アゾリウスファミリアのすゝめ
この記事は、パウパーのアゾリウスファミリアについての初心者向けの解説と、自分なりの採用カード考察の記事です。
愛知にファミリア仲間がいないので、この記事で増えることを願いながら執筆します。
アゾリウスファミリアの解説
アゾリウスファミリアについての基本的な説明をしていきます。
どういうデッキ?
青のドロー呪文を《陽景学院の使い魔》で軽くしたりETB持ちクリーチャーをブリンクで使い回したりしてアドバンテージを稼ぎ、最終的には無限コンボに繋げて勝つコンボデッキです。
コンボデッキといってもコンボ一辺倒!と言うわけではなく、打ち消しやライフゲインなどのコントロール要素もあるデッキです。
序盤はそれらを使って相手の猛攻をいなしながらドローによってアドを稼いでいき、最後は無限コンボでフィニッシュ!…と、勝つまでの道筋が明確なのも良い点ですね。
大量のドローでデッキをガチャガチャ動かすのが好きな方は、きっとハマるデッキだと思います。
無限コンボについて
このデッキのキモとも言える無限コンボについて解説します。このデッキは最終的にいずれかの無限コンボを完成させることを目指すので、このデッキを回すにあたって無限コンボの型は覚えておく必要があります。
無限コンボに使用するカードは《古術師》と《陽景学院の使い魔》と《幽霊のゆらめき》が必須、あと必要なのは土地だったり《断絶》だったり呪文キャストに誘発する能力持ちのクリーチャー達です。
次にコンボの具体的な手順をあげていきます。
① 古術師 & 陽景学院の使い魔×2 & 幽霊のゆらめき& 島 & キャスト誘発クリーチャー
このデッキの無限コンボの基本形。とりあえずこれを覚えておけば問題ないです。
1.1マナになった《幽霊のゆらめき》で、《古術師》と《島》をブリンク
2.《古術師》のETBで、《幽霊のゆらめき》を墓地から回収
3.ブリンクによって起き上がった《島》から再度《幽霊のゆらめき》をキャスト、以下繰り返し
と言った感じで、《幽霊のゆらめき》を無限回唱えられる状態になります。
あとはキャストに誘発するクリーチャーがいれば無限ライフ・無限鳥トークン達成ってわけです。
② 古術師×2 & 陽景学院の使い魔 & 幽霊のゆらめき & 断絶 & アゾリウスの大法官庁 & 島
無限に見えて実は有限なバウンスコンボ。
①と比べると《陽景学院の使い魔》が1体でもできるコンボです。
1.2マナに軽減された《幽霊のゆらめき》で《古術師》2体をブリンク
2.《古術師》のETBで《断絶》と《幽霊のゆらめき》を回収
3.《断絶》で相手のクリーチャーをバウンスし、《アゾリウスの大法官庁》と《島》を起こす、以下繰り返し
と言った感じでお相手のクリーチャーを全てバウンスできます。
無限ライフでは勝てない壁コンボとかには有用なコンボです。
③ 古術師×2 & 陽景学院の使い魔 & 幽霊のゆらめき & 断絶 & アゾリウスの大法官庁×2 & 王神の信者
②の派生系で、《島》を2枚目の《アゾリウスの大法官庁》に変更&《王神の信者》を足すことで名実ともに無限コンボになりました。
コンボの動きは②とほとんど変わりませんが、《アゾリウスの大法官庁》が2枚になったことでループ1回ごとに白1マナが浮くようになります。
そこで《断絶》の対象を自身の《王神の信者》にして浮いた1マナから再キャストすることで、晴れて無限ループとなります。
④ 古術師×2 & 陽景学院の使い魔 & 幽霊のゆらめき & 断絶 & アゾリウスの大法官庁 & 島 & つぶやく神秘家
こちらも②の派生系で、《つぶやく神秘家》を入れて無限となりました。
コンボの動きもこちらも②とほとんど変わらず、《断絶》の対象を《つぶやく神秘家》から生まれた鳥トークンにするだけです。
トークン1体はバウンスによって消えてしまいますがループ中に2つの呪文を唱えているため、ループ1回につき差し引き1体増えると言うわけです。
⑤ 古術師 & 陽景学院の使い魔×2 & 幽霊のゆらめき & 亡骸のぬかるみ
