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企業ストーリー|MNTSQ株式会社「アルゴリズムとソフトウェアの力でEnterpriseの契約業務を変革する」

こんにちは。エージェントセブンの村田でございます。
昨今、DXがバズワードになりあらゆる業界でテクノロジー化が進んでいますね。
今回、リーガルテック領域で社会の新しいインフラを作り上げるテクノロジー企業を紹介します。

MNTSQ株式会社(モンテスキュー)
https://www.mntsq.co.jp/

「未来の社会インフラとなるリーガルテクノロジーをかたちにする」ことをミッションとし、トップクオリティのリーガルナレッジと、自然言語処理・機械学習技術を中心とするテクノロジーを融合させ、大企業や法律事務所の契約関連業務を変革していくことを目指しています。
世の中の「契約」におけるクオリティを底上げし、フェアな社会に近づけることで、よりよい世界をつくろうとしているテクノロジーカンパニーです。


今回、創業メンバーの一人であるCo-Founder / 取締役の安野氏にお話を伺いました。

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※安野氏の経歴
東京大学では松尾研究室に所属。卒業後、外資系戦略コンサルティングファームへ入社。その後、PKSHA Technologyの子会社であるBEDOREを起ち上げた後、Founder / CEOの板谷氏とともに創業メンバーの一人としてMNTSQを起ち上げる。同社では開発全般を管掌。


■一言でいうとどんな会社?

リーガルテック領域で自社SaaSを開発・提供している企業です。

代表が現役弁護士であり、日本の四大法律事務所である長島・大野・常松法律事務所との業務提携で有している「トップクオリティのリーガルナレッジ」と、最先端の自然言語処理技術を持つ株式会社PKSHA Technology(パークシャテクノロジー)との提携によって得た技術を活かし、リーガル領域で専門性の高い2つのプロダクトをリリースしています。

・MNTSQ for M&A
・MNTSQ for Enterprise

設立は2018年11月、「MNTSQ for Enterprise」は2020年12月に正式版をリリースしたばかりのスタートアップでありながら、小松製作所、大阪ガス株式会社など世界を代表する大企業への導入実績があり、大企業の契約業務のDXを実現しました。

■MNTSQが展開するサービス「MNTSQ for Enterprise」とは

同社がいま力を入れているサービス「MNTSQ for Enterprise」とは、どのような課題を解決するサービスなのでしょうか?

「MNTSQ for Enterprise」
https://www.mntsq.co.jp/news/mntsq-for-enterprise/

一言でいうと、大企業の契約関連業務をサポートするSaaSのプロダクトです。

まず大企業の法務部が抱えている課題についてお話します。

企業が契約を締結する際に、法務部は「過去に自社がどのような契約をしているのか」を確認するため、過去に締結した膨大な数の契約書の中からリサーチをする工程があります。
大企業になればなるほどその数は膨大で、契約内容も複雑です。

また、契約書は紙でキャビネットに保管されている事もあれば、ファイルサーバーに保管されていることもあります。契約書の中身を確認するとなれば、大きなキャビネットの中から契約書を探さなければなりません。ファイル共有サーバーに保管されていても、スキャンされた画像PDFファイルも多いため、中身の検索が出来ず、中身をひとつひとつ開いて確認する必要がありました。法務部はこうしたリサーチ作業に大きな時間を割いています。

この課題を解決するのが「MNTSQ for Enterprise」です。機械学習技術を用いて契約書の中身を解析することで、契約書のドラフティング、レビューから管理に至るまでの一連のプロセスを変革しようとしています。

もう少し詳しく説明をしますと、締結された契約書は紙で押印されサービスの中でスキャンをされます。

3つのステップを経てデータベースの作成をしていきます。

■ステップ1
写真の契約書の画像データをOCR※1にかけて文字に直します。

※1
OCR(Optical Character Recognition/Reader、オーシーアール、光学的文字認識)とは、手書きや印刷された文字を、イメージスキャナやデジタルカメラによって読みとり、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術です。
サービスにある契約書のデータベース作成機能により、契約書をアップロードすると機械学習と自然言語処理が契約書の中身を分析し、契約書の中身のメタデータを付与し契約書のデータベースを作成する事が出来ます。

■ステップ2
文字に直した契約書の中身を分割します。
例えばここの範囲は第一条、第二条と契約書の中身を条項毎に分割していきます。

■ステップ3
メタデータを取得します。

例えば下記のようなメタデータを取得し、データベース化していきます。
・この第N条はどのような情報なのか?
・契約書自体の種類は何か?(秘密保持契約なのか業務委託契約なのか、株式譲渡契約なのか など)
・誰との契約なのか
・契約の締結日は自動的に更新される契約内容なのかどうか


このような解析を行った上で契約をデータベース化する事で、過去案件のリサーチを高速化したり、より大きな傾向を分析したりすることができるようになります。

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実績として、『MNTSQ for Enterprise』を導入した企業が契約検討業務の約40%を効率化できた事例もあります。
https://www.mntsq.co.jp/news/mntsq-for-enterprise/

年間数千件の契約書を審査している大企業にとって、法務部門の効率化は経営に対するインパクトも非常に大きいのです。

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■MNTSQが目指す未来は?

