FF16備忘録0(ネタバレ注意)
これはFF16は「体験版がピーク、体験版は良かった」と言われているが、私は疑問に思ったので備忘録として記しているノート。
FF16ファンの人は今すぐおかえりください。
内容は体験版まで。
スタート直後
いきなり崖ばかりのステージから始まり移動が多い。召喚獣のバトルは迫力があり最初に配置したのもわかる。しかし、崖ばかりのステージをみてもつまらないなと思う。ここで若干ゴーストオブツシマを思い出す。あのゲームは世間で言われるほど神ゲーとまで評価していないが、序盤の盛り上がりと面白さはよく出来ていた。どうしてグラフィック的に面白くもないステージを序盤にするかなと思いながら進める。
過去回想
いきなり過去回想に入ってずっこける。必ずしも悪手とは言えないが、主人公の現状を説明せずにいきなり回想をするのはあまり良い手と思えない。数個のイベントを挟んで「この影のある主人公はどんな過去を送ってきたのだろう?」とプレイヤーに思わせてから、過去回想に入るのがベストではないか。たとえばFF7でいきなり最序盤に過去のニブルヘイム編をやったらどうかを想像してほしい。体験版で見せ場を作りたかったのかもしれないが、些か準備不足で主人公の現状を説明してから入るべきだと感じた。
過去の主人公
一国の王子様で母親にはいびられるが、漢気のある良い父親がいる、みたいな。現代的な家族関係だが、今の時代にこんなレガシーな中世風の世界観をやるのかと驚く。別にそういう話だからいいが、次のシーンで奴隷の話になりまた驚く。この世界はどうやら奴隷と貴族・人々の関係を描くらしい。しかしながら、今の時代に奴隷を描く意味はなんだろうか。かつてのFFや宮崎駿がよく描いた題材には、現代の科学文明と自然との対立などがある。または宗教と科学の対立。これらは我々が生きている現代文明を別角度から見直し、また批判をする視点で我々は何らかの意味を感じ取るだろう。作品のテーマ・世界観はそういう風に捉えていたので、この作品は時代を意識した世界観・作風ではないと思った。
代替井戸の怪
過去に入ってすぐ歩くと左手に光輝くクリスタルを吊り下げた井戸らしきものが視界の隅に入る。FFらしい世界観のアイテム。世界観を象徴するアイテムだろうと喜んで近づく。そこには、手をかざす奴隷のベアラーとこんこんと水を生み出すクリスタル。下には井戸のようなものが地面から突き出している。
最初は面白いアイテムと思ったが、世界観への疑問が広がった。
奴隷を使って水を手に入れているのだろうか。しかし次のシーンで奴隷はクリスタルを使わず庭師をしている。わざわざこのシーンでクリスタルの設置された代替井戸にベアラーが手をかざすのはなぜか。火やたとえばクーラーなどもクリスタルの力で作れるのではないか。たとえば扇風機もクリスタルを入れるだけで簡単に作れそうな世界観だが、この後に中盤まで進めてもそのようなアイテムは見られなかった。村や街、都市や国家の発展には、水は不可欠で、世界の文明は河の近くで発展した。この作品の代替井戸はそうした歴史的な水の活用に対して、十分な説明にはならないと感じた。そもそも井戸と思って、覗くと底が浅い。それなのに水はクリスタルから湧き続けている一体どうなっているのか謎。
この時点で、「なんか世界観にも期待できないな」と思い始める。
チュートリアルの不満
これは個人の趣味の話かもしれない。
たしかチュートリアルで初めての戦闘だったと思うが、これは大体のアクション・RPGの例から外れる。初めての戦闘はスライムなどの雑魚敵で、そのあとチュートリアルの説明キャラがいたり、あるいは戦闘中に説明の入った覚えがある。
「戦闘を教えてあげますよ」というスタンスのチュートリアルは実につまらないと思った。プレイヤーはその世界にいきなり放り込まれて、いきなり戦闘に直面して遊び方を覚える。あまりにも学校の勉強よりバカ丁寧な教え方のチュートリアルに少しだけ辟易してしまった。作成者はこれでプレイヤーを出迎えて歓迎したつもりかもしれないが、あまり感心しない。
歴代のFFを全て遊んだわけではないが、このような初戦闘があるだろうか。初めてゲームのシステムと触れる戦闘がこれでいいのか。……とか、この展開でも少し萎えた。
なぜジョシュアを使うのか
長々と回想の不満をつらねても仕方ないので、あと二点だけ書く。
まず一つ、なぜジョシュア視点の戦闘パートが挟まったのか。
そしてもう一つ、ジョシュアとジルという二人のいる過去回想は根本的に失敗だったという話である。
体験版の後半でジョシュアを使うパートがある。これの意味は果たしてメイン・ストーリーを最後まで進めるとわかるのだろうか。(現状は中盤までしか進めておらず先を遊ぶ気もない)それにしても、ただでさえ主人公の過去回想に入っている最中にジョシュアの視点に変えるのはやり過ぎではないか。後半になってから主人公以外へ視点を変える「味変」の展開は好きだが、それを序盤にやる意味がわからなった。(味変でなく、主人公の視点で解決・表現できない物語上の視点の提供という意味がありそうだが、考察も面倒なので割愛)
これはジョシュアに感情移入をしてほしい演出意図なのだろうか。しかしイマジナリーラインのように超えてはならない一線が物語上もあると思う。あえて相手の視点を明示しないで、想像に任せる方がここは面白いと思うのだ。この後の召喚獣の戦闘にしても、あえてジョシュアの視点にする効果がわからなかった。衝撃の展開にしたいなら、ジョシュアの視点から離れてどう感じているかを匂わせてほしかった。
そして最後になぜジョシュアとジルなのか。似たような二人のキャラクターを過去回想に登場させて主人公との関係を描くには、些か尺が足りない気がした。結局は、駆け足すぎたのだと思う。十分に主人公への興味をひいた上での過去回想と、たとえばジルが仲間になった後なら回想の意味は増したろう。が、この序盤でやるにしても感情移入をしづらい構成と展開の数々で、体験版を終える頃には私の気分は下降気味となった。
二人のキャラクターのいるストーリーの上の意味は色々と考えられていたと思うが、あまりうまい展開ではないなと感じた。
さいごに
これ以上つまらなかった作品について書く気はない。
そもそもなぜ記したか、「FF16を遊んだけど、途中でやめちゃってさ」と誰かに話したときに具体的な理由を言語化できなかったからだ。他にも召喚獣バトルがパチンコみたいだとか、QTEはダサいとか。戦闘は単純でいいけど仲間の育成もできなくてつまらないとか、敵視点より主人公サイドのエピソードを充実させてほしかったとか色々ある。ただそれを逐一説明する気にはなれない。基本的にはこれは備忘録である。また、存在するかわからないが、違和感を覚えた人のヒントにもなれば幸いである。
加えていうと、私はこの通り比較的ストーリーにうるさい。しかい質の悪い作品を叩くことが目的ではなく、シナリオライターやストーリー担当・作家の質の向上と、待遇の改善を願っているものである。