行政書士、独学合格体験記〜参考書6冊で完結する7ヶ月独学勉強法〜
2022年度の行政書士試験に合格したころもという者です。市販の参考書6冊をメイン教材とした独学で7ヶ月勉強をしました。
行政書士の資格を目指す人の中には学生さんはもちろん、社会人の方も多いと思います。自由な時間が少ない中で資格に挑戦するなら、なるべく効率的に最短距離の合格を目指したいですよね。でもあんまりお金は使いたくない…。それが本音ではないでしょうか。
参考書6冊で2万円、模試をMAX6回受けて2万円。行政書士試験の費用1万円も含め、総額5万円程度です。5万円で将来開業できる国家資格が手に入るなら安いと思いませんか。
期間はやる気次第で4ヶ月〜1年程度を見込んでいただければ良いかと。1日6時間以上勉強にコミットできるなら4ヶ月合格も夢じゃありません。
ここでは参考書6冊をフル活用した勉強法についてまとめます。
ちょっと自己紹介
行政書士を受けようと思い立ったのは2022年の4月半ば。社会人として大手新聞社で働いており、ちょうど3年目に入ったところでした。
当時は社会部から経済部に異動してきたばかり。昼夜問わず仕事に忙殺される社会部と違い、企業が取材対象となる経済部は比較的残業も少なく、ゆったりとした部署です。
ほぼ定時で上がれる毎日。確実に取れる土日祝のお休み。社会人になってはじめて心の余裕を手に入れ、将来のために資格を取ろうと思い立ちました。
はじめに言っておきますと、私は早稲田大学法学部卒なので、最初から法律の素養はある程度持っている状態でした。とはいえ、勉強熱心な方ではなかったので、「法律」に対してあまり拒否感を持っていないという程度のアドバンテージです。
なので「法律なら勉強してもいいかな」と思い、士業のなかでも難易度の低い行政書士を勉強することに決めました。
行政書士試験とは
行政書士試験は合格率10%程度の難関試験ですが、一定以上の点数を取れば必ず合格できる絶対評価が採用されています。他の受験生と競い合う必要がないので、合格点を取る勉強をすれば合格できます。
合格する基準は以下の通り。
・全体で6割以上(300点満点中180点以上)
・法令等科目で5割以上(244点中122点以上)
・一般知識科目で4割以上(56点中24点以上)
試験科目は大きく分けて「法令等科目」と「一般知識科目」の2つです。
法令等科目は基礎法学、憲法、行政法、民法、商法の5科目46問。そのうち、行政法が22問と5割近くを占めています。
択一式(多肢選択式含む)と記述式があり、記述式では行政法が2問、民法が1問出題されます。択一式が1問4点(多肢選択式は1問2点)なのに対し、記述式は1問20点と高い配点になっています。
一般知識科目は政治・経済・社会、情報通信、個人情報保護、文章理解です。一般知識にも合格基準があるため、手は抜けません。
試験結果
私が受験した2022年度の試験結果はこちら。
択一式のみで180点以上を獲得し、合計216点でした。記述式が振るわなかったものの、行政法は満点。安心して合格発表を待つことができました。
2022年度の合格率は12.13%と、例年通り1割前後の合格率でした。
ざっくりと行政書士試験勉強法を説明
具体的な参考書の紹介に入る前にざっくりと勉強法を説明します。
3つの約束
勉強を始める前に約束事を3つ決めました。
勉強した時間、分量を記録する。
1日にやる最低限のノルマを決める。どんなに少なくてもいいが、決めたら何が何でもやる。
スマホをいじるだけの時間は勉強時間にあてる。
1.勉強した時間、分量を記録する。
だらっと勉強をしていると、なんとなく勉強したような気持ちになってしまうもの。自分がどのくらいの時間、分量勉強したのかを記録することで、自己管理ができます。
手帳でも良いですが、もしこだわりがなければ「Studyplus(スタディプラス)」がおすすめ。
私はストップウォッチ機能を使って、実際の勉強時間を計りながら勉強しています。参考書ごと、科目ごとの勉強時間が分かるので便利です。同じ目標を持った受験生と励まし合うこともできるので、一人ではやる気が出ない人にはぴったりです。
2.1日にやる最低限のノルマを決める。どんなに少なくてもいいが、決めたら何が何でもやる。
1日勉強を休んでしまうと、ついずるずると休んでしまうのが人間の性です。それを防ぐためにも、1日の最低限のノルマを決めてしまいましょう。私の場合は「最短1分で終わるアプリ学習をする」と決め、毎日取り組みました。
3.スマホをいじるだけの時間は勉強時間にあてる。
電車での移動時間や会社の昼休憩など、スマホをだらっといじってしまう時間ってありますよね。私の場合、暇があるとすぐTwitterを開いてしまうので、Twitterのアイコンと勉強用アプリのアイコンをグループ化しました。Twitterを開く前に勉強アプリが目に入り、すぐに方向転換することができます。こうして通勤往復で1時間、昼休憩で30分の勉強時間を手に入れました。
勉強スケジュール
7ヶ月間の勉強スケジュールはざっくりと以下の通り。
見て分かる通り、テキストと問題集の繰り返しのみで構成されています。テキストは最低3回、過去問演習は最低5回、繰り返してください。
基礎法学、憲法、民法、行政法、商法、一般知識等と一通りテキストを読むと早くても1ヶ月はかかります。これを試験日までに3回以上繰り返すので、1つの参考書をマスターするのに最低3ヶ月かかることがわかります。
これを6冊分並行して行うわけですから、意外と時間がありません。スピード感を持ってサクサク進めていくことが大切です。
具体的に何の参考書を使って、どのように勉強するのかは次の項目で説明します。
使用した6冊の参考書と勉強法
正直に言うと、市販の参考書は自分にあったものを選ぶのが鉄則です。大手の予備校が出しているような参考書であれば、行政書士試験に合格するのに必要な内容を網羅していることがほとんどだからです。
カラーの使い方、言い回し、文字の大きさなど、「これならスッと読める」というものを選ぶことをおすすめします。
とはいえ、参考書がありすぎて迷ってしまう方もおられると思います。ここでは使用した6冊の参考書と勉強法を紹介します。すでに他の参考書を購入された方も、勉強法自体はどの参考書でも使えるものですので、ぜひ参考にしてください。
さて、「6冊の参考書」と申しましたが、厳密には使用したのは5冊です。
私の場合、5冊の参考書にプラスして、偶然手に入れたとある予備校の肢別過去問題集を活用していました。こちらはオンライン講座をお試し受講した際に、おそらく予備校側の不手際で全問題がダウンロード可能となっており、無償で全てを手に入れることができたものです。(今も公開しているかどうかは分かりませんが、知りたい方には「おわりに」でご紹介します。)
使用した問題集は市販ではないので、内容がほぼ同一の市販参考書を1冊足して、6冊の参考書としています。
それではご紹介します。
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