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新しい道#3 〜練習開始!〜

8/27(土)
ついにこの日がきた。
オーケストラフィエスタ 第5回演奏会の初回リハーサル。
この日から僕の4団体を股にかけてブラームス交響曲全曲ツアーが始まった。

僕はこのオーケストラフィエスタが好きだ。
第一回の演奏会ではチャイコフスキー交響曲5番のコンマス席にいた。まだ学生だった僕らの演奏家としての情熱が熱く響いた演奏だった。そんなオケで再び演奏することができる。

指揮者の村上くんが好きだ。
ユーモラスで、音楽にひたむきに情熱を注いで僕たちと向かい合ってくれる。

メンバーが好きだ。
コンマスとブルッフのソリスト、刑部ちゃんには初めて一緒に演奏したときから、その演奏に惹かれた。
2ndトップのF川くんは、僕がチャイコフスキーの5番のコンマスをした時も2ndトップの席に座っていて一緒に音楽を作っていった。それ以来事あるごとに度々共演している大事な仲間だ。
他にもみんな心の底から尊敬している大好きな奏者達が沢山いる。
そんな空間でまたブラームスの交響曲1番を演奏することができるなんて。

しかし、そんな浮かれた気持ちはすぐに粉砕されることになる。
その日はブルッフのバイオリン協奏曲の弦分奏(バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスだけで練習)から始まった。
僕のいる1stバイオリンパートは、その日5、6人しか集まらなかった。
パート内で自己紹介をしてみると、芸大卒、神大と薬科大(大学オケの中でもかなり上手い人達が多い)の中に、龍谷大学というチンケな大学卒の僕…
演奏レベルが違うのである。
しかもその時は知人が1人もいなかった。
譜読みも充分とはいえず、ぽろぽろと演奏のミスが…
僕はすっかり縮こまってしまった。
周りがうまく一体感があるだけに、自分の情けない誤った音が悪目立ちして僕はいたたまれない気持ちになった。

それでも、素敵な音の中で弾くというだけでも楽しいものだった。ちゃんと練習しないといけないという反省と、もっとみんなのように上手く弾きたいという二つの理由から、モチベーションはさらに高まった。
1時間の弦分奏の後、管楽器と打楽器のメンバーがゾロゾロやってきてフルオケでの合奏練習となった。もちろんソリストの刑部ちゃんもいる。
スコアの全ての音が響き出し、キレッキレの刑部ちゃんのソロが始まると、もう頭の中はお祭り騒ぎだった。なんてかっこいいんだ!
練習初めは縮こまっていた僕だけど、周りの熱量と音楽的な美しさに囲まれて僕のギアがどんどん上がっていくのを感じる。

14時前から練習を初めてから、3時間以上が経ってその日のブルッフの練習は終わった。
普段運動をしないダメおじさんな僕はそれだけで結構疲労感があったが、練習はまだ終わらない。
ついに、ついにブラームス交響曲第1番の練習が始まるのだ。夕方の18時前から!
ブラームスの曲はかなり神経を使う(どの曲もそうだけど、中でもブラームスの曲は結構集中力を要する)。
正直体はへとへとだったけど、先の音楽体験からテンションだけはやたら高く、怖いものはなかった。そうして、ブラームスの練習が始まる。

結果はボロボロだった。
普段は外さないような音も外し、指も回らなかった。
でも楽しかった。もちろん多くの反省点が見つかったのだけれど、それでも僕にはこれからの音楽体験がさらに楽しみになった。

帰りに食べた王将の極王炒飯と辛玉ラーメン美味しかったなあ。

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