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本気のAngel Beats!(風チョイスかなで)

前ノートよりおよそ一週間。冷静になった今、あのノートを読み返してみると、自分はAB!に関しては明らかに頭がおかしいのではないか? と不安になった。
そんなことはさておき、前回は書けなかった両翼かなでを軸にした構築について、わたしなりに納得のいくものを組み上げることができたので、ここに言語化していこうと思う。例によって例のごとく、思考過程をつらつらと書き連ねていくので、読みにくかったら申し訳ない。また、画像は遊々亭さんより、デッキレシピ画像はUtoolforWSさんより頂戴した。
どうも、前ノートはWSの考察記事としての他、Angel Beats!のファン記事としても評価していただいた節があるが、当ノートにそちらは求めないでいただきたい。わたしはかなでよりゆり派なので、さすがにあのテンションをキープし続けることは難しい。

それでは本題に入っていこう。当ノートで考察していくのは、前述した通り、「白銀の両翼 かなで」をフィニッシャーに据えた構築だ。

各カードショップでの販売価格を見ても分かるように、両翼かなではAB!の構築をしていくうえで、明らかにトップメタとなり得るカードである。今回はこの両翼かなでについて、愛採用をかなぐり捨てた本気の考察をしていきたい。とは言っても、やはり環境に適応した構築ではなく、あくまでもWSというゲームシステム上での強さを考えた構築となる。ここで述べたものが、他タイトルを薙ぎ倒して勝ち残れるものであるかどうかは、残念ながらわたしには判断できないので、読者の各々の判断にお任せしたい。

WSにおいて、「リソース確保プラン」と「フィニッシュプラン」が構築の軸となっていくことは前ノートでも述べた通り。両翼かなでは、当然フィニッシュプランにあたるわけであり、実はこちらの方が、論理的にデッキを組み上げやすい。というわけで今回は、「論理的にデッキレシピを組み上げていく過程」を詳細に記していこう。

(1)両翼かなでの強みはなにか?

当然、最初に考えるのはこれである。両翼かなでの特徴は、間違いなく「少ないリソースで強力な詰め手段を用意できる」点だろう。デッキ内にさえ自身がいれば、たった手札1枚と4コストでレベル3が3面並び、あとは対応CXを貼るだけで「4点or2点×3」(しかも調整可)という、わたしの知る限りではWS史上屈指の詰めを行うことができる。初めてこのカードを見たときは、現代WSのコストパフォーマンスに衝撃を覚えたものである。
両翼かなでは、理想フィニッシュの盤面を整えるためのリソースがわずかでよいので、「事前にリソースを稼げていなくてもなんとかなる」「フィニッシュのための準備が少なくて済むので、その分のリソースやデッキスロットを別のところに回すことができる」という点に強みを見いだすことができる。つまり、多少事故っていても理想フィニッシュを行うことができ、フィニッシャーを用意するためのリソースを圧縮やダメージレースに還元することができるのである。

両翼かなでのフィニッシャーとしての弱みは、強いて挙げるならば「回復能力が無いこと」と「2-4あたりからでもキルが狙えるだけの爆発力はさすがに無いこと」だろうか。はっきり言って、弱みと言えるほどのものではない。

(2)理想的な最終盤面はどうなっているか?

今回はフィニッシャーが先に決まっているので、ゲーム最終盤の理想盤面から逆算していく形で構築をしていきたい。
もちろん、前列の理想盤面は「両翼かなで×3」だ。これを用意するために、手札に1枚、デッキに2枚の配分でかなでを用意しておけるようにしていきたい。とはいえ、これはあくまでも最小リソースでのフィニッシュに必要な条件、というだけである。かなでが2枚手札にいたとしても、盤面をつくるのにストックコストが1つ増えるだけなので、このあたりで拘りすぎてプレイングが歪んでしまうことがないように気を付けたい。

ところで、理想の最終後列はなんだろうか。両翼かなではリバースを要求しない=後列によるパワーパンプを要求しないので忘れがちになるが、これもまた、論理的にデッキ構築していく上では必須の思考過程であると言える。
詰めに必要な要素が自己完結している両翼かなで。そのため、理想盤面に必要な後列の要素とは「両翼かなでの補助ができること」ではなく「両翼かなでの強みをより伸ばせること」となる。この視点から考えたとき、真っ先に思い浮かんだのが、かつてAngel Beats!の顔であったこのカードであった。

AB!の共通特徴である「死」に手札アンコールを付与してくれる役目かなでは、両翼かなでを場に残し、2ターン連続で強力なCXシナジーを撃つことに貢献してくれる。両翼かなでは倒されたあとの再登場がやや難しい類いのカードなので、役目かなでは最終盤面にぴったりなカードだと言えよう。

というわけで、理想の最終盤面は「両翼かなで×3+役目かなで」であると決まった。後列のもう1面は無くても構わない。

(3)両翼かなでと相性がいい「リソース確保プラン」はなにか?

