いっていいこと、わるいこと
浮き世のただならぬ気配を察知いたしました。リスナーであるラジオ番組のMCが激しく炎上しております。今日も上げ膳据え膳な日曜日を送ることができたので、わたくしなりの意見を書きますね。
まず、まだ今回の岡村さんのラジオを聞いていないうえでなのですが…文言だけ見ると完全にアウトですし、いろいろなひとのこころを逆撫でするような発言だと思います。素直に反省して欲しいなと思います。お勉強のために、チチマンダ・ンゴズィ・アディーチェ氏の本などを、おうち時間にぜひ読んで欲しいですね。とても明快で面白いですよ。
とても悲しいのは、この発言の回のこの部分だけをクローズアップされてしまったこと。岡村隆史の人格を全否定するような、ひどい言葉遣いの意見(ともいえない暴言)がたくさん見受けられたことです。
何年も聴いているリスナーにとっては、今回の発言もいつもの冗談に感じてしまう方も多かったと想像します。独身で、アローン会で、そんな立場からのちょっとしたいつものジョーク…にならなかった。岡村さんは社会的には力のある側だと見なされているようです。
先にも書きました通り、今回の発言は平均的なユーモアの枠を超えてしまいました。それは真摯に反省するだけです。人間には間違いがありますし、今回のは完全に間違いですから。
だからといって、一人の人間の人格を全否定してもよいのでしょうか。少なくとも私は、下を向いたら涙が止まらない日々に、岡村さんの死ぬほどくだらないトークに励まされてきました。下品な発言も多かったですが、たくさん笑いました。笑わせてもらってきました。そして前を向いてこれました。彼は芸人です。政治家ではないのです。
今回のことで、岡村隆史を批判したひとの中に、1年以上彼のラジオのリスナーだった人は何人いるでしょう。高倉健さんが亡くなったとき、自分の言葉でとつとつと想いを述べた回をご存知でしょうか。芸人なのにとても湿っぽいラジオでした。そんなことより、高倉健さんへの誠意を感じました。芯は真面目な人だと思いたい。
人間にはさまざまな面があります。そして、感情の波もあります。今はストレスの溜まりやすい日々です。彼なりの行き過ぎたジョークが多くの人を不愉快にさせたことと、彼の人格とは切り離して考えるのが健全ではないでしょうか。余裕のない社会、余裕のない人々のこころ、それらが寄ってたかって1人の人間を批判しているように見えてしまいました。
あと、性産業に搾取されている女性がいることも事実だと思います。そのようなドキュメンタリーを見たことがあります。一方で、自分の意思でお客さんを獲得している力強い方もいるかと思います。そういったさまざまな背景を持つ女性を一緒くたにしてしまっています。職業に貴賎はないと私は思います。
それから、学者さんが意見を述べる際は、根拠となるデータも合わせて掲載していただけると幸いです。「多い」とはどの程度なのか。経済的貧困に陥ってしまった方が、性産業に「搾取されてしまい」働いている割合は統計的に優位なのか。上げ膳据え膳ながら気になってしまいました。私も勉強中の身ですので、よろしくお願い申し上げます。