The Multi-scale brain | edxコース紹介
今回の投稿内容はedxのコース “The Multi-scale brain” の紹介&所感です。初回からこんなんでいいのかとも思いましたが、布教したい欲に負けました。滅茶苦茶面白かったので、脳科学に興味のある方はぜひ視聴してみてください。
コース紹介
The Multi-scale brain
脳を遺伝子~器官レベルの様々なスケールで調査し、各スケールの知見を統合的に理解するため手法と、関連する研究成果が解説されている。
学習内容
・単一細胞、シナプス領域、神経回路、皮質領域間の長距離相互作用を可視化・マッピング・モデリングする手法
・ニューロンの分類方法、細胞形態を機能に関連付ける手法
・Brain atlasesとモデリングツールの使い方
開催組織
・EPFL (スイス連邦工科大学ローザンヌ校)
・Allen institute for brain science(アレン脳科学研究所)提供の資料も多い
講義メモ・所感
受講内容のイメージ
印象に残った内容 | 研究に直結するデータベース
予想以上にデータベースやシミュレーションツールが充実していて感動しました。これが自分のノートPC上で無料で動くというのが凄い…!バイオインフォマティクスや画像解析を勉強した人ならそのまま自分で解析できそう。
以下、データベースの紹介です。データベース構築時のプロジェクト詳細は講義を見てね。
① Brain Map (Allen brain atlas)
Allen institute for brain scienceが運営しているデータベース。マウスとヒトの成体・発生過程における脳内の遺伝子発現パターンに加え、ニューロンの接続の様子や解析用のソフトウェア情報等も公開されている。
② Blue brain project
EPFLで行われている、マウスの脳を細部まで再構築・シミュレーションするプロジェクト。遺伝子、タンパク質レベル〜脳全体まで、それぞれのスケールとそれらを統合したモデルを構築する。
例:EBRAINS/ MouseO1-Scaffold Somatosensory Cortex Microcircuit for mouse
マウスの体性感覚野における神経回路をシミュレーションできるツール。シミュレーションに使う細胞、外部からの入力、刺激するニューロン、電位変化をシミュレーションしたい細胞を指定すると、シミュレーション結果が表示された(画像右下のグラフ)。
Brain Mapが遺伝子発現のマッピング中心だったのに対して、こちらはより生理機能とモデリングに焦点を当てている印象を受けました。正直、数学と英語が分からなさ過ぎてモデルの詳細は説明できません(やばい)。時間のあるときに理論を勉強しつつ触ってみたい。
なお、講義のレベルはAdvancedです。内容は生物専攻の専門科目~修士レベルぐらいに感じました。英語は速いので聞き取りはきついものの、スライドをダウンロードさせてもらえるので、後で調べるのは楽だと思います。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
※Attention
この記事は私が講義内容、DBのドキュメントを読んで理解できた内容を元に作成しているため、間違った解釈が含まれる可能性があります。もし誤った記載に気づかれた方は、ご指摘いただけますと幸いです。