ブータンの玄関パロ・タクツァン僧院旅行記
ブータンに来たからには、ブータンのことを隅々まで知りたくて、
国内旅行もいろいろなところに行きたいとは思っているのだけれど、
活動は人数が足りないから休みづらいし、
週休1日日曜日だけなので遠くへ行けないし、
しかも土曜日にはへとへとになって日曜日は昼まで寝ている生活で、
3か月間もったいない過ごし方をしていた。
2月21日に国王の誕生日とブータンの暦での新年Losarの日で、
そこから3日間祝日だったので、3連休を利用してどっか行こう!となった。
今まで他の県なんて行ったことないし、とりあえず近場から、
パロへ行ってみるか!ということでパロ日帰り旅行が計画された。
ブータンでは県外へ行くのに外国人はルートパーミットというものを申請しなければいけない。
JICAに申請して、作ってくれた書類を持ってイミグレーションオフィスへ申請に行く(今回は同行の友人がやってくれました。ありがとう)。
県外に行くにも突発的に明日行きます!とはならないのだ。
とりあえずルートパーミットは手に入れたものの、
行く直前まで、集合場所と、まずタクツァン僧院へ行くということ以外はなにも決まっていなかった。
早朝、ひとまずタクシーを乗り継いでタクツァン僧院へ。
タクシーは2種類あって、ローカルとリザーブに分かれている。
ローカルは乗合で、決まった範囲の決まった道を走ってくれて、途中で人が乗ったり下りたりしてくる。
リザーブだと自分の好きなところから好きなところまで行ける。その分もちろん値段は高い。
パロ空港やパロタウンまでは乗合タクシーで一人300Nu(約500円)。
タクツァン僧院は空港から14㎞くらいあるそうで、
さらに400Nu(約650円)支払った(これはリザーブ料金なので、2人でも4人でも400Nuのはず)。
2人で合計1000Nu。
ちなみに聞いた話によるとティンプーパロタウン間をリザーブタクシーで行くと1200Nuくらいとのこと。あくまで聞いた話。3人以上いればリザーブの方が快適で安いねという感じか。
タクシーの運ちゃんに見送られ、
さて、いざ山を登ります。
実はこの時点で重大なミスをしているのだが、まだ気づいていない。
山は、木でちゃんと段差が作られているので歩きやすい。
そこまですごく急なわけではないのだが、
なんせ標高が高くて(最終的には3100m超)空気も薄いし、めちゃくちゃきつかった。
半分過ぎたところくらいでビューポイントとカフェがあるんだけど、
そこで休憩するのは注意が必要。
まず山の上だから飲み物高いし、しかも別に美味しくない。
例えばビールなら、街のレストランだと100Nu(約160円)で飲めるのに、
ここでは250Nu(約400円)だった。
登山中なのでアルコールではなく紅茶しか飲んでないけど、美味しくはなかった。
ただトイレはとてもきれいだったので、トイレに行く価値はあると思う。
で、ここで30分ほど休んでしまったのだが、これがミス。
この後登る気が失せる。
休憩はさっと終わらせるが吉。
ここのカフェの隣のお土産屋さんでTシャツや帽子が売ってる。
そこそこかわいいのでおすすめ!
さて、登りますかと気合いを入れて残りを登っていく。
頂上に近いところで東屋のようなのがあり、そこで一応民族衣装に着替えてみた。
そして頂上にフォトスポットがいくつもあるのでそこで記念撮影。
そこから本堂までは階段を下ってちょっと上る。
せっかく山を登ったのに、一回下るの、すごく悲しい。
一番谷になる部分に滝があって、これはだいぶ壮観。
遂に息切れをしながら本堂へ!
