
美術館「えき」KYOTOにて『エミール・ガレ展』を見る
没後120年 エミール・ガレ展 美しきガラスの世界
─11/22(金)〜12/25(水)JR京都駅下車すぐ ジェイアール京都伊勢丹7階隣接 美術館「えき」にて会期中無休─
産業革命を経て、工業化が進む19世紀から20世紀初頭のヨーロッパで花開いたアール・ヌーヴォー(新しい芸術)、その中心人物でありガラス工芸を芸術の域にまで高めたフランスのガラス工芸家エミール・ガレ(1846─1904)の作品展
↑ フライヤーからまとめたもの
アールデコとアール・ヌーボーは、デザイン様式が大きく異なる芸術運動です。
《特徴》
アールデコ
直線や幾何学模様、対称的なデザイン
アール・ヌーボー
自然のモチーフや自由な曲線、有機的なデザイン
《代表的な建築物》
アールデコ
クライスラービル、エンパイア・ステート・ビルディング
アール・ヌーボー
サグラダ・ファミリア
《代表的なインテリア》
アールデコ
大量生産された家具や工芸品
アール・ヌーボー
優美で装飾性の高い家具や建具
アールデコは、20世紀初頭にヨーロッパやアメリカで流行した様式で、アール・ヌーボーに続く形で登場しました。アール・ヌーボーは19世紀末から20世紀初頭にかけての芸術運動で、自然のモチーフや自由な曲線を特徴としていました。アールデコは、機能的、シンプル、合理性、大量生産という強みがあり、工業製品や近代的都市生活が一般化した時代を背景に、そこに表れた美意識を反映した様式です。一方、アール・ヌーボーは、産業革命以降、粗悪になった実用品に芸術性を取り戻そうというコンセプトのもと、様々な分野の作品に波及しました。
私の記憶が確かならば、25年ほど前の大学生1回生か2回生の頃、同級生と大阪の梅田大丸へ『ルネ・ラリック展』へ足を運んだ
美術棟が学び舎だったので展覧会などのフライヤーはたくさんあり、綺麗だから見てみたいとかそんなノリで双方詳しいわけでも、特別ルネ・ラリックが好きなわけでもなかったが、電車に乗って見に行ったように思う
その時、おそらくアールデコとかアール・ヌーヴォーという言葉を初めて見聞きし、ルネ・ラリックはそのどちらでも活躍した作家なのだと知る
ガレ─エミール・ガレ─の名は、テレビ大阪で見る”お宝を鑑定してもらう”番組で度々名前が上がるので知った程度
代表作も価値も全然知らなかった
けれど、ジュエリーやアクセサリーに興味も関心もなく行った『コスチュームジュエリー展』、ブランドの事を全然知らずに行った『GUCCI COSMOS展』、同じく詳しくないけれど行った『村上隆展』、『みうらじゅんフェス』すべて、どれも行って心の底から『行って良かったな』と思えた
なので、今回もほとんどガレについて知識を持たない私だけれど『綺麗で価値が高いと言われる人気の作品をこの目で見てみたい』という理由だけで見に行った
相変わらず、前置きが、長いな
スマートフォンでの写真撮影は、写真パネル意外オッケーということなので何枚か載せます


こちらは、知っている方ならおそらく“これぞ『ガレ“という雰囲気の花器が中心に展示されている
透明感のあるものも、個人的に好きな乳白色ベースのものも息を呑むほどに美しく華やかな印象


小さいものもすごく良い

百合(ゆり)

ジャポニズムというだけあって、和の美しさや伝統、意味合いを大切に扱った繊細さと華やかさを兼ね備えたような作品


翡翠のような緑に白っぽい部分が雪を思わせるかのように効いていて鷹の鋭さや細やかさが引き立つ

日本の象徴とされる菊と昆虫の組み合わせがジャポニズムを想起されるとあり、またキリスト教思想ではカマキリは神からの使いであり預言者とされ幸運をもたらすとのこと
この他にもカマキリを描いたものがあった
透明感のある、それでいて琥珀のような深さと金色がとても上手く調和していて古典的な雰囲気とモダンな雰囲気を醸し出す



消化を助けるためとして、食後に飲むアルコール度数の高いリキュールや蒸留酒を飲む習慣があり、テーブルウェアとして用美を兼ねたセットがサロンに置かれて客人の眼を楽しませていたのだろうと書かれている
こんな美しいものに注がれたならお水でもうっとり泥酔しちゃう




写真では全くもって伝わらない、透明より透明のブルーなのではないかとでも言わんばかりのガラスの色調





こちらの山水風景文花器で作品は終わるのだけれど、何度も何度も戻っては眺めてしまう美しさ
どれも本当に美しくて素敵だったけれど、後ろ髪引かれるように何度も見に戻ったのはこちらの作品


私は、何かから解き放たれ生まれ変わったように飛び立ちたいのかもしれない
なんつって
最後の最後に丁寧に技法の解説がある上に、こちらのパネルは撮影可能ということなのでパシャリ



綺麗だった、美しかった、感動した
そんな拙い感想しか書くことは出来ないけれど、こんな私程度の感じなら作品の数や解説・説明の丁寧さなどものすごく見やすく世界観を堪能できる展示だと感じた
今回も、本当に行って良かった展覧会だったし、初日なので張り切って書いてみた
まだクリスマスのイルミネーションではないけれど、まもなくこの大階段もクリスマス仕様になるはず

この横の大階段を駆け上がりながら私の頭の中に流れていた曲
ケガはしていませんよ
なんつって
以上、展覧会鑑賞の記録でした