大阪ストラグル第3部011話 「万引きのけじめ」
「なんやカッキンか」
カッキンはケツの埃を払いながら立ち上がった。街灯の光はここまでは届かず、カッキンの表情はよく見えなかった。だが、カッキンが何かを言い淀んでいる間があり、きっとバツの悪そうな顔をしているのだろうと想像がついた。
少しの沈黙の後、カッキンが口を開いた。
「ごめん、いきなり家まで来てもうて…坂井くんにベル番教えてもらってベル打ったんやけど……返信なかったから」
そう言われて、自分が持っているポケベルの電池が切れていたことを思い出した。
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