これも有限のコンボなんですが、LO対策として必須のコンボなので掲載します。
手順は①とほぼ一緒なのですが、対象を島から《亡骸のぬかるみ》にします。こうすることで墓地のクリーチャーをデッキに置け、青1マナでデッキの残り枚数を1枚増やせると言うわけですね。
無限ライフには入ったけど、相手は続行を選択してこっちは相手のライフを詰める手段がもうない…!なんて時も、このコンボを知っていればLO負けをせずにすみます。
型について
アゾリウスファミリアには、大きく分けて2つの型が存在します。
1つは《当世》型、もう1つは《精神の交差》型です。採用してるカードで呼び方が変わる形ですね。
《当世》型
《当世》は2マナで2枚ルーティング&2/3飛行と優秀なクリーチャーとなる英雄譚です。
ルーティングで手札の質を高められると共に、変身後はパウパーにおける強力な飛行クリーチャーであるコーの空漁師やきらめく鷹のブロック要員となれるカード。
優秀ですがこれ単体では手札のアドは稼げないため、《虹色の断片》や《綿密な分析》などの捨ててもアドとなるフラッシュバック持ちの呪文を一緒に採用します。
英雄譚と言う特性上2、3ターン目あたりで唱えられると強いですが、中・終盤あたりになってくるとクリーチャー化とルーティングのタイムラグが響くため、序盤に強いカードです。
空漁師・鷹・スプライトなどの飛行クロックを使ってくるデッキには強いですね。思いつくところだとボロスラリーとかフェアリーとか。
《精神の交差》型
《精神の交差》は、召集によって少ないマナで2ドローできるインスタントです。
クリーチャーが並べば並ぶほど強く使えるドロソですが、素撃ちは4マナと重く、2体は並んでいないとあまり強くはないです。
クリーチャーが並んでくる後半に強いカードですね。《当世》とは逆。
使いやすい2ドロー呪文が増えるため、アドバンテージ勝負になりやすいコントロールデッキ相手にはこちらの方が強いです。
このデッキの諸注意
このデッキを使用するにあたり気をつける点があります。
それは「ゲーム時間が長引きやすい」ことです。
前述した通りにこのデッキは最速コンボを目指すデッキではなく、コンボが完成するまで延命してコンボ完成を目指すデッキです。そのため1ゲーム毎のターン数がそれなりにかかります。
また《陽景学院の使い魔》が出揃ってこれば1ターンに唱える呪文の数も膨大になります。しかも単純なドローだけならまだ良いですが、《海門の神官》などのトップを見て1枚選ぶドロソも多いため、悩む箇所が多々あります。
また使い慣れていないと《陽景学院の使い魔》が出てる時のマナコストを間違えることも多々…。
そして一番は、お相手にコンボへの対応を迫るためどうしてもお相手のプレイも遅くなってしまいやすい事です。お相手はしょうがないですが、せめて自分のプレイが遅いせいで延長に入っちゃった!なんてことは絶対避けたいですよね。
これらの対策として、1人回しで動かし方を慣らしておくことをオススメします。
《陽景学院の使い魔》で軽減されたマナコストやトップをみた時の選択パターンなど、1人回しである程度頭に入れておくと対戦もスムーズに進められます。無限コンボも事前に動かして覚えてないと、対戦でド忘れした!なんて目も当てられませんからね。
あとは相手ターン中に次の自ターンの動きを整理しておくのもおすすめです。リアクションできるカードの少ないデッキのため、対応しなきゃ行けないカードだけ意識して他は眺めつつ自分の動きを考えときましょう。
アゾリウスファミリアについての基本的な解説は以上です。
以下は実際に私が使っているデッキの個別カード解説です。
採用カード60枚解説
今回解説するリストはこちら。私が現在使用しているリストです。
なぜ《精神の交差》型なの?
アゾリウスファミリアには2つの型が存在するのは説明しましたが、ではなぜ《精神の交差》型を選択したのか。その理由は
0マナ2ドローが最高に気持ち良いから!!!!!