理想的な最終盤面を考えたので、今度はその盤面を作り上げるための手段を考えていきたい。当然、3帯に辿り着く前に息切れしていては話にならないので、1帯におけるリソース確保の方法は十分に検討しておく必要があるだろう。
Angel Beats!における実用的な「リソース確保プラン=1帯の主戦力」には、

・電源シナジー


・新弾の風シナジー


・旧弾の炎シナジー

の3つが挙げられる。それぞれの強みと弱みを簡単に述べると、

・電源シナジー
前ノートで述べた通り、盤面維持とこれに起因するリソース面での優位性が強み。ただし、相手の展開によっては簡単に崩されてしまうこともある。なにより、盤面が完成していないと弱い。

・新弾の風シナジー
CXを貼るだけで手札かストックが増えるのが強み。レベル0のキャラはせいぜいデッキの25パーセント強ぐらいなので、大抵は手札を増やすことができる。CXでも手札に加えることができるので、2枚目の風やフィニッシュに必要なチョイスを集めることができることが大きい。とはいえ、手札とストックのどちらが増えるのか事前に分からない点と、手札に加わるカードを選べない=質が良くない点は、見過ごせない弱みである。

・旧弾の炎シナジー
フィニッシャーが生徒会であり、ストックコストの要求が少ないので選択肢に入ってもおかしくない。確実に、選んで、手札を増やすことができるのが強み。とはいえ、撃てば撃つほど、多面をすればするほど、ストックコストが嵩んで意外と余裕がなくなっていってしまう。そのうえ生徒会=実質かなでしかサーチできないので、ストックを払うわりには柔軟性に欠ける点は大きな欠点だろう。

この中で、わたしは「風シナジー」が理想最終盤面と最も相性がよいと感じたので、今回はこれを採用した。

ところで、君たちはデッキ構築をしていくうえで、いつも当たり前のようにレベル1でアドバンテージが取れるCXシナジーを採用していると思うが、果たしてそのシナジーがもつ「ゲーム全体を通しての役割」を考えたことはあるだろうか。
レベル1のCXシナジーに求められる役割は主に、

・フィニッシャーへの場繋ぎ=後続アタッカーの確保
・フィニッシュ盤面をつくるための準備=フィニッシャーやストックの確保

の2点だ。サーチや回収、ストック稼ぎなど、形は様々であるが、すべてはこの2点に集約されると思う。

さて、この視点をもったうえで、両翼かなで構築と最も相性がいいものはどれであるかを考えていくと。
まずは「後続アタッカーの確保」の視点だが、AB!の場合、役目かなででアタッカーに手札アンコールを付与することができるので、新たなアタッカーを引いてくる必要がない。要するに「手札アンコールの弾を稼ぐ=手札を増やす」ことができればいいのである。
次いで「フィニッシャーの確保」の視点。これこそ、両翼かなでを1枚引けていれば良く、それならチョイストリガーや集中のヒット、素引きでも十分に達成することができる。
これらを総合すると、CXを貼るだけで手札が増え、デメリットであった質の悪さを気にする必要がない(手札アンコールの弾にすればいい、フィニッシャーは1枚引ければいい)風シナジーが最も相性が良いと言えるだろう。何より、最も課題となる「CXの確保」にも一役買うことができる点で、他の2種のシナジーよりも抜きん出ている。

これによって、今回の構築のゲームプランが、

・岩沢さんを手札アンコール付与で居座らせ、
・風シナジーを繰り返し撃ってリソースを繋ぎ、
・両翼かなでのシナジー2連打で勝負を決める

という流れに決まり、レベル帯ごとのおおまかな方針は次の通りになる。

・0帯→1帯の盤面作りに全力を尽くす
・1帯→風シナジーを連打して全力で流す
・2帯→両翼かなでが手札とデッキにいるように意識しつつ、相手を早く両翼かなで圏内に押し込む
・3帯→両翼かなででフィニッシュ

それでは、この方針に従いつつ、できあがった今のわたしのレシピを紹介しよう。もちろん、まだ研究途中であって、十分に改善余地はあるはず。君たちの手で、より良いものにしていってもらいたい。

本来なら、ここからはレベル帯ごとの採用カード解説に移るのだが、おそらくはほとんどの人が目を引かれて気にしているであろうカードの解説を先にしておくこととしたい。
こいつである。