ここで問題が発生した。
外国人は2000Nu(約3300円)の拝観料がかかる。
下の窓口のところでチケットを買っておかなければいけなかったらしい。
本堂に入るところで受付があるのだが、
「なんで持ってないの?」とPOLICEと背中にでかでかと書かれたイケメンに聞かれる。
「タクシーの運ちゃんがあっちだよ、いってらっしゃい。って送ってくれたから売り場すら通らなかったよ。」と泣く泣く言い訳。
なんとかその場で下の窓口に連絡を取ってもらい支払って入ることができた。
そのPOLICEって書いてある係の人も、下から何回も遭遇していたパキスタン人のガイドをしている人もいろいろ相談しながら対処してくれて、とてもやさしかった。
ちなみに現地の人はマイナンバーカードみたいなものを見せたらフリー。
本堂は写真禁止なのでその受付で携帯や荷物を全部ロッカーに預ける(カギはない。それでも物がなくならないのはブータンと日本くらいではないかと思う)。
本堂でお祈りとお布施をする。
部屋がいくつもあって、それぞれで祈る。
本堂の中の感動よりは、外から見る本堂の方が圧倒的にキレイ。
次にタクツァンへ行くことになったら、
本堂の中には入らず手前まででいいかなと思う(個人の感想です。あとそれなら2000Nu払わなくてもいいのではという悪い気持ちも含まれています)。
どのみち海外から来る観光客は知り合いがブータンにいてその人に会うとか特別なことがない限りガイドをつけることが必須なので、2000Nuを払い忘れることはないでしょう。
ここまで休憩も含めて3時間くらいかかった。
さて、麓へ向かいます。
このさっき下った階段を上るのが、総合で一番きつかった。
でも上り切ってしまえばあとはずーーーーっと下り!
すいすいいけちゃう。
下りは1時間ちょっとで下りられた。
途中出会ったブータン人に、
「今日は新年のとてもいい日だから、今日1回お参りしたら1000回お参りしたのと同じだよ」と教えてもらった。
ブータン人、このイコール理論かなり好きだな。
マニ車1回回したら1回お経唱えたのと同じとか、
チョルテンというお堂の周り歩いて1周したら1回お経唱えたのと同じとか。
怠惰なのか?お得が好きなのか?
麓まで着いた時点で14:30くらいだったのでお腹がすいていた。
麓で、途中のカフェで会ったインドからの観光客の親子3代(おばあちゃん、お母さん、息子)に会ったのだけど、
息子が5歳くらいで、上り切れなくて、カフェで引き返してしまったらしい。
でも外から見えたからいいわと言っていた。
このとき私は思ってしまった。
その使わなかったチケット、欲しかったな。と。
そのあとは停まっていたタクシーに乗り、
また400Nuかけてタウンにある、友人に勧められたカフェへ。
Mountain Cafe&Roasteryってとこ。
コーヒー好きには美味しいコーヒーだったみたい。
私もハニーレモンティーを頼んでとても美味しかった。
ご飯の選択肢もとても多くて、ハンバーガーやらローカル料理やらがたくさんあった。
私はパッタイを選択。
まあまあなクオリティでした。
最高!また行きたい!ってほどではない笑。
そのまま帰ってもよかったんだけど、さすがにわざわざパロまで来てそのまま帰るのも…ということで歩いて行けそうなリンプン・ゾン(パロ・ゾンとも言うらしい)へ。
近道があったのに、ミスって川沿いを大回りしてしまう我々。
ただこのキレイな川がティンプーではなかなか見られないので、気持ちよく歩けた。
ゾンも中に入るのにチケットを買う必要がある。
もう体力もなかったので外から見て満足した。
遠回りしたおかげでゾン周り一周できたし。
帰り、タクシー乗り場がわからず、
停車していた車の運転手の女性に「ティンプーにローカル料金で帰りたいんだけどどこに行けばいいかな」と聞いたら、そのお母さんらしき人が「私たちもティンプーに行くところだから一緒に乗ったらいいわよ!」と乗せてくれた。
ブータンの運転免許は18歳から取れる。
仮免許を持っていると、車のフロントガラスにでっかく「L」の赤テープを貼り、隣に免許取得して3年以上のドライバーを乗せて公道も運転できるらしい。
その運転手の子はまだ17歳で、本免許が取れないので仮免許の状態とのこと。
でも運転の技術はうまいから乗せられるよとお母さんからのお墨付きだ。
お言葉に甘えて乗せてもらうことに。
これもタクツァン僧院で祈ったご利益だと思う。
ちなみにその子の運転は超安全運転で、ティンプーまで噂だと最短45分くらいのところ2時間かかったが、でも全く酔わなかった。
行きは気持ち悪くて寝るしかなかったのに。最高の気分だった。
そんなこんなで無事ティンプーに戻り、一日を終えた。
ひとつ言えることは、
タクツァン僧院、たぶんめっちゃご利益ある。
おすすめです。