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総合内科専門医試験⭐︎対策のキホン⭐︎
総合内科専門医試験受験を振り返ってみて大切だと感じたことや自身の反省を元に、試験対策について私の考えを書いていきたいと思う。
今回は、具体的な勉強方法などの話に入る前に、勉強を始める前にしておくと良いこと、について(^_-)
まず最初にすること。
それは情報収集と自己分析をもとに、戦略を練ること。
無駄な遠回りをしないよう、やみくもに勉強を始めるのではなく、何を使ってどのようなスケジュールで勉強を進めていくかを、早めにあらかた決めておくのがgood(`・ω・´)
① 情報収集
毎日忙しいと、少ない情報を元に「とりあえず何か始めないと!」とつい見切り発車で勉強を始めがちである。そして、試験が近づいてくる頃になって突然色々な情報が入って来るようになり、「早くそれを知っていれば…」というのはあるあるパターンの1つである。
そもそも、情報の集め方から間違っている場合がある。私のような認定医世代は、国試や認定医試験の時に5ちゃんねるから情報を得ていたことから、今も5ちゃんねるが情報源だと勘違いしている場合がある。今は5ちゃんねるではなく、Xやnote、ブログ、LINEの勉強会に入るなどして情報をゲットする。
周りに受験経験者がいれば、使った教材や勉強方法を直接聞くことができるが、併せてnote・ブログ・Xなどでも合格(or不合格)体験記やコメントを読むと良い。大体みんなが何を使って、どんな風に勉強を進めたか、それらの情報を参考にして、ある程度使う教材を絞り込む。
注意した方が良いのは、試験勉強を始める時期や具体的な勉強方法に関しては、自分の頭のレベルや勉強スタイル、生活パターンと似通っている(と思われる)人の意見や方法をなるべく参考にした方が良いということ。
例えばSNS上でつぶやく先生方は、優秀な先生方が多い。
"教材xは簡単で余裕、すぐ解き終わってしまう"
"教材yは◯日(短期間)で終わった or 何周した"
"所詮6割取れれば大丈夫なのでこの時期(結構ギリ)からの勉強開始でok"
など、知識のベースがしっかりある上に、要領も記憶力も良いと思われる先生方や、
"1年以上前から少しずつ準備を始め、教材はAとBとCとDとEと…を◯月までにやったが心配"
"教材はAとBとCとDとを1ヶ月前までにはウン周も繰り返したが、まだ不安"
など、用意周到に量をこなす努力の鬼のような優等生タイプの先生方など、様々なタイプの優秀な先生方がSNSにコメントを落としては、私のような凡医達を震え上がらせる。
それらを良い刺激にして勉強を進めるのはOKなのだが、凡医の先生方はあまり踊らされないように。その人に合っている勉強方法やペースがあなたに合っているとは限らない。医者は自己顕示意欲が強かったり、プライドが高い人も多いので、多少話を盛っている可能性だってある。何を読んでも、自分の勉強が遅れていると感じていても、自分を信じて最後まで全力で突っ走るのが大事。
試験勉強は所詮、試験の情報や試験資料を集めて、やると決めた分量を予定期間内にこなしながら知識を頭に叩き込んでいく作業に過ぎない。時間は限られているため、努力の方向性を間違わないようにしなければならない。
繰り返しになるが、
・試験対策には何を使うか
・その教材をどのように使うのが有効か
についての情報は重要だと思う。
教材をどのように使うか、と言われてもピンときにくいかもしれないが、例えばクエバンオンラインはやや細かすぎたりマニアックな部分があるので、クエバンオンラインそのものを徹底的に解き込むというより、クエバンオンラインの問題・解答を記憶の足がかりとして、そこで扱われている疾患についての周辺知識を、過去問の傾向に沿って固めていくのが良い、といった具合である。私なりのオススメの教材の使い方やレビューについては、後日改めてまとめたいと思う。
② 自己分析
自己分析は、勉強のスケジュールを考える際に必要不可欠だ。例えばいつから勉強を始めるべきかというのは個人差が大きく、自己分析が重要となる。自分はいつも試験のときに周りと比べて勉強のペースが速い方だったのか遅い方だったのか、知識のベースが現時点でどの程度あるのか、老化で記憶力が落ちていないか、予定外のハプニングが頻繁に起き得る環境なのか(子育て中など)、日頃の仕事の忙しさ、等々を勘案し、色々なタイプの人の受験体験談や体験記を参考にしながら勉強開始時期やスケジュールを決めていくのが良いのではないかと思う。
総合内科専門医試験の分析で定評のある、ケアネットの長門先生が目安とされている必要なtotal勉強時間は100〜120時間で、勉強できない日がありながらも2〜3時間/日勉強すると仮定するなら、ゴールデンウィーク明けあたりからの開始が1つの目安のようではある。(詳しくは日経メディカル掲載の、長門先生による2024年度総合内科専門医試験の振り返りの記事を参照)
内科学会の出している、"認定医内科医試験・総合内科専門医試験 過去問題集2"を解いてみてわからない問題が多い人や、試験勉強に助走期間が長く必要なタイプ(気が散りやすい人)、要領が良くないという自覚のある人は、より早めを意識した方が良いと思う。(⇦まさに私)