MNTSQが目指す未来は「未来の社会インフラとなるリーガルテクノロジーをかたちにする」ことです。日本にある契約書のクオリティの平均点のようなものを、テクノロジーを活用することで高めていけるのではないかと考えています。

良いとされる契約には「紛争を事前に予防する効果」や「当事者間のフェアネスを担保する」効果が存在します。ゆえに、社会全体の契約のクオリティが上がっていくことで、より紛争が少なく、よりフェアな社会が実現できる可能性があると考えています。

■エージェントセブンがMNTSQをおすすめしたい理由

①リーガルテック業界の成長性

リーガルテック業界は、急速に注目が高まりつつあり、市場が立ちあがろうとしている領域です。注目が集まっている背景にはいくつかの理由があります。

ひとつは、コロナ禍の影響によって、大企業の契約業務が急速にリモート化したことが挙げられます。かつてのように紙の契約書に押印をして、キャビネットで保管するオペレーションは物理的に継続困難になりました。また、リモートワークが中心になることでますます属人化の傾向が高まり、法務部のナレッジマネジメントはますます重要性が高まりました。そういった中で、各社ともクラウドサービスを活用することで業務改革を進めようというトレンドがみてとれます。

また別の流れとして、「自然言語処理」と「機械学習技術」が実用的に成果が出るレベルになってきた、という点があげられます。契約書データは「第一条、第二条」というように情報が細かく分割されており、綺麗で整った日本語で記載されていることが多く、自然言語処理との相性は実は非常に良い領域です。「今解けるようになりつつあること」と「業務上価値が出るところ」の距離が非常に近く、「今だからできる」ことが明確にある領域です。

②アルゴリズムとUXデザインが連携し品質の高いサービスを作り上げる組織

自然言語処理を用いて品質の高いサービスを提供し続ける同社は、どのように業務をデザインするのかを常に考えプロダクトに落とし込んでいます。

クライアントの全ての業務が自然言語処理で解決するのではなく、ソフトウェアが得意な領域、人間が得意な領域がそれぞれあります。また、人間が判断する場合はどのようなUXになるのか?ソフトウェアでどう補完するのか?を常に考える必要があります。この切り分けをしっかりとデザインできているかどうかがポイントになります。

安野氏
「例えば、アルゴリズムの精度が100%なのか、99.9%なのか、90%なのかによって、やるべきことや実現すべきプロダクトの形が変わってきます。
「ここはこのくらいの精度が出せそうだから、プロダクトはこういう形にした方がいいね」というようなコミュニケーションを、アルゴリズム側とプロダクトデザイン側で密に連携することを大切にしています。
アルゴリズムとデザインの連携をしっかりととれるようなチーム作りに力を入れていることが、品質の高いサービスを提供するうえで強みになっていると思います。」

また、同社のメンバーは現役弁護士である代表の板谷氏をはじめ、リーガル領域の専門化、アルゴリズム領域のスペシャリストなど、様々な専門知識を有するメンバーが集まっています。
同社のメンバーは、特定領域の専門知識を持ちながらも、自身の仕事の領域を限定せず、最高のプロダクトをつくるために必要な知識は役割を越境し、幅広く習得されています。
リーガルの専門化がアルゴリズムを理解し、開発エンジニアが法務を勉強するというように、コラボレーションしながら相手の業務知識を吸収することを大切にしています。


最後に…

昨今「DX」がバズワードとなり、テクノロジーの力で産業を革命していく企業が増えてきました。
その中で、実際にテクノロジーの力で変革を起こすことができている企業はどれほどあるでしょうか?
決して簡単なことではありませんが、設立3年目、少数精鋭の組織でありながら、同社は愚直に業界の課題に向き合い、既に大企業を相手に大きな実績をあげています。

スタートアップのスピード感で、大企業や業界の変革を実現させていく。
ここでしか経験できないやりがいがありそうです。

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