・天使の麻婆豆腐 2枚

かつてのAB!でさえ、採用されているところを見たことがない。しかし、テキストを読んでみてほしい。このイベント1枚で、3枚ものキャラをサーチすることができるのである。ぶっ壊れか?
まあ、イベントである点や2コストかかる点によってこれまでは使われてこなかったわけだが……。手札1枚で岩沢さんを3枚揃えることができる、と考えると、今回の構築にはうってつけであるように感じた。試しに採用してみたところ、2コストの用意さえできれば、簡単に盤面を整えることができて強い気がした。
そもそもAB!には、収録中互換や輝きあずさ互換のような、ノンコストで手札を整えることができるカードがほとんどない。だからいつもオペトルに頼るわけだが、今回は色が違うので頭を悩ませていた。結果、集中やイタズラ好きなどで集めることになる。どうせここでコストを払っているならば、麻婆豆腐でコストを払ってもあまり変わらないのでは?と思えば、十分採用に値するだろう。
岩沢さん複数+役目かなで+風の盤面を一度作ることができれば、そのために使ったリソースは余裕で取り戻してくれる。ぜひ君たちも、騙されたと思って一度使ってみてほしい。

それでは、各カードの採用理由を簡単に説明していこう。とは言っても、もうここまででほとんど説明しているようなものであるが。
採用枚数の目安は前ノートにも載せたが、以下の通りである。

4→序盤で素引きしたい、絶対複数枚引きたい、などなど
3→中盤までに素引きしたい、2枚目を出せるなら出したい、などなど
2→1枚は使いたい、素引きできなくてもサーチできればいい、などなど
1→活躍場面が限定的だが外せない、詰み防止や特定メタカード、などなど

【レベル0】
コンセプトは「岩沢さんを集めること」。もしも麻婆豆腐の採用枚数を増やすことができたら、コンセプトが「2パンすること」に変わるので激変することになるが、麻婆豆腐が2投の間はこれでいいように思う。麻婆豆腐が引けなくても、岩沢さんを集めることができるようにしたい。

・伝えるために かなで 3枚

間違いなく、両翼かなでをサポートするために生まれてきたカード。2投でいいかなぁと思っていたが、0帯で投げたあとに引けなくて困ったことがあったので、3投にしてみた。パワーも最低限あるので、困りはしない。
余談だが、このフレーバーは良心の呵責に苛まれる。

・Girls Dead Monster 関根 2枚

単純に1ドロー1ディスって強い。CXを引きにいく、引きすぎたCXやイベントや両翼かなでを捨てる、といった具合に役割は多い。とはいえ、意外と条件が重く、パワーも低いので、採用については検討の余地がある枠。個人的には、減らすことはあっても増やすことはない。ちゃっかりついているバウンスは、早出しを返すなど、刺さるときに刺さるので覚えておいて損はない。

・戦線の陽動班 ユイ 4枚

この可愛さたるや。ちなみに、ユイの声優であるキタエリの声がわたしは大好きなのだけれども、その原因の半分はこの子にある。もう半分は物語シリーズ。フレーバーの脳内再生とか余裕過ぎて読むだけで悶えられる。
単レスト集中は強いので4投。わたしの基本的な考えに、集中は素引きするもの、というものがある。エンジンにあたるカードをサーチしていては本末転倒では? といった感じ。そのため、基本的には4投。
ユイはゆりの次に好きなキャラクターなので、常に後列にいてくれると嬉しい。

・多生の絆 音無 2枚
・有能な通信士 遊佐 2枚
・イタズラ好き 関根 1枚

全部岩沢さんへのアクセス札。パワーと色を優先して、音無と遊佐さん多め。遊佐さんって、やっぱりめっちゃ可愛いと思う。

・神への復讐 ユイ 2枚

お前その可愛さとあざとさMAXポーズでほんとに復讐する気あんのか?
試験的に採用した名残。最初は思い出に飛ぶと思っていた。イタズラ好きと選択で採用になると思う。ユイの方が好きなのと、山削り、即時性からこちらが多め。

改めて考えると、岩沢さんを集める方法が「素引き」「0キャラによる手札入れ換え」「麻婆豆腐」であり、キャラによる手札入れ換えと麻婆豆腐は両立しない。麻婆豆腐が引けていたらそちらで、引けなければ0キャラで集める、という視点をもつと、しおりんやユイあたりを削ってアタッカーを入れても良いように感じた。
まあ、このあたりはたくさん回してみての実感をもとに微調整していくとよいだろう。