以上。
冗談です。半分は。
真面目なことをいうと、愛知のパウパー環境だとコントロールを握る人が多かったため、それに強く立ち回れる精神の交差型を使っているというわけですね。
きらきらが禁止になってスピードを出す理由も減ったため、より立ち位置はいいんじゃないかな?と考えています。
採用カード解説・クリーチャー編
《王神の信者》
ライフゲインと無限コンボパーツを担う、このデッキの命綱。
1マナなのに《稲妻》1枚では落ちないタフ4と超優秀なスタッツである上に、青呪文を唱えるたびに1点ライフゲインと、早いデッキに対する明確な回答となるカード。赤単相手にはこれを探すためにマリガンもする。
《王神の信者》自身ではアドバンテージを生まないが、場に出れば出るだけ相手の勝ちを遅らせられるため複数来ても困らない。よって4積み。
《陽景学院の使い魔》
青呪文のコスト軽減という強力な効果を持ち、デッキ名にもなる通りにまさしく要のカード。タフも3あるためブロッカーとして優秀。
場に出れば出るだけこちらの勝ちが近づく。よって4積み。
《海門の神官》
《手練》を内蔵したクリーチャー。1/3とブロッカーとして優秀なスタッツ。「手札損のない優秀なブロッカー」であり、「精神の交差の青マナ要員」であり、「使い魔でマナ軽減されるドロソ」であり、「ブリンクしてアドを稼げるクリーチャー」。
このデッキの優秀な潤滑剤のため4積み。
ちなみに、似たような効果・スタッツの青クリーチャーには《ボーラスの占い師》がいる。
2マナと低コストなうえに見れる枚数は3枚。強い。
しかし手札に加えられるのはインスタント・ソーサリーのみであり、無限コンボにクリーチャーが数多く必要なアゾリウスファミリアだと少し使い辛い。そのため《ボーラスの占い師》ではなく《海門の神官》を採用している。
《古術師》
ETBでインスタント・ソーサリーを回収できる。ブリンクと組み合わせれば墓地のインスタント・ソーサリーが使い放題に。
強いカードだが、4マナと重いため手札でダブつくとつらいカード。でも1枚は絶対通したいから3枚積み。
《つぶやく神秘家》
インスタント・ソーサリーを唱えるたびに鳥トークンを生成。無限コンボ時のフィニッシャー。
鳥トークンはチャンプブロッカー以外にも飛行クロックとしても運用できる。これは無限コンボを介さない、数少ない勝ち筋。
優秀ではあるが、自身ではアドバンテージを生まない上に4マナとダブついてほしくないカードの為1,2枚採用が多い。
このリストでは精神の交差のほかに商人の巻物を採用してつぶやく神秘家を強く扱えるようにしてあるため、2枚採用している。
《熟考漂い》
ETB2ドローできる想起持ちクリーチャー。儚い存在と組み合わせれば4マナで6枚ドローが可能。
想起で3マナ2ドローと素撃ちしてもそこまで悪くなく、生贄後は《亡骸のぬかるみ》で使いまわすのも良し。
重めのカードではあるが、こいつがいないとリソースが足りなくなることも多々。そのため3積み。
採用カード解説・インスタント・ソーサリー編
《儚い存在》
反復持ちのブリンク。《古術師》と組み合わせれば、毎ターンインスタント・ソーサリーの使いまわしが可能。
ETBを使いまわせるが、逆にETB持ちが場に出ていないと使い勝手の悪い単体除去除けにしかならない。「噛み合うと強い」カードなのでこれだけがダブつくと困る。よって2積み。
《禁制》
2マナ以下対象の打ち消し。キッカーすれば4マナ以下まで対象が広がる。無色1マナがふくまれるため、使い魔でコスト軽減が可能。
対象範囲的に打ち消しや除去への打ち消しとしてよく使う。
《商人の巻物》から持ってこれるため1積み。
《焦点の喪失》
2マナ要求の打ち消し。複製すれば2マナ要求がコピーされる。こちらも無色1マナがふくまれるため、使い魔でコスト軽減が可能。
相手の対処札に対して使いやすい禁制に対し、複製によって相手が打ち消しを返しずらい焦点の喪失は、相手のフィニッシャーへの打ち消しとして使える。でも後半は対抗呪文の下位互換になることも多いため、器用貧乏な子。
他採用の打ち消し呪文と比べて白含む2マナでも3マナ以上が打ち消せる点・続唱持ちクリーチャーと続唱先呪文の両方を一枚で打ち消せる点がポンザには強いため入れてる。ポンザ苦手。
《商人の巻物》から持ってこれるため1積み。
《対抗呪文》
最高の打ち消し呪文。ただし使い魔でコスト軽減が不可能な点がこのデッキだとネック。とはいえ2マナでなんでも打ち消せるのはやはり魅力。
《商人の巻物》から持ってこれるため1積み。
こればっかり言ってますね。
《衝動》
4枚見ることができるドロソ。
他リストだと《定業》4枚が入っている枠に、このリストだと《衝動》2枚と《商人の巻物》2枚が入っている。1マナで2枚見れるのは強力だが、きらきらなど対抗札を構えておかないとひき殺されることが多いこの環境では打ち消しと共に構えて置けるインスタントドロソの衝動の方が使いやすいという考えからこっちを採用。《商人の巻物》との相性もこちらのほうが良い。
現在は2枚採用だが、ダブってもよいカードのため3枚でもよいとは思う。
《断絶》
バウンスできるフリースペル。使い魔や大法官庁があるとフリーどころかマナを増やせる。早いデッキ相手にはこのバウンスとマナ加速によるテンポアドで喰らいつける。
