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京都国立博物館─ナイトミュージアム─へ行く

12月1日まで開催の『法然と極楽浄土』展に滑り込む


やや続けての展覧会鑑賞記録

特定の宗教や教えを熱心に信心しているわけでもないし、寺社仏閣巡りが好きなわけでもないしなぁ

と、行くつもりのなかったこの展覧会

けれども、“トラりん”の動画やSNSを、同僚に毎日見せられるうちに進んで”虎ブログ“を読むようになりそのアグレッシブな”トラりん“に夢中

『間もなく終わりなんだリン』と煽られているような気分になり、金曜日の夜、展覧会に滑り込む

尾形光琳『竹虎図』の虎をモチーフにしたマスコット

足早に南へ東へ歩き進め、河原町を南か、五条を東か一瞬考える

信号変わったし、五条を東だ

♬あなたは右へわたしは左に振り向いたら負けよ♬
振り向いたら授かった知恵を落とす
その橋と違うやん

五条大橋を渡る

五条川端を東へ
ビーーーーム

川端通りの一本東の道を『半兵衛麸』や『鴨晴楼』を横目に南へ、東山七条を目指して歩く

耳塚(鼻塚)はうまく撮れなかったし暗くてなんだか怖いので先へ進む

夜の豊国神社
瓢箪の絵馬とかお守りがすごく可愛い

豊国神社を南へ

雰囲気あるなあ

大仏前交番を曲がり、到着

この右奥に『前田珈琲』

いざ、入場

美し過ぎる旧館

旧館と噴水、紅葉したお庭を眺めつつ、『平成知新館』へ

次の展覧会の予告

いざ入館

平成知新館

入館前、京都タワーを撮る

『平成知新館』の前の水が揺らめくエリア越しのタワー
はよ入ろ

3階から展示スタートなのでエスカレーターへ向かう

右側に顔ハメパネル
私と同世代、もしくは上のカップルがキャッキャと撮影
ひとりなのでわたしはもちろんしない
うらやましー、楽しそー

浄土宗開宗850年を迎えることを機にその足取りや歴史、発展の歴史を国宝・重要文化財を含む名宝によってたどるという展覧会

東京展(今年の4/16〜6/9東博)・京都展・九州展(2025年10/7〜11/30九博)のうち本山や関連寺院が集中するため、この京都展は3箇所のうちで最多の出品数となるのだそう

法然は平安時代末期の内乱・災害・疫病の乱世に疲弊する人々に『南無阿弥陀仏』の名号を称える事によって誰もが等しく極楽浄土に往生出来ることを説いた

その教えの様子そのもの、阿弥陀仏の姿、それらを文字で書いた記録書物や絵に描いたり織ったりされた曼荼羅図、工芸品などの作品の数々を見て回る

いつも同じ事を思うけれど、数々の天災や戦などによる困難のさなかにも大切に守られてきたこれらの展示物の美しさに目を奪われそれに込められたであろう人々の思いに心を奪われる

大きな曼荼羅図や織物の曼荼羅図、讃までも織り込まれたものなんてそうそう見られるものではないし、表装や裂の美しさ・豪華さも息を呑むような逸品ばかり

そしてその保護・保管の細やかさにも恐れ入る

気候・温度・湿気・虫─天然素材だとなおのこと大変だと思う─などから守るための季節ごと、年中、日々行われる細やかな管理やそれらを大切に、尊ぶ人々の気持ちも伝わってくるかのように思えてくる

それと同時に、これだけの変わらぬ姿を残すことのできる紙や布・墨や顔料などの素材の質の良さというのは、現代の技術や研究・発展をもってしても手に入れる事の出来ない儚さとか虚しさ、憧れも感じる

資源の枯渇という意味で材料・原料の入手が叶わなくなるという事もあるし、天然の素材から紙を漉いたものにすった墨で書く手間やかける時間の捻出、技術の継承など、便利で快適な現代の世の中でも敵わない事が沢山ある

ただこれらは当時、限られた階級や層の人だけが所有し愛でることの出来たものだからこそ手厚い保護、お金をかけて人の手を惜しみなく介して大切にされ、今こうして信心深いわけでもない庶民の私も見ることが出来ている

現代の大量生産・拡散が可能になった事であらゆる場所であらゆる人が学んだり知ったりする事が出来ているという事を思うと決して嘆き悲しみ、大事なものを失っていく一方ばかりでもないように思う

昔のほうが良いとか今は良くないとか、そんな簡単な言葉ではいいあらわせない

そんな事を思いながら、時代を超えて今、この目で貴重で美しい物を見られる事の有り難さや幸福をあらためて実感する

1階まで降りると、唯一撮影可能の展示物があらわれる

仏涅槃像(ぶつねはんぞう)─香川県の法然寺蔵

見応えあり、大混雑
右端
真ん中
左端

全体像は人が多くて撮れない

沢山の展示物をじっくり見ていたら閉館ギリギリになった

寒いしお腹も空いたし、はよ帰ろ

赤いレンガの塀に黄葉が綺麗

七条通りを歩く

七条大橋から東を撮る

寒いけれど空気が澄んでいて川にうつる光が眩しい

七条大橋西詰め
♬移動手段を手に入れるために
透むことのない河の中飛び込んだ♬

空腹が主張する

京都タワー

『渉成園』の前を通る

宇宙的な光
綺麗な黄色

東洞院を歩き、因幡薬師の前を通って烏丸へ出る

雰囲気がある

以前この辺りにあったシンプルで美しく美味しいケーキ屋さん『ロトス洋菓子店』(←今はお名前変わってる)は京都水族館のそばに移転され行列の大人気店なのだそう

私は、何のためなら10分以上並ぶことが出来るかな

と、片道40分かけて博物館に行って帰る人間が考える

京都国立博物館で開催された『鳥獣戯画展』や、『風神雷神図屏風』、京都市美術館でも『白貂を抱く貴婦人』や『真珠の耳飾りの少女』を見るのにかなり並んだ覚えがある

やれば出来る

為せば成る

よくわからない、詳しく知らない、でも見てみたい、それだけで気楽に足を運ぶ

美術館と言えばの、好きな一曲


このアニメーション大好き

極楽浄土への往生を望む前に、出来なかったことや出来ないことばかりを責めたり、自分で自分が残念な人間だとがっかりする瞬間を1秒でも減らし、こんな自分でも良いなと思って生きていけるようになりたいものだ

成長も変化もない自己嫌悪や反省はあんまり役に立たないのだから

なんつって

『寒い』を『寂しい』と勘違いする、安定の不安定な、12月のはじまりの夜

キラキラした街へ“クリスマスツリーあんぎゃ“に励むとしよう



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