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大阪ストラグル第3部007話 「お兄ちゃんみたいに」

1988年・大阪。底辺校とも揶揄されるS工業高校へタケシは入学した。無為に流れる日々を慰めてくれるのはパチンコとパチスロだけ――。本人はそう考えていたが、いやおうなしに騒動に巻き込まれる生活が続いていく。バイク・喧嘩・裏攻略法・ヤクザ・友情……一筋縄ではいかない“もがく日々”を、射駒タケシが自伝的青春譚として描く!!

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―――では、本編をお楽しみください―――


大阪ストラグル第3部007話
「お兄ちゃんみたいに」

放課後になった。と言っても俺は昼休みに学校に来てるので1コマしか授業を受けていないが。昼休みに予定していた昼寝を俺に邪魔された坂井は、授業終わりの鐘が鳴っても机に突っ伏して寝たままだった。おもむろに坂井の頭をチョップして起こす。

「さっ、坂井、行こうや。昨日のホール」
坂井はグッと身体を伸ばし、「よっしゃ」と言って立ち上がった。

教室を出て駅へと向かう。すると後方からカッキンが追い付いてきた。
「タケシくん! ちょっとエエかな」
「なんやカッキン。まぁ構わへんけど」
昼休みに目撃したカッキンの様子を思い出した俺は、自分でも思いがけず素っ気ない態度になっていた。
足を止めずにそのまま歩く。カッキンも一緒になって歩き始めたが、何かを言い淀んでいるような雰囲気だった。
カッキンからの言葉を待ったが、何も出てこない。痺れを切らした俺は昨日も口にした疑問を再びぶつけてみた。
「カッキン、お前、グレるというか、なんでそんなんなったんや?」
少しぶっきら棒な口調になったな……と思ったが、まぁ無理もないかと思い直した。コイツの方が話があると寄って来たのだ。にもかかわらず、会話の糸口を俺に任せるのが悪い。
その気まずさをカッキンも感じていたのだろう、観念した様子で話し始めた。
「野球で……頼りにしていた推薦が取り消されてもうて、そこからどうでもよくなっただけやねん」

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