文面ラップ、ネットライムにおける韻の種類と定義
TikTokなどを通してバトルキッズやバトルに興味を持つ人が増え始めている今日各界隈において低年齢化、低次元化が著しく進んでいる。
文面ラップ(笑)は約6年、ネットライム(笑)は約20年弱の歴史のある文化でありその文化に触れた人は数多く(?)いることだろう。
その文化を守るべくまずは界隈の中でも意見が割れる押韻法についてはっきりさせようと思う。
韻について
今回は韻についてだらだらと語っていこうと思う。
「頭韻・・・文章の初めに韻を持ってくる押韻法」
「脚韻・・・文章の結びに韻を持ってくる押韻法」
上にあげたものは一般的な押韻法で90%の韻がどちらかに当てはまる
脚韻の方が印象付けやすく簡単なので基本は脚韻を使う人がほとんどだ。
韻の種類
次に韻の種類について書いていこうと思う。
完踏み
完踏みとは音の外しいわゆる踏み外しが無い韻のことを言う。踏み外しが無く韻にとって一番理想的な形と言えるだろう。
フロー韻
フロー韻とは踏んでいるように聞こえるという、今でいうと語感踏みと同じ原理である。完踏みとは全く別の踏み方であるが確立されたスタイル故にかっこいい踏み外しというのも存在する。ただそれはごく稀にしか産まれない為やはり完踏みを目指すのが手っ取り早い。
全踏み
全踏みとは上にあげた頭韻、脚韻のどちらにも当てはまらない全体の5%程の押韻法である。全踏みとはその名の通り全ての文章を韻で構成することである。詰まるところ繋ぎ(※1)をなくした文章ということだ。なぜ全体に5%程しか居ないのかというと単純に難しいからである。踏むのが難しいというのもあるがそれよりも意味を通すのが難しい。猶予(※2)が長いネットライムでは数小説なら出来ないこともないが猶予が短い文面においては「長く固い韻を踏みながら意味も通す」というのがこと更に難易度を上げている。
連踏み
連踏みとは同じ音で韻を踏み続けることである。これもまた頭韻、脚韻に当てはまらない残り5%の押韻法である。この押韻法はネットライムの上位層がよく使っているものである。この連踏みの難易度を底上げしている原因は最近の風潮である文節被り(※3)を忌避するものによると考えている。低次元なレベルで一丁前に文節被りだけ気にする今の風潮に筆者が疑問を抱いているのはまた別のお話。
子音踏み
子音踏みとは俗にいう韻とは逆のものである。韻はある集団では母音合わせとも呼ばれており既に分かっている通り母音を合わせるものである。つまり子音が違っても特段問題はない。子音踏みとは逆で母音は違っても良い代わり子音を合わせるものである。韻とは多少違う気もするが昨今韻の広義化によりこれも韻と呼んで差し支えないだろう。
同音踏み
同音踏みとは母音と子音両方を合わせる必要があり高難易度な押韻法と言えるだろう。その分評価点は母音合わせよりも高くなる。よく子音踏みと同義とされがちだがはっきり言っておくと全くの別物である。文面ラップの上位層でも苦手意識を持つ人は居る。(本人が苦手と思っているだけで周りからすると上手い)
関連踏み
縁踏みとも言われる押韻法。同じジャンル内の言葉で韻を踏むことである。同じジャンルの韻を踏むことにより文章に自然さを与えることができる。アンパンチ/バイバイきんのようなものが例としてあげられる。
さて今回は韻について色々書いてきた。ここまで読んで頂きありがとうございました。
ではまた次回。
(※1)繋ぎ・・・韻と韻の間の部分、文字通り韻と韻の繋がりの役目
(※2)猶予・・・バースを考える時間
(※3)文節被り・・・〇〇の△△、××の〜〜のように区切る部分が被って
いること