ちなみに私は、2月から1日数分間のチョロ勉から始め、隙間時間の勉強時間を徐々に増やしていき、7月から本腰を入れて勉強を始めたが、直前1ヶ月は「終わらんやんか!覚えてないことまだワンサカあるんやけど!!!」と発狂寸前・毎日極限の睡眠時間で過ごす大変な日々となってしまった。私と似たタイプの先生は、一刻も早く勉強を始めることをおススメする。
③ 覚え方は自分の勝ちパターンで
受験体験記などを読んで、他の人の勉強方法を参考にするのは構わないが、何でもかんでもマネをする必要はない。知識を頭に定着させる方法、つまり覚え方というのは、自分がこれまでやってきた方法が結局一番自分に合っていると感じる。これは当たり前といえば当たり前なのだが、総合内科専門医試験の網羅する試験範囲や勉強量の多さに自身も自信も見失ってしまい、合格者の推奨する勉強法(記憶方法)こそが効率が良いのではないかと錯覚に陥ることがある。
ノートを作る、暗記用の単語帳を作る、アプリを使う、問題集に調べた周辺知識を付箋で貼り付けていく、など、覚え方は人それぞれだ。一見効率が良さそうに見える方法も、結果的には自分自身が長年続けてきた慣れた方法には叶わない。
今これを読んでおられる先生方は、医学部6年間・国試・認定医・その他の専門医試験で、どんな風に勉強した時に一発で合格出来ていただろうか。ご自身がこれまで幾度となく繰り返してきた合格パターンこそが、おそらく先生に合っている勉強法(記憶方法)だ。今まで勝つのが当たり前だった先生はおそらく大丈夫。自分の感覚、方法を信じて、ゲットした情報と絡めながら自分の勝ちパターンを再現すればイケるだろう。毎回必ずしも一発合格ではなかった先生方も、結果的には幾度もの合格を乗り越えて今がある訳なので、自分が上手く行った時とそうでなかった時のパターンを分析して、上手くいった時のパターンを再現するようにしたら良いと思う。教材の選び方や、有効な教材の使い方は経験者談を大いに参考にした方が良いが、知識を頭に詰め込む方法に関しては、これまでの自身の勝ちパターンの再現が最良だと私は考える。他人の勉強方法なんて所詮マネしにくく、私も学生時代からの勝ちパターンを再現することで合格した。
④ これを書いている泥女医のスペックとは
①情報収集のところで、自分と似ている(と思われる)タイプの人の受験体験記を参考にすると良いと書いたが、そもそも私はどんな人なのか?というのを参考までに書いておこうと思う。
私は合格者の受験体験記を読む時、この人はどの程度のレベルの人なのか?結局得点率は?ということが気になっていた。私のような凡才が、ハイパー頭脳の人が上手くいった方法をマネしても上手くいかないだろうし、最初から合格ギリギリラインを攻める方法をマネするのも怖いと思っていた。
参考までに私のスペックはこんな感じ。
・独身
・ドロッポのため専門分野なし、当直もオンコールもなし
・認定内科医からの措置的受験組
・地方国立大卒、いわゆる天才型ではなく努力型の頭脳
・要領が良い方ではなく回り道多め、直前まで馬力が出ず準備がギリギリになりがち
・試験直前期は常に徹夜で乗り切る
・医学部の試験は基本的に全て本試で合格し、国試や今回の総合内科専門医試験などの大きな試験も一発で合格
→ただし、毎回成績は全国平均ちょうどorちょっとマシくらいの、ザ アベレージ医
ちなみに総合内科専門医試験の勉強を始めた頃の私は、
・内科学会出版の過去問題集2の1周目は、あまりの分からなさにショックを受け、◯ツケせずに答えをすぐ見ていた
・ドロッポのため、ハイパー病院や精鋭の先生方から離れて久しく、医学の進歩から取り残されていた
・わからないことが多すぎて、苦痛のあまり、最初は1日数分しか勉強出来なかった
・5ちゃんねるから試験に関する情報を得ようとしていた
さらに、
・試験1ヶ月前まで、公式過去問題集以外の過去問復元(メモレベルではないもの)が存在していることを知らなかった
という、どうしようもない状態であった。
一応働いているとはいえ、当直もオンコールもなく、子育てもしておらず、独身ドロッポという身分は試験勉強には有利だったと思う。ただ、問題集の類だけでは対策しにくい部分もあるため、実臨床経験が少ないこと、あとは専門分野がないという点はハンデだったかもしれない(自身の専門分野はそんなに勉強しなくても高得点をとれる場合が多いから)。医局もとっくに辞めており、周囲に受験予定者は誰もおらず、直接入ってくる情報は少なかった。SNSの情報にどれだけ助けられたか分からない。
受験するのはやっぱり来年にしようかと、試験の1週間くらい前まで悩んでいた。
それでも、ラッキーなことに合格できた。
高得点ではないが、ギリギリ合格というわけでもなく、物忘れの激しいポンコツにしては上出来だ。
きっと、頭脳明晰で要領の良い先生方、昔からハイパー頭脳をお持ちの優秀な先生方、高得点が当たり前の先生方にとっては、このブログはあまり役に立たないだろうと思う(笑)。それでも、色んなレベルの人の体験記や意見があった方が参考になるはずなので、次回以降も色々書くつもりである。