【レベル1】
岩沢さんを居座らせて殴る。以上。
あとは両翼かなでの居場所に気を配れば100点。

・My Song 岩沢 4枚

ここまでで散々述べた通り。何気にパワーが6000まで伸びるのもgood.
意外と、風が電源構築に刺さってて良かった。

・皆を見送る役目 かなで 3枚

1話とかしか見てなくてこのネームを見ると混乱する。
かつてのAB!を象徴したカード。調べてみたら10年前のカードだった。改めて、このカードで戦うことができると思うと感慨深い。
サーチは岩沢さんが優先されるので、素引きを期待して3投。

・模範的な生徒 かなで 2枚

さすがにアタッカーが岩沢さん4枚だけでは少ないので、サブアタッカーとして2枚。イタズラ好きを選択して多めにしていた場合は、新弾のバニーガールでもいい。
岩沢さんを集められる自信があれば、ここは切ってもいい枠。

・助太刀 2枚

岩沢さんが自身で6000あるので意外と返せる。

【レベル2】
早く通りすぎて両翼かなでを並べたい、岩沢さんをキープしてCXシナジーの連打を狙いたい、という視点からかなり薄めのレベル帯。

・真夏の天使 かなで 1枚

美夏互換が出るとは思っていなかった。無くてもいいが、見せとくと勝手に警戒してくれる。他に枠が欲しくなったら真っ先に切る枠。

・百人力の手練 椎名 1枚
・SSSを束ねる ゆり 1枚

AB!使ってて入れない理由とは?
椎名は両翼かなでをデッキに戻す緊急回避的な役割もあるので外せない。ゆりは、後述する佇むかなでや早出しがいれば無くてもよいが、風が引けなくて苦しい展開になったときに欠かせなくなる。
総じて、どちらも脳死採用して問題ないであろう枠。

・Girls Dead Monster ひさ子

最低限の上位後列。他の枠が欲しくなったら真っ先に切る枠2。ただ、詰める前のターンに風を撃つことで、両翼かなでを並べるストックコストを確保できる。が、結局こいつを出す分と±0なのでなんとも。パワーが欲しい場面は絶対あると今は思っているが、無くても困らなそうなら即切ろう。
漫画を読んでると、岩沢さんと並んでる盤面にエモさを感じる。

・佇むかなで 1枚

これ、キャラ名との間にスペースが無いことに初めて気づいた。
役目かなでを採用していて、相手に速やかにダメージを通したいなら採用を検討する枠。ここも切る候補。とはいえ、殴るだけでソウルが増えるのはとても強い。早くショット圏内に入れたいうえ、両翼かなでがストックを要求しないので、相性は抜群に良い。

【レベル3】
両翼かなで以外は、両翼かなでを並べられなかったときのためのカード。

・白銀の両翼 かなで 4枚

コンセプト。散々述べた通り。めちゃくちゃ強い。
こんなばっさー翼生やしといてその台詞は、信じてもらえなくても仕方ないと思う。

・暖かな気持ち かなで 2枚

両翼かなで圏内に押し込むためのカード。基本は早出しで使う。役目かなででアンコールをすれば、高パワー高ソウルで殴れてgood.
佇むかなでかこちらかか、どちらかは2帯で出したい。

・悪戯な笑み ユイ 1枚

このちょっと大人びたユイが本当に可愛くてたまらない。
3-6でデッキが1枚しかない、みたいな詰みを回避するための回復枠。早出ししてソウル2で殴ることもできるのでユイを採用。

・理不尽な運命への抵抗 ゆり 1枚

Angel Beats!使ってて使わない理由ある???
基本は両翼かなでが優先。詰めきれなかったときの、本当の最終ターンとかに出すと最強だと思う。

両翼かなでを活かすためにデッキスロットを圧迫する必要がないので、薄っぺらい理由でも採用できてしまうのが良いところでもあり悪いところでもあるのがこの構築。
カスタム性の高さは非常に魅力的なので、少しでも50枚にしっかりとした役割を持たせられるよう、考えていきたいところだ。

さて、いつもながらに中々長くなってきたこのあたりで、そろそろ筆を置くこととしたい。今回はガチデッキよりの視点なので、ぜひ多くの意見をいただきたいと思う。これだけ偉そうに書いてきたが、これが正解のレシピだとはまったく思っていない。君たちの意見によって、より高みを目指すことができたなら幸いだ。
それと、もしもコンビニコーヒー1杯程度の価値を感じてもらえたなら、投げ銭をくれると励みになる。ぜひ。

それではまた。WSという分野において次の機会があるかは分からないが、もしもあったらそのときまで。
君のAngel Beats!が、どこかで結果を残せますように。

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