは何かの縁なのだろう。
大阪以来2ヵ月ぶりの「めろ~んのテーマ」。一瞬にしてすっかりめろ~んの魔法にかかってしまったのは言うまでもない。
†メタウサ姫 〜黒ゆかり王国ミサ〜†
「めろ~んのテーマ」が終わって、ゆかりんが駆け足気味に舞台右袖に去っていくと、会場の温度が少しだけ上がったのを感じた。次の瞬間、“ある国のお姫様が”と流れ始めて、会場全体に歓喜の地鳴りが響きわたる。名古屋以来このツアー2回目のメタウサ。もう一度聴くことができるとは全く想像していなくて、歓喜のあまり記憶が飛んでしまっている。とにかく楽しかったこと、そして土下座をしたことだけははっきり覚えている。
Paradoxx.
ゆかりんが舞台袖に去っていっても、会場を包み込む異常な空気感、そこに楔を入れるようにノリさんがギターを弾き始める。ゆっくりと時間をかけてその魔法を解いていく。相当長く時間をかけた気がするが、徐々に適切な温度までトーンダウンしていくと、ゆかりんが戻ってきて、「Paradoxx.」のイントロが始まった。
落ち着いたゆかりんの歌声が心の中に染み入ってくる。Bメロで徐々に増幅されていく感情はサビで大きく発露されていく。ゆかりんの少し低めの歌声を聴き入っているうちに、あっという間に一曲終わってしまった。普段より1曲多いはずなのに、あっという間にこのゾーンが終わってしまう気がした。
映像
今日のドキュメント映像は昨日の倉敷公演から。メンバー紹介での自分の紹介の仕方がしっくりこないようで、やり方を模索するゆかりん。昨日のメンバー紹介でゆかりんが自分を紹介する時に少し首を傾げていたのはそういう事情だったらしい。「そして私がぁ~?」と振って客席に「田村ゆかりです!」と応えさせる案が示された。
リハーサル後に少し時間があるからと会場近くのコンビニまで逃走しようとするゆかりんとスタッフの攻防戦が繰り広げられる。その様子はとてもかわいいのだが、残念ながら田村ゆかり容疑者(17)は確保され、楽屋へと戻されていった。
終演後はモチヅキさんが他のメンバーを煽っていく。邪推かもしれないが、今日参加できないことに色々な思いがあるはずで、それをあの煽りに昇華させていくのはもっちーらしいなと思う。
Vanilla Lover
舞台右袖からゆかりんが登場すると、ゆかりんとメイツの動きに合わせてクラップが始まる。今日もダンスの“本番”が始まる。AメロやBメロでもメイツの動きに合わせるようにダンスを踊る人もいるのだが、このアディショナルタイム3公演ではその割合が格段に増えた気がする。ゆかりんは今回も“好き”の数を間違えることなく、ダンスも会場全員できれいに決まって無事にバニラバが終わった。
MC
楽屋においてあったミュンヘンの唐揚げの話題から始まる。唐揚げにニンニクが入っているかどうかという話題で前列3人が一斉に首を傾げると3バカトリオみたいと客席を弄るゆかりん。MCは口が悪い方がウケるらしい(たしかに)。楽屋にはその他にも塩パンがあったそうなのだが、バンド楽屋にはなかったそうで盗賊疑惑が持ち上がるも本人は盗むならメイツの楽屋に行くとのことで、疑惑を否認していた。
Wonder habit
この曲も「好きしかありえない」と同じように、今回のツアーで口上が定着して、一つの文化みたいに広がっていくところを見ることができた思い出深い曲になった。全体的にキャラソンのような全力で突き抜けたかわいさがあるが、サビのところの振り付けと“ほら耳を立てる”の歌詞に合わせるように右手を頭の横で立てる振り付けが特にとてもかわいい。
期待しないで
初披露となった今年のバースデーイベントとは全く違う雰囲気の曲として完成された形がそこにあった。“ゆかりがいるなら大丈夫”、“ゆかりはほんとに大丈夫?”のコール&レスポンスは一つの作品のようになっているし、“期待しないで 期待しちゃうから”の部分の右手を前に伸ばすところから始まる振り付けはとてもかわいくて、一旦見納めになるのが名残惜しい。今回ツアーのセトリの中でも毎回楽しみにしていた曲の1曲になった。
La La Love call
イントロとともに会場全体が加速していくように感じる。気が付けば一心不乱に飛び跳ねていた。ゆかりんの動きに合わせて手をまっすぐに伸ばして、Bメロでは被せるようにコールを入れる。いつもの様式美がそこに存在してくれることがこの上なく嬉しい。間奏のメンバー紹介では、ドキュメント映像の流れを回収するように「そして私がぁ~?」とこちらに投げかけるゆかりん。「田村ゆかりです!」の声が客席から響いた。
Exactly
