見出し画像

無人島に持っていくべきではないモノ問題/文:松真ユウ


こんにちは。こちら松真ユウです。

「無人島に何か一つ持っていくとしたら何を持っていく?」

画像1

誰もが一度は聞いたことがあるであろうこの質問。

「普通に生きてたら無人島に行くことなんてねーよ」とか「万が一あったとしてなんで一つしか持っていけねーんだよ」とか、色々思うことはあるものの、皆さん一度はその答えを考えたことがあるんじゃないでしょうか。なんだかんだ言って、こういう無意味な妄想を巡らすのは楽しいものです。

この質問に対する、いわゆる「ベタな解答」も、議論され尽くされていますね。

たとえば、
ライター・サバイバルナイフ・TOKIO…など。

しかし、個人的には全然しっくりこない。っていうか、考えれば考えるほど分からない。やはり「一つだけ」という制約が厳しすぎるのかもしれない。上記のどれを持っていっても、生き残れる気がしない。ちなみにTOKIOは5人で一つだからルール上は問題ナシ……と、どうでもいいことを考えていたら、今はもう3人しかいないことを思い出した。なんかごめんなさい。

消去法で考えてみてはどうだろう。

昔、何かに迷った時は消去法が効果的だと誰か(たぶん自分)が言っていた。ウォーリーを探し出せない時は、ウォーリー以外から塗り潰していけばいい。わざわざウォーリーで例える必要性があったのかどうかは分からないけど、まぁ要するに、無人島に持っていくべきモノの正解を炙り出すためには……

無人島に持っていくべきではないモノを考えればいいハズです。

そんなワケで、今回のテーマは「無人島に絶対に持っていくべきではないもの」(Yahoo!で検索したら一件もヒットしなかった)。何かの手違いであなたが流罪に処された時は、是非ともこの記事を参考にしてください。


■無人島に持っていくべきではないモノ
①ヨギボー

画像2

そりゃそうでしょう。言うまでもないでしょう。なんてったって人をダメにすることでおなじみの存在ですから、ヨギボー。毎秒がサバイバルな無人島生活においては邪魔以外の何物でもないワケです。包み込まれてる場合じゃないんですよ。食料を確保したり雨風をしのぐ住居を確保したり、やることは山積みなのにヨギボーなんかあったら終わりです。全てが後回しになり、死にます。せめてもの救いは死ぬときに気持ちいい感じでいられることです。


■無人島に持っていくべきではないモノ
②リンス

画像3

のん気に髪のパサつきを抑えている場合じゃないんですよ。良い感じにツヤツヤになったところでどうせ周りに誰もいないんだから。っていうか、そもそもシャンプーないんだから。裕福な生活と対極にあるべき無人島生活にリンスみたいな贅沢品を持ち込むのは、美術館にヘソ出しルック(古い)で乗り込むようなもの。要するに不釣り合い。しかもなんか腹立つ。万が一あなたが無人島で死にかけたとして、近くをたまたま救助隊が通りかかったとして、あなたの髪が人一倍ツヤツヤだったらどうだろう。たぶん誰も助けてくれないでしょう。「アイツの髪…なんかサラサラしてんな…まだ余裕ありそうだから助けなくていいや」と素通りされちゃいます。リンスで守れるのはせいぜい枝毛まで。命を守りたい時にリンスは持っていくべきじゃないのです。

■無人島に持っていくべきではないモノ
③人生ゲーム

画像4

「一緒に遊ぶ相手がいないんだから当然でしょ」と思ったそこのアナタ、アナタは正しい。でも、「遊ぶ相手がいないから」だけが人生ゲームを無人島に持ち込むべきではない理由ではありません。無人島における人生ゲームが孕んでいるリスク、そこに全く気付けていないようでは鈍感といわざるをえません。そんなんじゃ持ち物どうこうの前に普通に死んじゃいますよ? 初日の朝にカラフルな鳥に眉間をつつかれて死にます。無人島に人生ゲームを持っていくべきではない最大の理由は、“たとえ一人”で遊んだとしても、現実人生とゲーム上での人生のギャップが大きすぎることにあります。ゲーム内で大金持ちになったところで実際は一文ナシだし、ゲーム内で結婚して子供ができたところで実際はひとりぼっちだし、逆に悪いイベントが起きて「1回休み」になっても誰もいない空間で黙って1ターン待たなければならないんですよ。要するに、無人島で人生ゲームをやると、本来なら気付く必要のなかった虚無感が界王拳100倍で精神をぶん殴ってくるんです。無人島生活自体が生きるか死ぬかの人生ゲームなんだから、わざわざ自分で自分を追い込む必要はないんです。わかったら、無人島に人生ゲームを持っていくなんて愚かな真似はやめてください。

