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その生き物が家族なら、食べられない。映画「okja(オクジャ)」

★★★★☆(満足度:四つ星)

<あらすじ> いずれ食肉になることを知らずに「巨大生物(オクジャ)」を家族のように育ててきた少女。そのストーリーを利用して食肉のPRキャンペーンを企てる企業から「オクジャ」を救うために少女は奔走する。

正解のない問題提起にどう結論出すの?

巨大生物と心を通わす描写や、救い出すために懸命に追いかける少女に姿に胸打たれますし、活劇としてもスリリングで楽しめます。でも、見てる途中で「これ、どうやって結論出すのさ?」って思うわけです。

イルカだって、クジラだって、世界中から批判されている我が国ですし、オクジャが助かればそれでいいって話では終われない、色々とこの作品はフラグ立ててくるんですよ。。。生き物を食らうテーマを回収できんのか?

キャラクターの家族像の描き方でまとめてきた。

主人公の少女は、山奥で自給自足のように暮らしています。鶏も家畜として育てて食べます。彼女にとって食べる区別は、生き物の存在が家族か、そうでないかです。後半でも彼女の振る舞いでそれが象徴的に描かれます。

一方、少女を利用して食肉キャンペーンを企てる企業の社長は「家族」がいません。血縁として親や兄弟がいますが、心通う存在ではないのです。なので、人間も含めた生き物に対して、扱いには等しく感情がありません。

その他の登場するキャラクターにも「家族」の定義と行動原理をうまく演出し、正解のない問題提記に、生き物と食べ物を家族的な解釈で結論を出しています。

敏感な人は注意が必要。

なにやら面倒な話になりましたが、映画としては、笑いあり、活劇あり、そして目頭が熱くなる質の高いエンターテイメントです。これが定額サービスのコンテンツの中でone of themなんて、すごい時代になりました。

しかし、Netflixは「子供には不向き」というアラートを出しています。大人でも敏感な人はオススメしません。テーマ上、避けて通れない演出があるので覚悟して見てください。

映画「オクジャ/okja」は「Netflix(ネットフリックス)」で観賞できます。(2017年6月現在)

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