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目的地に辿り着けない君

前回の遠征婚活パーティーから、いくつか遠征チャレンジしてみたが、やはり繋がりからの紹介ならまだしも、婚活パーティーの出逢いからの遠距離は厳しい。
運命的な出逢いを描いたドラマでもあるまいし、現実的には近くで会いたい時に無理なく会えることが何よりも大切だ。
「遠くの一番より近くの二番」恋愛ではよく言われているが、婚活パーティーの出逢いでは”近くの二番はあっという間に近くの一番になれる”のだ。
実際に、"パパラッチになった君"も1年後には、LINEのアイコンが3人の家族写真に変わっていた。
わたしとの出逢いからの出来事は、今でいう1日限りの「推し活」みたいなものであったと思うことにしよう。

パパラッチの君のお話はこちら↓

マッチングアプリ

遠征婚活パーティーを続けても上手くいかないだろう、かと言ってまた地元の婚活パーティーで、"極めて小さな殿たち"にまた遭遇する不安も拭えない。
そんな頃、ちょうど社内の君が結婚を発表した。
"共通の知人を通じて〜"
というよくある馴れ初めだった。
しかし後日談、その本当の出逢いは"マッチングアプリ"だった。
今では当たり前になってきているが、当時では公言することも憚られた時代。
まぁ、"マッチングアプリ"を"知人"にしてしまえば、嘘をついたことにもならないか。

そんなことより、わたしは"マッチングアプリで本当に結婚できるんだ!"シンプルに感動した。
これは、なんというドリームだ!!
社内の君がわたしに輝く希望の光を与えてくれた。
マッチングアプリでは、サクラだの文句言われることもなく、マッチングさえ叶えば話したい人とだけ話せる。会いたい人だけに会える。
ボサボサの頭でも、浮腫んだ顔でも、好きな時好きな時間に、恋愛や結婚を意識したコミュニケーションを取れるなんてサイコーではないか。
そうしてわたしは、コスパとタイパの婚活沼へハマっていった。

マッチング成立

登録した途端に、"いいね"がたくさん届いた。
こんなにモテるのか?と勘違いしたのも束の間、お会いした方からの情報をまとめていくと、とにかくマッチングしないから"いいね"を送りまくる。送って送っても成立することがほとんどない。
課金登録しているだけに、なんでもいいから回収したい。それはそうだ。
もしくは"いいね"をもらっている数が、その方の市場価値ゆえ、"いいね"の数を増やすための巡礼。ご苦労なことだ。
全てではないと願いたいが、そんなレベル感の"いいね"であったことを知った。なるほど。

そんな中、作業服を着たいかにも人柄の良さそうな陽だまりのような笑顔の方が現れた。
作業服を着て、会社名がわかってしまうのでは?ということも全く気にしていない感じがまた好印象であったためマッチングを成立させた。
製造業の方かと思っていたが、部品を納めるトラックの運転手で、働く時間が不規則なこともあり、なかなかご縁に恵まれずにいたとのこと。
実際に会ってみないとわからないため、1週間ほどやり取りを続けて、食事をすることになった。

はじめての対面

初対面当日。現地集合できる場所でランチをすることに。
お相手は写真通りの気さくなあたたかい印象そのままであった。
ただ、とにかくお相手は声が大きかった。
何かにつけて「マッチングアプリが〜」「マッチングアプリで〜」と話すので、当時マイノリティな"マッチングアプリで出逢った二人"は、ちょっとした見世物状態になっていた。
そんなことすら気がついていないお相手に、一瞬まばたきすることを忘れたが、"おおらかで純朴な方"なんだ。
また近いうちお会いしましょうとLINEを交換して、その日は別れた。

2回目のデート

”ファミレスの優待券を会社でもらった”というお相手からのお誘いでランチに行くことに。
初めてお相手の自慢の新車に乗ることになったこの日。
トラックの運転手であり、身体も大きいという勝手な偏見から普通車を想像していたが、トーマス列車のようにポッポーっと、かわいらしい軽自動車にすし詰めの状態でやってきた。
車ってその人をあらわすものだなぁと、常々感じる。だからどうなんだと言われれば、そうなんだぁ。くらいで特別どうということもないのだが、、
マッチングアプリで自慢の愛車を、ドン!と載せているお相手とは相性が合わないのではないか、、ということは何故だかいつも感じてしまう。

ファミレスに到着。駐車場も空いている!良かった!
その瞬間、お相手が急変した。
そわそわ落ち着かないようなそんな様子。
え?テンパってる?駐車が苦手?
"運転変わろうか?"
わたしの悪いせっかちが踊り出そうになった。いかんいかん。
お相手は慎重に慎重に何度も切り替え、バックの際は扉を開けて後方も入念にチェックしながら、時間をかけてやっとこさっとこ駐車した。
一抹の不安が急にわたしを襲ったが、とにかく慎重な方なんだと思うようにした。
乱暴な危険運転をされるよりは良いではないか。

ランチのあとは服を見に行こうということになり、カーナビで最寄りにあった古着屋さんを設定。
念のためGoogleマップもスマホで開き、アシストしながら向かった。
話に夢中になって、曲がる角を間違えることはよくあるが、カーナビの案内に集中しながらも、曲がるところで曲がれない。
目の前の目的地が近くなったり、遠くなったりしながら、永遠に辿り着けない。
カーナビで算出されたファミレスからの所要時間15分を大幅に超えた35分で到着。
"運転おつかれさまでした"
こんなことも、いつかは良い笑い話になるだろう...。

その後のデート

3回目のデートは、少し遠出のドライブ。
前回のことを踏まえ、ランチの予約時間は1時間ほど余裕を持って予約。
さすがに到着できるだろうと思った。
が、それが、、甘かった。
余裕を持たせたがゆえ、カーナビを無視して突然寄り道暴走をはじめたのだ。
そして寄り道の場所への道も迷い、辿り着けないまま目的地を本来の設定に戻すことに。
案の定、予約変更の電話をすることになったわたし。
予約制の人気店。週末の忙しい時間にずらすことができるのか。
いい加減笑えなかったが、お店の方の神対応によりランチにはありつけた。
これもいい想い出になるといい...。

4回目は夕食デート
お相手が昔よく通っていたというおすすめのお店へ。
お互いお酒は飲めない。
今回もお相手の車で目的地へ向かった。
カーナビなんて設定しなくとも、辿り着ける馴染みのお店だ。
待ち合わせ場所から5分もしないで到着できる場所とのこと。
カーナビ設定も必要ないとのことであったが、馴染みの店だ。
安心して車に乗った。

5分後、「あっ、通り過ぎた!」
え?
そこからまた迷路に迷い込むことになった。
まさか...また辿り着けない??
そして馴染みのお店の前を通り過ぎたのは1度だけでなく、2度までも。
わたしは永遠に抜け出せない迷路に巻き込まれた気がした。

人生はドライブだ。道に迷うこともあれば、間違うことも当然ある。
このお相手は、おそらく危険運転はしないだろう。
しかし、感じてしまったのは、いつもお相手だけの”ひとりドライブ”であったということ。
周囲のアドバイスを聞いているようで聞かない。
ゆえに迷ったり、間違えることが日常化してしまう可能性はこれからも否めない。
そうなると、自分を守るためにお相手を信頼したり、期待したりすることができなくなってしまうだろう。
もう既に、どこかに出かけることの楽しみより不安がつきまとう。
恋愛も結婚も一人ではできないものだと改めて学んだ。
”ひとりドライバーにご用心”

"運転おつかれさまでした"
目的地に辿り着けない君との出逢いに感謝 南無

次回をお楽しみに!












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