■無人島に持っていくべきではないモノ
④知らないおじさんの写真

画像5

コレは持っていく価値ナシ…どころの騒ぎじゃないです。家族や恋人の写真ですらあんまりおすすめできないのに、知らないおじさんの写真なんて「百害あってさらに百害」ということわざが生まれてしまいそうになるくらいダメですよ。想像してみてください。過酷なサバイバル生活に疲れ果てて眠りに就こうとしたまさにその時、知らないおじさんの満面の笑みが霞みゆく視界に飛び込んでくるストレスを。もちろん今流行りの「イケオジ」とかじゃないですよ? この写真に写っているのは、世界中の人が「近くにいたら何故かちょっとテンションが下がるタイプ」の知らないおじさんですから。もし仮に、そのおじさんが「キュンです♡」みたいなポーズを決めていようもんなら、それに対する殺意が膨張して無人島サバイバル生活どころではありません。殺意に支配された無人島ライフなんて悲しすぎます。僕としては皆さんにもっと素敵な無人島ライフを送ってほしいんです。もちろん、知らないおじさんが無表情で突っ立っている写真だったとしても、言うまでもないですが、結果は同じです。無人島の美しい夜空に毎晩「ダカラダレヤネンッ!!!」と殺意のこもった叫び声をあげてしまうことでしょう。関西圏以外の方でも一言一句同じように叫びます。以上の理由で、「知らないおじさんの写真」は無人島に持っていくべきではないモノの筆頭と言えるでしょう。


■無人島に持っていくべきではないモノ
⑤透明人間になる薬

画像6

「そもそもそんな薬は存在しない」ですって? その通りです。ここでは、現実世界に実在しないモノすらも、無人島に持っていくべきか否かの対象に加えることで、その思考実験の強度を増そうとしているのです。いいから聞いてください。僕だって何を言ってるかよくわかってないんですから。とにかく、無人島に透明人間になる薬を持って行ってしまって、飲んでしまった場合に発生するデメリットを考えてみましょう。あ、メリットはないです。無人島にいるであろう凶暴な動物たちから身を守れるというメリットがあるだろ、って? それは考えが甘いと言わざるをえません。獣たちは大抵の場合、優秀な嗅覚を持ってるので、透明になったとしても…まぁ食べられちゃいますね。というワケで唯一思いつきそうなメリットもメリットたりえないワケです。対して、デメリットたるや甚大そのものです。まず、当然のことながら透明になるのは己の肉体のみなので、薬を飲んだら服を脱がないと透明になった意味がありません。そして、「せっかく透明になったんならちゃんと服を脱いで完全な透明体にならなきゃ」と思い込んでしまうのは人間の性(さが)です。つまり、暑い日差しや夜の冷え込みなどから体を守ってくれる衣服をも、透明人間になる薬を飲むことで捨て去ることになるのです。当然生き残る可能性は下がりますね。それに、そもそも論として、透明人間になるということ自体が「他の人間からの認識から外れたい」という欲望の具現であり、本薬のアイデンティティであるため、その用途から大きく逸脱した使用(この場合は無人島で使用すること)は倫理的にすべきではありません。薬を開発した博士の、無人島で使われていることを知った時の心情を思えばそんなことはできようはずもないですね。他にも、②のリンスと同様に救助隊から発見されなくなるというリスクや、爪が伸びた時に上手く爪が切れない……などなど、そのデメリットは数え上げたらきりがありません。そんなわけで、万が一、アナタが透明になれる薬を手に入れたとしても無人島には絶対に持っていかないでください。待ち受けるのは破滅のみです。(なお、「無人島に自分がいることでもはやココは無人ではなく有人だ。私は無人島を無人のままにしたという理念のもとにこの薬を飲む」といった類いのアナーキーな思想をお持ちの方もいるかもしれませんが、透明になったとしても存在がなくなったわけではないので、アナタの崇高な理念を達成させるには至りません、とだけ申し置きます)


さて、いかがだったでしょうか。

とりあえず今回は緊急度の高い5個の「持っていくべきではないモノ」を挙げてみました。これで万が一無人島に行くことになっても持ち物を間違える可能性が少なからず減ったことでしょう。最終的に最適解を導き出すためにはこの考察をあと400回くらい続けて外堀を完全に埋める必要がありますが、皆さんも僕と一緒に考えてみませんか。いつ流罪に処されてもいいように。この記事をきっかけに、普段の生活から「これは無人島に持っていってイイものかな?」と意識してもらえれば幸いです。


文:松真ユウ
ツイッターはコチラ→@matsu0215777

サポートして頂ければアジトの活動がより活発になること請け合いであります。もっと面白く、もっと高みへ…!!