【映画感想】THE BATMAN【ネタバレなし】
「THE BATMAN」観た!
無骨で暗く、痛みを感じる素晴らしい世界観。
バットマンだからこそ描き出せる物語は必見。
バットマンを知らなくても上質なミステリとして楽しめる作品に仕上がってました。
本作はDCコミックスの人気キャラクターであるバットマンの実写映画作品。
アクアマンやワンダーウーマンが出てくるDCEU(DCエクステンデットユニバース)と世界線が違います。
また、単体作品の「ジョーカー」とも世界線が違います。
クリストファー・ノーラン制作のバットマン以来のリブート作品が今作となります。
今作のバットマンは新鮮です。
歴代実写映画化されたバットマンとはハッキリ違います。
社会や自身に闇が深く即物的な解決はしようとするが本質には向き合えていない成熟しきっていない無骨なバットマン像になっています。
ストーリーはリドラーがヴィランとして登場し、探偵役としてバットマンが機能することで物語が進行します。
ミステリ物としても非常に楽しく、バディものとしての面白さもあります。
観てる感じとしては「セブン」とか「クリムゾン・リバー」等のサイコサスペンス作品に近い仕上がりな気はするね。
アクションも無骨。
自身の格闘術とスーツの性能を信じ切った愚直なアクション。
重みはあるが痛々しい戦闘でも主人公の未熟さが如実に現れてるんだよね。
あと戦闘の見せ方が非常にオシャレなものがおおい。スーツに黒が多く影に紛れることを重視してるバットマン。歴代作でも明るいところの戦闘って多かったんだよね。
だけど今作は暗い部屋で光で映し出されることで影の深さを強調してバットマンを映し出すことに成功してるのよ。
輪郭はぼんやりしてるけど深い深い影がホラー的な演出で強調されるのは素晴らしかったね。ただ、今作バットマンのテーマ曲が非常にダース・ベーダーのテーマに似てるし、黒いしマントあるし・・・なんかちょっとノイズが多かったのよね。
俳優陣も素晴らしかったね。
ロバート・パティンソンの雨に濡れた目が死んだ犬みたいな感じも良かったし、ゾーイ・クラヴィッツの芯のある女性像も良かった。コリン・ファレルは特殊メイクで誰かわからんレベルだったけど癖のある演技。あとはポール・ダノは本当に演技が素晴らしい。超モブ顔で繰り出される演技が本当に最高なのよ。
すごく面白かったけれど、全体的にちょっと長いなと言う感じはしたね。
約3時間ある映画だったしね。過不足があったわけじゃないんだけど、全体が丁寧だから時間がかかったような印象でした。
(75点/100点満点中)