【映画感想】コーダ あいのうた【ネタバレなし】
タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults= “⽿の聴こえない両親に育てられた⼦ども”」とのこと。
思春期の女子を主人公にすえて青春モノを基本的には描いていく。けれども家庭環境が特殊。父、母、兄が聴覚に障害を持つ家庭。
家族と社会とのパイプとして機能してしまってる主人公。
家族のために自分の人生を選ぶことが許されるのかという問題が非常に切実に描かれる。
この問題って、意外と遠い話ではなくてヤングケアラー問題そのものなんだよね。
でも今作のすごくいいところは、障害があることはデメリットはあるけれど、人として個人として劣っているという話ではない!!!と力強く描いてるのよ。そこが素敵。
あと、障害がないからこその無神経さ、障害があるからこそ丁寧に気を使う優しさが描かれていて、それぞれの立場の視点は普通に生きていたらわからないことなのを今作を通すことで疑似体験をできて素晴らしい表現だった。
あと主人公家族の演技が素晴らしいのよ。喋れないという表情の豊かさもあるが手話が流暢なことでキャラクターの表現方法として手話が素晴らしい機能を果たしてる。特に、兄弟の話の手話はフランクだけど愛嬌があって、スラングのような汚い言葉表現を手話でも扱って会話してるのが本当に新鮮だった。
ちゃんとした言語体系なんだなって実感させられたよね。
それをちゃんと表現できてるのは今作の家族は聴覚に障害をもつ俳優を起用してることで説得力が半端じゃないのよな。
描くために必要な俳優をしっかり選んだことが本当に素晴らしい。
あと個人的に「シング・ストリート」のフェルディア・ウォルシュ=ピーロがキレイにイケメンに育っててよかったです。
そんなわけで面白かったよ。重すぎず、軽すぎない終盤だけちょっと急な展開があるけれど気持ちよく終わるし観てよかったな!!!
(74点/100点満点中)