ゲイとお笑い その2 同級生のバラバ
同級生のバラバ
オレにはゲイの同級生がいる。今回は彼の事を書きたいと思うが、勿論本名ではなくここでは”バラバ”と呼ぶ事にする。
理由は彼が特撮が好きでウルトラマンAの”殺し屋超獣バラバ”が好きだからだ。
(まぁ、好きな怪獣は他にも数えきれないくらいいるのだが……)
ゲイだと知った時は……
バラバがゲイだと知ったは他の同級生の友達から聞かされた。LGBTを取り扱った少しお堅いドラマならここでひどく戸惑ったりするものだが、そうはならなかった。雑誌などでゲイはみんな女装したりオネエ言葉を使うわけではないという事を知っていたので、オレはそこらの奴らよりLGBTの事は理解していると思い込んでいたんだ。
再会すると案の定何も変わっていなくて安心したんだけど、気になる事がいくつかあったにでバラバに思いきって質問をいくつかぶつけた。
最初に同性婚について尋ねた。
テレビを鵜呑みにするな
バラバに同性婚と同性婚を合法化するために活動するLGBTカップルについてどう思うか問うと”興味がない”と即答。さらにこう続けた
「ノンケだって結婚に興味ない奴、いるだろう」
言われてみればそうだ。そんな奴はいくらでもいる。だいたいオレ自身がソレなんだよな。
ドキュメンタリー番組で私たち結婚したいんですと涙ながらに訴えるゲイカップルを見て気の毒だなとは思ったがLGBTだって人間だ。同じ同性愛者でもいろいろな事情や考えがあって当然なんだ。雑誌やテレビを見て同性愛者の事を知った気になっていた。
こんどは”ホモ”と呼ばれる事についてだ。
これもLGBT活動家が呼ばれて傷つくから使わないで欲しい言葉の代表格なんだけでも
「別に何とも思わない。だって事実だもの」
とバラバは言う。
それも快く笑顔で答えてくれた。
だが、次の質問で険しい顔になる。
アメリカかぶれの活動家
随分と昔に見た事なので詳細は憶えてないがニュースで
”私は自分がゲイである事に誇りを持っている”
と豪語するオープンリーゲイのLGBT活動家が出てきた。アップルのCEOのティム・クックも同じ事を言っている。
またバラバにどう思うか尋ねると露骨にイヤな顔をしてきた。
「どうしてこんなくだらない事を誇りに思うんだ?」
少しは共感するかなと思ったけど、そうはいかない。ものすごく不快に感じていた。バラバはこれだけじゃ終わらない。
「巨乳好きの男は『俺は巨乳好きだ。巨乳好きである事に誇りを持っている』なんて言わないだろ。こういうのがいると他のゲイが迷惑だ」
更にオレは前述したティム・クックの事持ち出すと
「あれは世界的に有名な社長とか俳優がやるから意味があるんだ。日本の活動家はそれをマネしているアメリカかぶれが多い」
そう言われりゃ、そうだ。実をいうとオレ自身その活動家の発言を聞いた時は「コイツ、何言ってんだ?」と首を傾げたな。
いろんな意見があっていいけど……
活動家だからといってこの人らの言い分を全部鵜呑みにしちゃいけない。ひょっとしたらバラバみたいな考えを持つゲイも沢山いるかもしれない。
バラバは小学校と中学校が一緒だったが、口調が露骨にクネクネフニャフニャしていなかったし、女の子が好きそうなアニメには見向きもしなかった。
そして、現在は同性婚やレインボーパレードやその類のデモには一切興味の無いゲイだ。
でもSNSを見れば活動家を批判したり、幸せそうな当事者をみつけると罵詈雑言をとばしてくる当事者もいる。そのとばしてくる当事者の過去の発言をみると自分はゲイだからこんなに苦労しているとか、自分は不幸だなどと情けないみじめな発言ばかりしている。こういう連中を見ると情けないし、コイツらがいるからマイノリティが悪く言われるんだと思う。