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「強化指定選手」辻家の人々 第23話/文:辻ヤスシ

レジェンドプロ野球選手、その息子から見た家族の肖像。辻発彦の子として育った筆者・辻ヤスシが描く自伝的小説!第23話!

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-----では、本編をお楽しみください-----


辻家の人々 第23話
「強化指定選手」


自分が入学した高校は市立だった。普通、高校野球の強豪校は私立に多く、県立や市立などの公立の強豪校は相対的に少ない。

しかし、この学校は違った。夏の大会ではベスト16以上の成績を毎年のように収めるほどの古豪だった。それゆえに、野球目当てで入学してくる実力者も多かった。

自分も野球目当てで入学したうちの一人だ。ただし、実力者とは決して言えないレベルの選手だった。

なにせ、中学生時代の自分は(一度退部したとはいえ)試合にもほとんど出ていない。その程度の実力だったのだ。我ながら残念だが、“何となく野球が好きで入部したヤツら”と同等か、ヘタすればそれ以下だった。

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