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大阪ストラグル第3部008話 「揉め事」

1988年・大阪。底辺校とも揶揄されるS工業高校へタケシは入学した。無為に流れる日々を慰めてくれるのはパチンコとパチスロだけ――。本人はそう考えていたが、いやおうなしに騒動に巻き込まれる生活が続いていく。バイク・喧嘩・裏攻略法・ヤクザ・友情……一筋縄ではいかない“もがく日々”を、射駒タケシが自伝的青春譚として描く!!

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―――では、本編をお楽しみください―――


大阪ストラグル第3部008話
「揉め事」


弁天町の駅を降り、昨日と同じ道を早足で歩いてホールへと向かう。

センチュリー21のシマへ真っすぐに歩き、目ぼしい台を選んで着席。坂井も俺の隣の台を陣取った。

打ち始めながら、坂井がニヤニヤして俺に話しかける。
「タケシ、もうエエやろ~カリカリすんなや」
一瞬、呆気に取られたが、すぐに気づいた。坂井は、俺がまだカッキンに対してイラついてる、というボケを繰り出してきたのだ。
「カリカリしてへんわ! チッ! ほんまアイツ…!!」
と一応、俺もノッておく。もちろんとっくにカッキンへのイラつきなど消えている。
坂井はコントにノッた俺の様子を見て、楽しそうに
「まぁまぁ! スカッとするために出そうや」
と笑いながら言った。
「ほんまや。クソ出しして焼肉でも行こうや」
センチュリー21、昨日出会ってすっかり魅了されたこの台を打って、勝って、美味い焼肉を食う――完璧なプランや。

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