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農業法人でインターンをする方へ③

 今日も農業法人でインターンシップをする方向けの記事を書こうと思います。これまでのテーマは『社長と話す』ことと『リスク管理』でした。今回は『地域とのつながり』について書こうと思います。
 農業法人の規模にもよりますが、大規模になればなるほど都市部からは離れ郊外に位置する場合が多いです。そして出荷の形態も小売店や直売所というよりは契約栽培で食品関連企業は外食産業向けが一般的です。ここで見えてくることは、郊外に立地している農業法人では地域との関わりが少ないのではないかという懸念です。勿論、別に地域住民との関わりは求めないという方もいるでしょう。しかし私は農業法人(従業員)にとって地域との関わりは欠かせないものであると考えます。
 農業法人は基本的に経営者が大地主でもない限り作付けを行っている農地の多くを地域住民から借りていることが一般的です。会社が所有している土地であれば地域に対してあまり気を遣う必要は無いかもしれませんが、土地を借りている農業法人の場合、地域の土地を預かって農業をしている訳です。地域の土地を預かって仕事をしている以上、地域に貢献する必要があるのではないかと考えます。しかし農業法人は先にも述べたように小売店や直売所に出荷することは必ずしも多くなく、地域住民の方が農業法人で生産された野菜を食べる機会が限定されていることも考えられます。この状況では地域の方は、農業法人に対して親しみを持つことが出来ません。だからこそ、農業法人は積極的に地域との関わりの場を創出していく必要があると思います。
 また、地域との関わりは従業員のモチベーションにもつながります。農業法人で働いていると営業職でもない限り、消費者と直接交流する機会は非常に限定されているのが現状です。自分が生産した農産物の消費者が具体的に思い浮かべば仕事のやる気にもつながるかもしれませんが、その様な機会はなかなかありません。そこで地域との関わりを持つことにより、『地域のために農業をする』という感情が芽生えるようになり、仕事へのモチベーションにつながると考えられます。
 地域との関わり方には様々な方法があると思います。例えば、農産物の収穫期に“収穫祭”を開催したり、地域の子ども食堂に食材を寄付したり、週末に直売会を開いたりするなどです。大事なことはどのように地域との関わりを持つかではなく、地域との関わりを持っているかどうかです。インターンシップに参加した際にはそんな視点でも農業法人を観察してみて下さい。

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