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伊佐地弘基「足から全身を捉える重要性」

医療・健康予防の専門職に革新的リソースを供給し「健康」というキーワードで世界を1つにすることを掲げているのがHIPs株式会社です。
HIPs (ヒップス)は、Health&care Innovation Partnersの略称で、医療・予防健康業界における大臀筋(ヒップ)のような存在になるという意志が込められています。
様々な専門職が集まり、知識・技術・ノウハウを融合していくことで、医療・介護業界に新たな「上昇気流/UPDRAFT」が作り出せると考えています。
この考え方を追求した結果、HIPsでは優秀で個性あるスペシャリストの集団がひとつのValueを大切にし、各々のVisionに向かい日々活動しています。
今回はその一員である「伊佐地弘基さん」にインタビューをさせていただきました。
HIPsを通して伊佐地さんの「足から全身を捉える重要性」について覗いてみましょう。


理学療法士になったきっかけ

伊佐地:元々小学校から野球をやっていました。小学校の時に肘を痛めて、投げられなくなってしまいました。接骨院に通って、マッサージや電気治療を受けましたがその時は良くなった気がしても、いざ投げようとすると痛みが出て「いつになったら投げられるのだろう…」と不安に思いました。このような痛みを抱えて思い切ってスポーツに取り組めないのは問題ではないか、そして解決できる人はいないのかと思ったのが1つです。
もう1つは、祖母がずっと腰と膝が悪くて歩きにくくしているのをよく見ていました。それを「よくしてあげられないかな?」と感じたのがきっかけです。

川口:なるほど。なぜ理学療法士なのでしょうか。

伊佐地:人の体を診る仕事を探していました。高校2年生の頃、父に相談したら「理学療法士」という職業があると教えてもらいました。そこから自分で調べ、これだったら「スポーツ選手」や「ご高齢や体が不自由な方」にも関われる職種であると思ったからです。

足にこだわったきっかけ

伊佐地:専門学校に進学し、実習の中で患者さんを診て、股関節と足の関係に興味を持ちました。将来、足の勉強をしてみたいと思ったのがきっかけです。
スポーツのリハビリテーションに力を入れている病院に就職し、運動器疾患や内部疾患などの患者さんを診させてもらいながら足の勉強もスタートしました。また、「足の勉強会をしよう」と上司や先輩、同僚などと共に勉強会も行っていました。
また、1年目から入谷式足底板の「入谷誠先生」のことをお聞きし、インソールについても学び始め、入谷先生のセミナーや講習会にも積極的に参加していきました。

川口:足にこだわる理由として周りの環境もあったと思うのですが、自分の経験で肘についてはどう考えていましたか。

伊佐地:野球などの投球障害で来院される子供たちも多く、足だけではなく、「投球障害」についても同時学ばせてもらっていました。

川口:なるほど。その他にやられていることはありますか?

伊佐地:スポーツ現場での支援です。「アスリートケア」という団体に所属しており、高校野球のメディカルサポート(甲子園大会健康支援事業)として、ベンチ裏で選手のサポートをする活動を1年目から行っています。

川口:凄いですね!1年目から様々な経験ができていて。

伊佐地:本当ですよね。いい職場に就職でき、恩師や上司、同僚にめぐり逢えたことが今の私の礎になっていると感じます。

インソールについて

伊佐地:簡単に言えば、靴の「中敷き」です。足は身体の土台を担っていて、足裏で地面の状態を感知し、全身のバランスを調整するための姿勢制御機能に大きく貢献しています。足が変わると姿勢が変わり、歩き方も変わります。例えば、膝に痛みがあれば、その痛みの原因となっている動きを把握し、膝に痛みが出ないような姿勢や動きにするためのインソールを作製します。インソールには、アーチ(凹凸)があるので、その人に必要な動きを促通するためだったり、や悪い動きが出ないようにするためのアーチ形状をきっちり評価にて分析を行った上でインソールを削っています。

川口:素材はどういったものでしょうか。

伊佐地:ゴムみたいなものです。柔らかいものと少し硬いものの2種類があります。

川口:職人みたいですね笑。

伊佐地:そうそう!よく言われます笑。職人的な技術職みたいですよね。人の身体を診て、痛みを軽減させるためには、悪い動きを変化させ、適切な良い動きへと変えていかないと問題の本質は変わりません。私の場合、足(インソール)で100点満点を取るわけではないです。例えば、足で50点、体幹機能で30点、その他20点でトータル100点にすることもあります。人の身体機能とその問題点は個々によって異なり、まったく同じ人はいません。だから、インソールだけではなく、体のケアやトレーニングも併せて行い、多角的な視点から問題を改善するよう取り組んでいます。

川口:身体要因だけではなくて、環境要因も含めて治していく感じですね。

伊佐地:そうですね。だからインソールで身体の土台としての足の機能を変えることで全身を変えることが大切なんです。すごく難しいんですけど、足の可能性はとても奥深いので知れば知るほど面白くていつも悩んでいますよ。

独立したきっかけ

16年間勤めた病院での仕事は、とてもやりがいがありました。でも1つ気になっていたのが、インソールを作製する機会が少なかったことです。勉強をしていてもなかなか病院で作製する機会や時間を作ることができませんでした。自分が理学療法士として本当にやっていきたいことはなんなのか、今の環境のままで満足なのか、このままの自分でいいのかなどを思うことが増えてきました。
当たり前のことですが、病院は悪くなった人が来る場所です。インソールは、治療のためのツールとしてもちろんいいですし、独立した現在も痛みなどで困っているクライアントさんが来られます。でも、症状が悪化して手術などの治療的な介入が必要になる前にそれらを「予防」することがとても重要なのではと考え始めました。症状が悪化する前に行う「障害予防」ができれば、痛みなどの問題によって「勿体無い時間」を過ごすことが減り、早め早めの対処ができれば早期改善にもつながり、より豊かな生活やスポーツ活動ができるのではないかと思いました。これらから17年目に独立しようと決意し、行動を起こしました。

