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大人になった今、改めて人との距離なんかについて思う
皆それぞれ、言わないだけで、色々あるよね
今日、職場で、同僚が『友だちとかつながりが全然広がらへんし限られた人としか会ってないわ〜って妹と話してたら、その帰り道にすごい久しりの友だちからもっと久しぶりの友だちとグループライン作ろうって連絡が来てびっくりした』と言ったのを聞いて驚いた
友だちもめちゃくちゃ多いし、すごい交友関係広いし、つながりも無限にあると思ってた!
驚くべき点がズレている点でもわかるように本当に友だちが少ない
お声が掛かり何かの集まりに参加すると、誰とでも挨拶できるし何か役割を与えられれば進んでやるし、幹事(出欠確認、お店選び、詳細連絡などの事務的な方)やお金を集めたりをする、なんて言うことも多い
けれどそういう集まりの最中、やるべき仕事はあるのにどこにも属していない“ひとりぼっち”の時間が沢山ある
冷静に気がついてしまうとその場にいるのが辛くなるのでヘラヘラと適当にやり過ごすこともあるけれど、楽しそうな場で心の底から楽しめていない自分に何だかがっかりする事もある
こういうとき、自分のペースを守り沈黙も意に介さずだんまりを通せるような人のほうが真の友人や味方を着々と増やすし、合コンなんかでも知らぬ間にデキていて早々と結婚の報告を受けたりする
おそらく、誰かとだけ盛り上がってしまわないように、とか、あるメンバーだけでしか盛り上がれないのは良くないかな、とかその場を取り繕うみたいな、どっちつかず、もしくは心を開けてない雰囲気がバレてしまっているのだと思う
お酒を飲むのも、そういう砕けた雰囲気も、人と話すのも好きなほうだし、司会や企画を盛り上げるのは得意ではないけれど事務的な事は嫌いではないと思っているものの、ふと、ここは私が来るところではないなという気持ちが出てきてしまうのである
若い頃は、とにかくまず断っていたけれど、参加するようになっただけでも良しとしよう
面倒くさい性格で、子どもの頃から人との距離みたいなものを考えすぎてしまうところがある
中学生になった時、過干渉・過保護な割に何でも話せる仲でもない母親との距離に悩み友人のお母さんに相談したこともあったし、同級生に『私ら、親友やんね』と言われてすぐに首を縦に振れなくて『冷たい』『変わってる』と言われたこともあった
高校生になった頃は、そういう煩わしさから逃げるように学校では体育系・文化系両方のクラブに打ち込み(打ち込む”フリ“で始めて結果のめり込む)、家ではラジオに音楽・本・雑誌・映画・お散歩やサイクリングなど自分だけの世界に入るようになった
大学生にもなると、少ない人数の研究室だった事や、皆他人のことなど構っていられないほどに忙しく過ごすのでマシになったけれど、学園祭や合コンには参加せずひとり制作部屋にこもり、ますます自分だけの世界で暮らすようになった
こういう感覚的な事って言わないだけでそれぞれあるのかしらとは思うけれど、決定的に近いか遠いか嗅ぎ分けてしまうイヤな瞬間がある
世間というのは思っているより狭いもので、何かしら繋がりそうな気配がある時に『その学区やったら、〇〇ちゃん知ってる?〇〇君は?』と年齢や出身校が分かるや否や質問攻めにしてくる人がいる
そして、つながりがあるとわかればすごい人ならすぐ連絡したりして『らくがきちゃんて知ってる?電話変わるわ!』
本っっっっっ当に、苦手な展開だ
こういう時、きっとこの人は学校は楽しいところでたくさんの友だちに囲まれて曇りのない思い出に溢れているんだろうな、なんて、羨ましくはないけれど違う星に生まれた人のように見えるほどだ
ある意味、清らかで神々しいとさえ思う
数年間趣味の関係で知人(先輩)のもとで土曜日だけ習い事の講師をしていた時も、新しく入った小学生の生徒さんに学校を尋ねては『〇〇ちゃん知ってる?〇〇君は友だち?』を延々とやっていた
学校生活に後ろ暗い経験のある私はある子どもが口ごもったり、顔が曇ったように見えた気がしたが気にせず続けていたし、ある子どもは『〇〇君は同級生。友だちじゃない』と言い放った
生意気な口ぶりの彼のこの短い言葉に込められた思いにほんの少しだけ好もしさを覚えてしまった
子どもだから何を言っても良いというのではない、という事と同じくらい、子どもの言うことだから気にしなくて良いということにはならない
いくつになっても歩み寄れない感情もあれば、9年生きた時点で持ち合わせている感情もある
多分、きっと、そういうことなんだと思う
うまく説明できないけれど、琴線に触れるこの感じ
どちらが良いとか悪いとか、好きとか嫌いとかではなく、年齢や性別、育てられ方とか取り巻く環境を超えた何か
そして、それぞれそんな事以上に大事なことや大切にしているものもあるだろうし、その大小も様々だ
そもそも思っていても表情にも口にも出さない人だってごまんといるのだと思う
冒頭の同僚には前職や前々職の会社の同僚たちや、合コンやイベントや行きつけだったバーでの知り合い(飲まない人だけれど)、元カレなど沢山の人との話を聞いていた気がしたのに『平日はらくがきとしか話してなかった!っていう日もあるし、休みだって妹と遊びに行ってこんな話してるんやから変わらん変わらん』と言っていた
そんなもんなのかもしれませんね、と、答えながら、先週会いに行った素敵な友だちの事を思い出す
私とは全然違う、優しく強く美しい友だちの事を
いつものくだらない月曜日の会話からふと思う、そんな色々