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映し鏡

somnolenceがopenして現在3年目。ちゃんと話したことがなかったので、今さらですがお店について話してみようと思います。

お店を持つという立場になっても、これといった信念や理念は持っていません。

そういうものを掲げてしまうと、その状態を保つ為に何かをしたりしなかったりしそうで、何をしているのか自分でもわからなくなりそうなので。

そもそも好きなことをしてるわけだから、好きなようにやれる自然な状態でさえ在れば、自ずとお店の輪郭が象られて色も滲み出すだろうし、

その純粋な部分に魅力を感じてくれるお客さんとの関わりによって成り立つ綺麗な世界こそが、お店を持つ人間として創りながら守るべきものだと思っています。

だから自分の好きに対して素直に従順に、なるべく不純物が混ざらぬように、自分の心を見通すようなスタンスで古着と日々戯れています。

そんなスタンスが生まれるきっかけになるのは、ファッションだけでなく身の回りに在る全てのものが対象になっていて。

例えば…

水面みたいなタイル
奇妙な古マンション
愛妻弁当
入口の曲線
行きつけの山

こういう身近な好きなものから古着への着想を得ることがあれば、偶然が重なって予期せぬ辻褄が合うこともあったり。

その度に自分を中心に巻き起こる全ての出来事が愛おしく思えて、好きなことを好きなようにやれている今に、嬉しさや楽しさを感じています。

こういった成り立ちでsomnolenceに並ぶ古着は、言うなれば映し鏡として僕の好きを反映してくれていますが、映し出されるものはきっと人それぞれ違うはず。

そこに映し出される皆さんは、一体どんな姿をしているんだろう。

そこに辿り着くまでの過程に生まれる純粋な喜びや自然な驚きをsomnolenceで味わうことで、綺麗な世界が綺麗で在り続けられるかもしれないと信じています。

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