#月に召されました
「おじいさん、おばあさん、今まで輝夜を育てて
頂いてありがとうございました。」
輝夜は着物の裾を眼がしらにあてながら、そうつぶやきました
「輝夜、本当に行くのかい?この老夫婦を
残して」
おじいさんは輝夜に問います
輝夜は
「申し訳ございません、これが私の定めなのです」
涙をぬぐいながら、月にの方に顔を向ける
輝夜
その横顔は今で見知った輝夜とは
まるで別人のように
見えるおじいさんと、おばあさん
”これはもう止めることはできないのか”
内心覚悟を決めたおじいさんに
輝夜が
「おじいさん、おばあさん、輝夜は今宵
月に去りますが
月の世界から、毎日おじさんおばさんを
見守っています。
昼間の月が見えない時も、雨の夜もいつでも
輝夜は見守っております」
そういう輝夜の身体が光輝いていくのが
はっきりとおじいさん達に