シェア
牛板九由
2016年4月27日 14:11
学校から向かったのは車などの修理店。と言っても営業はしていない。賢也の親戚の店で、使わなくなったということで使わせてもらっている。主にバイクの置き場に。車五台が置けるスペースなのでバイクは人数分三十三台が入る。今は幾つか使われているみたいで数箇所空いている。自分のバイクのバイクカバーを外し、表に出す。そのとき着信が来た。貴史からだった。「双葉ちゃんの居場所がわかったぞ。うちのもんが誘拐現場
2016年4月20日 12:37
双葉と出会って一週間経った頃、晴人のもとに電話がかかってきた。電話の差出人は富津円。「もしもし」『ニュース見た?』もの凄い迫力で聞いてくる。その声は泣いているように聞こえる。「見てないけど、どんなニュース?」『双葉ちゃんが誘拐されたの』「え」驚きのあまり言葉を失う。誘拐されたことに対してではない。誘拐されたことを円が知っていることだ。「いつ、どこで誘拐された?」『たぶんだけど、九
2016年4月13日 12:37
中学生のときの晴人は荒れていた。荒ぶっていた。ハチャメチャで滅茶苦茶だった。野蛮で横暴で非道で怠惰だった。誰もが恐れ畏怖し話しかけられる人はごく一部だった。ごく一部とは後に夜覇王のメンバーとなる者。高校生の晴人のようになるのは中三になって半年の頃だった。それまでは正しく魔王であった。中学の三年間で晴人、翔、賢也、奈緒の四人で学校内で壊した物は窓ガラス十二、机八、椅子十、扉十一、トロフィーなどの記
2016年4月6日 09:50
双葉は今日、仕事がないので朝から学校に行っている。朝から双葉がいると周りの人は結構びっくりする。特に先輩が。朝から行くといつも先輩たちに話しかけられ、教室に着くのが時間ギリギリになるのが問題の種。そして今日もまた教室にギリギリで着いたため、友達の話が途中で輪に入れない。しかし今日はちょうど話が変わるところだった。「今日のニュース見た?警察署内で銃を発砲したって話」「見た見た。怖いよね」「な