独立して今思うこと

独立して思うのは、いろいろな方面でコミュニティが拡がったことです。それによって、多くの方と知り合うことができ、多くのお困りの方から問い合わせをいただくようになり、病院での活動もとても貴重な経験でしたが、更に活動範囲が拡がったことは間違いないです。独立した今、本当にいろいろな方から相談をいただき、有難いと思います。しかし、その分大きな重圧や責任感も感じることができています。悩みは十人十色です。そんなお困りの方々に自分の存在を知ってもらい、自分が持っている技術を提供し、満足してもらえるような結果を出すことが最大の目標です。日々、クライアントさんのお悩みにお応えできるよう最善を尽くして取り組んでいるので、甘えや気持ちの緩みは許されません。そのような気持ちでクライアントさんと向き合って活動し続けることができている今はとても独立して良かったと思います。

クライアントさんと関わる上で配慮していること

「話を聞くこと」それが1番大事です。やはり対、人として、クライアントさんあっての自分です。病院にいたとき(経験の浅い頃)は、リハビリテーションを受けられる患者さんは次々来られていたため、「集客」の観点は全く考えたことがありませんでした。今思うと病院や保険に「守ってもらっていた環境」であったとも考えられます。その分、どこかで甘えが出てしまっていたこともあったと思います。
でも、独立したことですべてを1人でやっていて、守られている環境ではなくなった今、安心感はまったくありません。クライアントさんが私を選んで、私に人生を賭けようと勇気をもって連絡をしてくれているはずです。そのお気持ちは私にとってとても重いものですが、その想いに応えたい、だからこそ毎回毎回が私にとって勝負であり、最大限のサービスを提供しないといけません。そのサービス提供に絶対的に欠かせないものが「コミュニケーション」です。話を聞いていく中でクライアントさんの心と身体の状態を察知し、寄り添うことが必要です。そういうスタンスが大事かなと思います。ですが、ときに厳しく言わないといけない場合もありますが、そこは信頼関係ができてはじめて言えることだと思います。クライアントさんのために必要なことがなんであるのかを常に感じて考え伝えるようにしています。

HIPsに加盟した理由

伊佐地:オンライン師匠にお誘いいただいたのがきっかけです。コロナウイルスによってさまざまな面で大きく変化したこともあり、対面だけでなく、オンラインなどいろいろな形でのアウトプット方法を模索していました。学びを求めている方々のために私の持っているものが必要であるのであればと思い、参加させてもらいました。

川口:お誘いがきっかけだったということですね。

伊佐地:そうですね。知っている理学療法士からのお誘いでした。全く知らない人からだったら断っていましたね笑。
コロナウイルスが落ち着いて対面の勉強会をやるとなった際、「この人に会ってみたい」や「この人の話を聞きたい」と思ってもらえたらありがたいことですしね。必要であれば自分が持っているものをなるべく多く伝えたいですし、受講者が診ている患者さんが良くなるのなら1番良いことです。間接的ではありますが、患者さんが良くなるのならこれ以上のことはないと思います。

HIPsの魅力

最先端のこと、新しいことをやろうとしていると感じます。そういうバイタリティーや先を見据えて取り組んでいることが私の専門分野外なので凄いなと思います。HIPsを通じていろんな人と繋がっていければいいなと思っています。

今後の目標

自分がこの社会に必要とされる人材であり続けることが1つです。求められ続けられるには、結果を出し続けていかないといけないです。インソールを作るにしても、体のケアをする人にしても「この人だったら任せられる!」と思ってもらえる理学療法士に自分を成長させたいですし、自分をどこまで成長させられるかが楽しみです。
あとは、家族が笑って元気に過ごせればいいですね。家族が私の仕事を理解してくれているお陰で働けていると感じています。
なので、2つの柱を大切にしていきたいですね。「家族」と「クライアントさん」。そして、そこに私が居続けられるといいですよね。大変なことも多くある世の中ですが、仕事は楽しまないと続かないですよね。でも、楽しいことだけでは面白みがないです。辛く苦しいこともある中で、自分の仕事にやりがいを見出し、とにかく「世のため人のため」に自分が何を提供できるかを突き詰めていきたいです。結果、それが社会貢献となれば嬉しく思います。

========================================================■ HIPs株式会社 (HIPs Inc.)
“医療・健康予防の専門職に革新的リソースを供給し、「健康」というキーワードで世界を1つにする”HIPs(ヒップス)はHealth&care Innovation Partnersの略称であり、ヘルスケア業界のヒト・モノ・カネ・チエ、スキルの流動性を高め、病気で苦しまない世界を目指します。
またそのために、医療健康の世界に新たなエコシステムを実現し、リスクマネーを投下できるファンド運用、医療健康従事者(ヒト)の流動性の向上、再現性の追求(データによるサジェスト)を実施します。医療健康業界における様々な状況で立ち塞がる 法人 & 個人 の課題やイノベーションを“まるで身体を支える大臀筋(ヒップ)“のように 医療健康スポーツにまつわる専門家の集合知によって支援する「ヘルスケア領域専門プラットフォーム」です。
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