暑さは意に介さず飛び跳ね続ける。客席からは今日一番の声量が響く。ゆかりんはステージの左右を広く動き回って客席を見渡していく。ゆかりんは“そうでしょう そうなの 幸せになろう”の部分でスピーカーの前を横切って花道まで出てくる。ゆかりんはハウリング防止で客席側にマイクを向け、客席からは歌声が響く。2番では私の目の前、右側の花道まで出てきて、こちらに向かって笑顔で手を振る。その時、たしかに目が合った気がした。一瞬だったと思うのだが、そのとても尊い一瞬は長く感じられて、とても幸せな瞬間だった。
逢うたびキミを好きになる
ついに本編最後の曲になってしまった。大量の特効テープが宙を舞う。男爵も前に出てきて自由に動き回りながら弾いている。ゆかりんは男爵やメイツ一人ひとりに近づいていって歌っている。このあたりのチーム感がとてもいい。途中、ゆかりんが背後からノリさんを追いかけるような場面があって面白かった。曲の最後には“逢うたびゆかりを好きになる”の声が響き、これでついに本編全ての曲が終わってしまった。
encore
Only oneのあなたのせいよ
アンコールを待つ客席から“ゆかりん”コールが鳴り響くと、桃色男爵の4人が舞台右側から現れた。照明が暗くなり、ポップアップから登場したゆかりんは“うさ耳”をつけている。ゆかりんは腕を上、そして前に伸ばすと、曲を歌い始める。ゆかりんが歌う真っすぐなメッセージ、映えるメロディライン、左右に振れるペンライト、全てが美しい空間ができあがった。
MC
この1か月の間に片足スクワットをしていたという客席の声を拾うと、「見たい!見たい!」というゆかりん。最前列の王国民による片足スクワットが披露された。その後、客席の年齢構成の調査が行われると、1階の地元の高校生に脚光が当たる。20代や30代がかなり多いようだった。
くちびるプラトニック
額の上で手を交差させて、ついにアンコールの2曲目が始まってしまった。あと2曲、もうどうなっても良いと思って全力で飛び続ける。サビでは歌詞に合わせてゆかりんが大きなハートを2つ描く。あっという間に1曲終わってしまうのが名残惜しい。
うらはら兎のねがいごと
最後の「うらはら兎のねがいごと」が流れ始める。このツアー22公演の513曲目、それは笑顔にあふれる「うらはら兎のねがいごと」だった。終わってしまう悲しさや暗さを決して見せることなく、前に、未来に進んでいくようにゆかりんは歌っていって、そしてみんなで飛び跳ねた。
MC
ステージを左右に移動してを振っていくゆかりん。最後に左手側の客席からの「せーの!」が誰からも拾われず爆笑するゆかりん。1会場でも来てくれた王国民への感謝が述べられると、もう1曲歌う流れに。有明と同じくあの曲が選ばれた。
Super Special Day
男爵とメイツが舞台上に戻ってきて、お馴染みのSSDの照明が灯る。ステージを左右に動き回るゆかりんを目に焼き付けながら、声を嗄らしきるつもりでコールを叫んだ。“ゆかりだけのため生きるのだ”、このツアーの最後に特別なこの言葉をゆかりんに向けることができて、この上ない思いだった。前の席までの間隔が狭いことも忘れてただ飛び跳ねていた。”LOVE LovelyゆかりLOVE”、万感の思いでこの言葉を叫んだ。
MC
改めて、今回のツアーが長かったと振り返るゆかりん。次のツアーが長くても絶対にスケジュールを調整すると誓った。
終演後
雨の中、数名で大街道付近まで歩いていき、いよ水産本店へ。てちちさん主催の11人規模の打ち上げに参加した。今回のツアー21公演のうち、結果的に熊本以外では終演後に誰かと飲んでいる気がするし、うご凛さん・てちちさんとは過半数の回でご一緒している気がする。値段の書かれていないメニュー表を片っ端から頼んでいって店員がドン引きしたり、全員がポンジュースを続々頼んだ結果ポンジュースが枯れたりして、気が付けば時刻は1時を回っていた。
店内は4グループの王国民で埋め尽くされていたが、他のテーブルが7,500円/人あたりだったのに対して、こちらのテーブルは12,000円/人と、やや羽目を外していたらしい。
方面別に分かれてタクシーに乗り合わせて、南堀端のあたりで降りる。ツアーの最後にようやくがじむさんの顔と名前が一致したところで解散となった。ホテルに戻って寝たのは2時半くらいだっただろうか。
<10月30日・遠征記>
古町9:49→高浜10:06
起きると時刻は9時前、件の本町線は11時台に乗ることにして、先に高浜線と横河原線に乗るべく古町駅まで歩いていく。駅に着くとほどなくして高浜行きの電車が入ってきた。乗客は少なめ、車内灯はついていないが特に暗さはない。電車は心地よくゆっくり進んでいき、時折瀬戸内海を見渡しながら終点の高浜駅に入っていく。
