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トップガンと猫パンの君

前回の”姓名判断の君”とは、”先日はありがとう…”のお礼のメールラリーを交わしたのみで終わった。
数週間して連絡が来たと思ったら、定型文の【お見合いパーティーのお誘い】という営業メールか、定型文でない場合も、お見合いパーティーの集客に毎度困っているから、友達を呼んで参加してほしいというお願いメールであった。
毎度のように届くので、集客依頼ももはや定型文だった。
定型文でも一応返信をしていたのだが、一方的な通信になったため 南無

”姓名判断の君”の記事はこちら↓


婚活アプリ沼

姓名判断の君から、例の”片山”にこころ惑わされながらも、日々冷静さを取り戻し、マッチングアプリの沼にふたたびハマる。
マッチングとミスマッチングを沼の中で繰り返しながらもがき苦しむ現実。
毎日どれだけメッセージを交わして身近に感じられるようになっても、急にメッセージがこなくなったり、ブロックされたり。
そもそもまだ現実に会ってもいないのに、メッセージに振り回されながら心もすり減り、ちぎれそうになる。
そして、こんな経験必要なのか?自分を傷つけているだけで時間の無駄ではないか?と疑問を持ちながらも沼から抜けられない。

相手を好きになるとか愛するとかいう感情論の前に、人はさみしい生きものなんだなと改めて思った。
そして人の依存というものは恐ろしい。
自分では気がつかなかったほんの小さな隙間を少しづつ少しづつ埋めていき、その全てを支配していく。
朝起きて入沼、お昼休憩にも入沼、寝る前も入沼。
そしてスマホの光刺激を受け、体内時計を調節しているメラトニンの分泌が低下することによる睡眠障害が引き起こされるという始末。
それでも、もはや婚活アプリのない毎日が考えられない程に依存していく。
まぁ、人が依存しないサービスは世の中では成り立たないとも言えるのだが。
婚活に関してはそろそろ、もう少しだけ人的コストや時間をかけてより良いサービスが成立するような気がする。

顔出しない人はOK?

マッチングアプリでは、”顔出しをしている=真剣婚活”という世の婚活事情により、当初は顔出しの方だけを絞っていたが、その中でも詐欺サイトに誘導されそうになったり、いわゆる”ヤリ目”もたくさんいた。
巧妙な手口ではなく、完全に変な日本語での会話や、朝から晩まで性の話しかしない非常にわかりやすい詐欺師とやり目だったため、即ブロックで事なきを得た。

架空の人物写真を使った詐欺や、暇つぶし目的がいることを身をもって知ったわたしは、顔出しをしていない人の中でも、真剣な人もいるはずと視野を広げてみた。
その中で、”マッチング後に交換します!”は、大概マッチングしても写真を送ってこない謎の人物が多く、加工で部分的に塗りつぶしている人は、大体塗りつぶし方が恐いため、嫌悪感が生まれてしまう。
最近では、光で顔をぼやかす加工が清潔感があり、神々しく感じられるため顔出ししたくない方にはおすすめである。
そして、マスクはどうか。
完全にコロナ渦でもあり、マスクこそスタンダードの時代になっていた当時。
しかし、マスクこそ勝手にお相手の顔を自分の良い方に想像して、身勝手に幻滅するパターンが、なきにしもあらず…
と、いつものようにウダウダ考えつつ、いつも自分の中の切り込み隊長が出てきて、とりあえずポチっといざマッチング!

トップガンのSHF

マッチングしたマスクのお相手は5つほど年上のお相手。
メッセージでの会話はおとなしい印象で、カフェ巡りやパン屋巡りが趣味など、どちらかというとこちらに迎合しているのかな?と思わせるラリーが続き、いつまで経ってもお相手の人柄が厚いベールに包まれているような感じで、少し落ち着かなかった。

それが、お互いの趣味の話になってから、初めてお相手が”映画”に強い意思と、熱のこもったメッセージに変わった。
「トップガンはお好きですか?」
見た気もするが、あまり印象にも残ってもいなかった。
そこから、トップガンについてのプレゼンがとにかくすごかった。
そう、お相手はトップガンのSHF(スーパーハードファン)であったのだ。
トップガンの次回作が来年公開になることで、さらに興奮の渦に包まれているようであった。
好きなことというのはこんなにも人を輝かせるのだなと少し感動しつつも、正直なところそこまで興味は湧かなかった。
お相手は人が変わったような熱いテンションのままの勢いで、お茶に誘ってくれた。

はじめての衝撃事件

駅地下のカフェで待ち合わせ。
いつもの緊張の瞬間である。
結論から言うと、わたし史上はじめての衝撃事件で、これをきっかけにマッチングアプリを退会することになる出逢いであった。

今ではあまり珍しくもなく、経験された方も多いかもしれないが、マッチングアプリに載っているマスク写真のお相手の面影がまったくない方に声をかけられたのだ。
呼ばれる名前も間違いない、しかし本当にこのお相手とメッセージをしていたのか...?
初めて経験するマッチングアプリの恐怖におののきながらも頑張って会話を続けたが、30分程で限界に達した。

本当に終始、身の毛のよだつ思いであった。
写真の面影がないだけでこんなにも恐怖に包まれるのかと自分自身でも驚いた。
本当にこの人なのだろうか...?
そればかりがずっと頭を駆け巡る。

帰り際、お相手が抱えていた大きなスポーツバッグから2つの紙袋を取り出し、わたしに差し出した。
1秒でも早く立ち去りたい恐怖に駆られていたわたしは一度断ったが、お相手は約束のトップガンのDVDと今日のお礼の気持ちだからと。
トップガン...!?

家についてからトップガンの魅力についての説明文とDVD、猫パンのカタチをした食パンを確認。
トップガンのDVDをもらう約束などした覚えはなかったが、説明文を読んだ時にようやくトップガンSHFのお相手で間違いないと認識できホッとした。
しかし、トップガンの内容と甘々な可愛らしい猫パンのギャップに萌えることは..なかった。

もしも、写真と同じ面影を持ったお相手が来ていたら結果は違ったのであろうか。
いや、そもそも会うことになっていない可能性もあるし、恐怖心こそ抱くことはないものの、結果的には同じであったかもしれない

結婚相手は顔で選ぶものではない。
しかし、人間は動物であり本能がある。
DNA的な相性をかぎ分ける視覚、嗅覚など人間の持つ”第六感”をわたしは信じている。その中に顔や表情も含まれると思う。
この年齢で婚活していると、よく知らない人や親戚から挨拶変わりに言われる”耳タコワード”

  1. 理想が高いから..結婚できない

  2. プライドが高いから..結婚できない

もう否定もしなくなったが、”未婚男性は自分の意志であるが、未婚の女性はかわいそう”なのである。
女性が自分の意志で選択していると思われることは皆無である。
自由なNEW時代になっても、根深い”大奥の時代”
”世継ぎを生む”という動物の本能がそうさせるのか…?
性を「男」「女」に分けて、婚姻関係も「男」「女」でしか結べないのも”世継ぎ”の理由以外に考えられない現実である。
そして”離婚”だけは”結婚”と逆の世論という摩訶不思議ニッポン!
”世継ぎ問題”が解消すれば多様性の時代は一気に加速するやもしれぬ。

"トップガンと猫パンの君"との出逢いに感謝 南無
次回をお楽しみに!

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