意外と使い道の多いカードで、相手のクリーチャーをバウンスするだけでなく自分のクリーチャーをバウンスして除去から守ったりETBを使いまわしたり。前述のマナ加速で他呪文を唱えるためのマナを捻出したりすることも。
便利すぎるカードでダブっても使い道は数多くあるため4枚採用。
《幽霊のゆらめき》
1枚で2つブリンクできる、無限コンボの要。
場にETB持ちが多ければ多いほど強くなる。《海門の神官》2体でも3マナ2ドロー呪文になれる。ただし《儚い存在》と同様にETB持ちが場に出ていないと弱い。2つブリンクなのも相まって、より「噛み合うと強い」カードなのでこれがダブつくと困る。
他リストだと2積みが多いが、このリストでは無限コンボ前に《商人の巻物》から持ってこればよいため1積み。
《精神の交差》
召集持ちのインスタント2ドロー呪文。簡単アド呪文。
素撃ちだと4マナ2ドローと使い勝手が悪いが、2マナぐらいにまで減れば十分なコストパフォーマンスになる。そしてクリーチャーが数多く並び、あまり殴らないためアンタップ状態も多いこのデッキではとても使いやすい。
強いドロソではあるのだが、序盤にダブってほしくはないため3積み。
《商人の巻物》
青のインスタントをサーチできるソーサリー。
無限コンボパーツである《幽霊の揺らめき》を持ってこれるほかにも、コンボパーツが足りないなら《精神の交差》、あと1枚だけ足りないなら《衝動》、コンボを通すための《禁制》や《対抗呪文》、マナ加速やクリーチャー対処を兼ねた《断絶》…などなど、状況に応じて幅広くサーチ可能。
インスタント・ソーサリーのキャスト回数嵩増しもできるため《つぶやく神秘家》との相性も良し。
便利だけどサーチしてるだけな分、入れすぎると動きがもっさりしてしまう。でもこれを入れる代わりにゆらめきの枚数減らしたので2積み。
《ロリアンの発見》
序中盤は島サイクリングで土地に代わり、終盤は3ドロー呪文と捨てるところのない優秀カード。
土地の代わりに入れすぎるとタップインによる減速が多くなるうえにマリガン確率も上がってしまうため、何枚入れるか難しいところ。コントロールとのアド対決を意識して現在は4積み。
採用カード解説・土地編
《理想的な浜方》
ロリアンの発見から白マナを持ってこれるように1積み。
多いとテンポ悪くなってしまう。
《アゾリウスの大法官庁》
青白版バウンスランド。断絶と相性が抜群に良いため多めに入れたい。…が、土地破壊や浄化の野火などに明確な弱点をさらすことになるため3積みにしてます。
ポンザ苦手意識が強すぎる。
《灰のやせ地》
色マナを持ってこれるサイクリングランド。
《アゾリウスの大法官庁》と相性が良く(セットしていたやせ地をバウンスして大法官庁をセット→バウンス前に出したマナを使ってやせ地をサイクリング)、相手ターン終了時に構えてたマナでサイクリングもできたりとインスタント多めなこのリストとも相性良し。でも《ロリアンの発見》とは後述の《常夜会一家の店先》のほうが相性が良い。一長一短。
《常夜会一家の店先》より若干優先で2枚採用。
《常夜会一家の店先》
1点ゲイン付きのフェッチランド。
《灰のやせ地》と比べると、初期キープの観点から考えると《ロリアンの発見》とは《常夜会一家の店先》のほうが相性が良いと思う(土地が《ロリアンの発見》&《灰のやせ地》or《常夜会一家の店先》の場合、2色マナが使えるのはどちらも3ターン目以降だが、《灰のやせ地》の場合は片方が無色土地になってしまう)。でも前もってコスト支払っておくみたいなことはできない。一長一短。
《灰のやせ地》優先で1枚採用。
《亡骸のぬかるみ》
ETBで墓地からクリーチャーをデッキトップに積み込める。
打ち消しや除去で対処されたクリーチャーをこれで使いまわそう。5ターン目に古術師を4マナで素撃ち、打ち消されたらそのままぬかるみセットで圧をかけ続けましょう。お相手は嫌そうな顔をしてくれます。
能力は強いけど実質無色マナ扱いなうえにタップインなので1枚差し。《アゾリウスの大法官庁》や《幽霊のゆらめき》で使い回せるのでピン差しでも問題なし。
《平地》
白マナは1マナ出れば十分なため、デッキ内の白マナが13枚となる2枚採用。1枚じゃないのは浄化の野火に対する白マナ枯渇防止策。
《島》
余りの枠全て。
土地はロリアン・バウンスランド含めて22、3程度が良いと思います。
最後に
冒頭でも書きましたが、愛知のファミリア使い絶賛募集中です。パウパー民ももっと増えてほしい。
東海圏のパウパー人口を増やすために、名古屋・大須を中心に活動してるパウパーコミュニティ「OP会」を開いております。愛知近辺にお住まいでパウパーに少しでも興味のある方は是非!お声がけくださいませ。
下記はPauperMTG様へのリンクです。当コミュニティを掲載していただいております。
最後に、ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。
感想、並びに記載内容に対する意見や質問等お待ちしております。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?