高浜10:13→横河原11:06
駅前を少しばかり探索したいのだが、後ろのスケジュール上すぐ折り返さざるを得ないのが残念なところ。伊予鉄はどの路線もライトレールのような雰囲気で軽快に走っていく。地理関係がよくわからず、松山のどのあたりを走っているかイメージがわかないのは私の勉強不足だが、約50分走って横河原駅に着いた。郡中線には乗ったことがあるから、これで郊外電車は完乗となる。
横河原11:14→松山市11:43
例によって駅前は何も見ることができず、すぐ折り返す。横河原線は単線で行き違いが多いのだが、進行方向右側のホームに入る駅と左側のホームに入る駅の2パターンがある。普通は左に入ると思うのだが、どういう理由で別れているのか気になるところ。
松山市11:58→本町六丁目12:11
うまく時間を合わせることができて、愛媛県最後の乗り残しである本町線に乗る。松山市駅を出る時点での乗客は3名、南堀端で2名を加え、乗客5名で進んでいく。本町一丁目からは単線区間になり、道の真ん中を這うように進んでいった。10分ほど走ると終点の本町六丁目、これで愛媛県はJR・私鉄とも全線完乗、これで沖縄県、愛媛県に次ぐ3県目の完乗達成となった。(長崎新幹線開業までは長崎県も制覇していたのだが、取り戻しに行かねば……)
本町六丁目12:39→上一万12:51/12:53→道後温泉12:59
電停近くで適当に昼食を済ませ、まだ時間があるから道後温泉のほうへ行ってみる。路面電車はどの路線に乗ってもほぼ時刻表通りで、他の街の路面電車よりも定時性が高い気がする。
道後温泉
駅前を歩いていると鈴ベルさんに遭遇した。街を歩くと色々なところに王国民がいて面白い。そのまま商店街を歩いていって道後温泉の本館のあたりまで行ってみる。本館は混んでいてなかなかすぐに入れないという噂を聞いたのだが、窓口で聞いてみるとすぐ入れるとのことで、30分ほどしかないが入ってみることにした。私にとっては少し熱めだったが、昔ながらの銭湯的な雰囲気もとても良かった。
道後温泉14:02→松山空港14:40
コンビニで買ったポンジュースを飲みながら空港行きのバスに乗り込む。滞在時間は1日程度ではあるのだが、ゆかりんのライブのおかげで、1つずつ見知った街が増えていくのが嬉しい。名残惜しく松山の街を眺めながら空港に向かった。
松山空港16:45→羽田空港18:10
お土産を買い込み、大好物のじゃこ天を食べるなどして時間をつぶして保安検査場を通過すると、同じ便に乗る王国民が続々と入ってくる。機内に乗り込むと3列前にはろかるのさんがいて、最初から最後まで色々な人に会うツアーになった。
離陸の前には寝てしまって、目覚めると眼下には東京の夜景が広がっている。その光の点が次第に大きくなっていって、羽田空港に着陸した。
羽田空港19:05→自宅
手荷物受取を済ませて到着ロビーに出るとろかるのさんがバスを待っていたようで、お互いのリムジンバスの時間まで談笑することに。これでツアーが終わってしまうのが名残惜しいが、「また来月のFCイベで~」と別れてバス乗り場に向かった。
6月から始まった長かったツアーもこれで終わり。22公演中、初日以外の21公演に参加させてもらえて、無事、今年は事故なく走りきることができた。
あとがき
ツアーの前になんとなく決めた、参加した公演すべての感想と遠征記を書くという目標。無事、予定していた21公演にすべて参加することができて、こうして全ての感想・遠征記を書き上げることができたのですが、今の素直な感情は、“またツアーで各地を回りたい”です。全国各地、一つでも多くの思い出が増えたらいいなと思っています。
「遠征記読んだよ」「昨日あごてつさんの感想読んでたんだけど~」
会場でそんな声をかけていただくことも何度かありました。記憶を残しておくため、自己満足の範疇で書いている感想文ではありますが、お読みいただいた皆様ありがとうございました。感想はご本人に届くのが一番良いのだろうと思いますし、お手紙に前の公演の感想を書いてプレゼントボックスに入れることも多いのですが、楽しいことや思い出が色々な人の目に留まる形で溢れているのも同じくらい良いことなのではないかなと思っています。TLやnote、ブログにアップされた色々な人の沢山の感想や思い出、それを読みながら改めてツアーを振り返ろうかなと思っています。
これで私のHoney bunnyツアー完走。事故なく、楽しい思い出がたくさんできた26歳の夏になりました。